「横断歩道で歩行者を渡らせない県」はどこ? 一番「停まってくれる」のは長野県 軽視しがちな「歩行者優先」の基本ルール 忘れてはいけない理由とは
JAF(日本自動車連盟)は、信号機のない横断歩道において、横断歩行者がいた場合に一時停止をするクルマの停止率を公表しています。その内容を見ると、いかにドライバーが一時停止しないかが浮き彫りになっています。
もっとも「停まってくれる」のは長野県。ではもっとも「停まらない」都道府県は…?
信号機のない横断歩道に人が立っているのを発見。そんなとき、きちんと一時停止していますか。
JAF(日本自動車連盟)では、そうした信号機のない横断歩道において、横断歩行者がいた場合の「停止率」を都道府県別で調査し、結果を公表しています。
JAFが2025年に実施した「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」によると、信号なし横断歩道での一時停止率は、全国平均で56.7%という実態が明らかになりました。
この調査は2016年にスタートし、毎年実施されています。ちなみに、2016年の全国平均は7.6%でした。
調査ではその後、2017年が8.5%、2018年が8.6%、2019年が17.1%、2020年が21.3%、2021年が30.6%、2022年が39.8%、2023年が45.1%、そして2024年が53.0%と、劇的に改善してきていることが読み取れます。
ただし、裏を返せばまだ半分近い割合のドライバーが、横断歩行者を発見しても一時停止をしていないことが分かります。

警察庁によると、2021年から2025年までの過去5年間で、自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は4158件発生しており、そのうち約7割を占める2843件が歩行者の横断中に起きたという調査結果が発表されています。
また、警視庁が公表している資料によると
「自動車と歩行者との交通死亡事故の約7割が道路横断中の事故であり、信号機のない横断歩道での死亡事故では、自動車の横断歩道手前での減速が不十分なものが多い。
また、歩行者の横断中死亡事故の約7割は横断歩道以外で発生しており、その多くに歩行者の法令違反も認められている。
このため、運転者に対して横断歩道手前での減速義務や横断歩道における歩行者優先義務を再認識させるとともに、歩行者に対しても横断歩道の利用等の交通ルールの遵守を促す広報啓発や街頭指導を強化するなど、運転者と歩行者双方の遵法意識の高揚を図っている」
と記述されており、一概にクルマ(とそのドライバー)に過失があるとは言えない現状もあります。無理な横断はドライバーと歩行者、双方にとってデメリットが圧倒的に大きいでしょう。とはいえ、「歩行者優先」の考えが最重要であり、やはりクルマが気をつけることが大切となります。
また、2025年の最新版「信号機のない横断歩道における車の一時停止率(全国)」の統計によると、「歩行者がいて停まってくれる」都道府県トップ5とその停止率は、長野県88.2%、岐阜県78.0%、福岡県77.7%、熊本県77.4%、宮崎県76.5%となっています。
ワースト5は山口県34.3%、大阪府35.5%、福井県35.8%、沖縄県36.9%、北海道38.1%となっています。
もちろん、この数字がすべてではありません。事実、JAFでも「調査場所は各都道府県内2箇所ずつであり、市町村すべての道路で同様の数値(傾向)とは限りません」と補足しています。あくまでも「傾向として」見るのが適切といえそうです。
ただ、2025年に1位となった長野県は2024年、2023年も同様であり、全国平均で見ても「信号機のない横断歩道での歩行者横断時におけるクルマの一時停止」が周知徹底されていると判断して良さそうです。
年々、全国平均の割合が上昇してきていることからも、2026年はさらによい結果に結びつくことが期待されます。
クルマを運転する以上、「重量のある巨大な鉄の塊」を動かしているという意識を忘れてはいけません。また、いわゆる「交通弱者」と呼ばれる歩行者などをしっかりと守らなくてはならないという、ひとりひとりの心掛けが何よりも重要です。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当。カーメディアの運営サポートや企画立案・ディレクションが得意分野。またオーナーインタビューをライフワークとし、人選から取材・撮影・原稿執筆・レタッチ・編集までを一手に担う。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911S(プラレール号)と2022年式フォルクスワーゲン パサートヴァリアント。




















































