全長4.5m級の新型SUV「トナーレ」! 4年ぶり大刷新で「“アルファロメオ”らしさ」が増した!? “旧車のデザイン”も採用した「新モデル」の実力とは

ステランティスジャパンは2026年3月17日、マイナーチェンジを遂げたアルファロメオのミドルサイズ SUV新型「トナーレ」を発表しました。登場したばかりの同車を山本シンヤ氏が試乗し、レポートします。

アルファらしさが増したトナーレ

 アルファロメオ…クルマ好きなら誰でも知る老舗イタリアンブランドです。115年の歴史は“波乱万丈”と言ったモノですが、いつの時代も「デザイン」と「走り」にこだわったクルマをリリースしてきました。

 日本では「156」/「147」のヒットで“身近”な存在になったものの、それ以降は迷走ぎみ……。それはプロダクトにも表れ、少しユーザーが離れていってしまったようにも見えます。

 しかし、2021年にステランティスN.V傘下になってからブランドを再構築。具体的には「スポーティ」はそのままに、「普及ブランド以上プレミアム未満の絶妙な立ち位置」、「アンチコモディディ(無難な選択にしない)」、「日常を非日常に変える」などなど。これらから筆者(山本シンヤ)は「ライフスタイルスポーティブランド」と表現しています。

 その切り込み隊長となったのは、2023年に日本に導入された「トナーレ」です。アルファロメオ初のコンパクトクロスオーバーSUVであると同時に初の電動化モデルとなります。

 日本ではアルファロメオの販売台数の大部分を占める主力モデルですが、2026年3月には大幅アップデートされた新型が登場。今回、この新型モデルを箱根近郊のワインディングを中心に試乗してきました。

 エクステリアはフロントマスクを中心にアップデート。より立体的になったセンターの“盾”やバンパー下部のデザイン処理により、より鋭く、より強面になった印象です。ちなみに今回のアップデートで全長は10mm短縮の4520mmに変更されています。

アルファらしさが増した?
アルファらしさが増した?

 全体的なデザインは「33ストラダーレ」、横基調のグリルは「2000GTV」、盾の両脇の4つの穴は156をオマージュしたモノですが、それがいやらしく感じないのは、デザインチームの技です。ちなみにこのデザイン変更は意匠的なモノだけでなく、冷却や空力などの機能アップにも活用されているそうです。

 加えて、三つ葉をモチーフにした新アルミホイール(フォリ)はアフター鳴かせの斬新なデザインです。タイヤは従来モデルと同じ235/40R20ですが、より大径に見えます。

 ボディカラーは5色用意されています。定番のレッドがおススメですが、個人的にはかつての「155スーパー(後期型)」を思い出すモンツァグリーン(新色)のスポーティだけどそれを全面にアピールしない“したたか”な感じがいいな……と。

 インテリアはアナログとデジタルを上手に融合したインパネ周りのデザインは不変ですが、シフトレバー→シフトダイヤルに、センターモニターにステアリングヒーター/シートヒーターのショートカットボタンの追加などが行なわれています。

 シフトダイヤルの操作性は悪くないし、従来モデルに対してセンターコンソール周りもスッキリ整頓されていますが、ダイヤル周りのデザインがアルファにしては少々事務的なのは残念な所……。

フットワークはとにかく「爽快」!
フットワークはとにかく「爽快」!

 パワートレインは従来モデルではMHEVとPHEVの二本立てでしたが、新型はMHEVのみとなっています。1.5Lターボ(160ps/240Nm)+7速DCT内蔵モーター(20ps/55Nm)のスペックは不変ですが、エンジン/モーターの制御バランスの最適化、エンジンの可変バルブタイミングの調整、シフトタイミングを早める制御などが行なわれており、0-100km/h加速は8.8秒から8.5秒に短縮されています。

 EV走行も可能なストロング寄りのマイルドハイブリッドなのは従来モデルと同じですが、電動車感が増した事で実用域のレスポンス向上に伴うドライバビリティ向上(従来は操作に対してワンテンポ遅れる印象)。

 更にアクセル開度が高い所(=エンジン回転が高い領域)では小気味良さ(従来はモッサリ)と伸び感(よりストレスなく回る)が増しています。これはドライブモード(D.N.A)「D(ダイナミック)」の時が一番わかりやすいです。

 ただ、その一方で従来モデルよりもエンジンとモーターの連携は良く言えば“メリハリ”がある、悪く言うと“ギクシャク”するので、滑かに走らせるには156のセレスピードのようにクルマ側のクセを掴み、対話をしながら走らせる必要があるかな……と。個人的にはDレンジよりもパドル(かなり大きいサイズ)でマニュアルシフトをしたほうがリズムは取りやすいと思いました。

 普通のクルマなら厳しい評価になりますが、アルファの「クルマとの対話に没頭」と言う考えと照らし合わせると決してネガでは無く、電動車でも楽しさを忘れない、電動車でもどこか人間味があるフィーリングは、筆者は“個性”と捉えています。

 フットワークは従来モデルに対して全高は10mmダウン、トレッドは片側4mmずつ拡大されています。それに伴うサスペンションの変更のアナウンスはありませんが、最適化されているのは間違いないです。

 13.6:1のクイックなステアリングギア比による初期応答の良さは従来モデルと変わらずですが、新型はそこから先が違います。

 従来モデルは切れ味鋭いがその先は意外と普通のハンドリングでしたが、新型は全域で切れ味あるハンドリングになっています。

 結果としてコーナリングの一連の流れに連続性が増していますが、他のクルマのような滑らかさではなくメリハリを重視したモノ。

 このように書くと「よりピーキーな特性になった?」と思われがちですが、リアはドシっと安定しているので俊敏だけど不安な挙動は出ず、安心感は非常に高いです。つまり俊敏だけど懐は深い乗り味に仕上がっています。

 乗り心地は20インチの40偏平タイヤながらも電子制御の可変ダンパーがいい仕事をしており、実用域でも突き上げは少なめ。速度が上がるとよりしなやかさが増し、バネ上はフラットでGT性能も高いと感じました。

 ドッシリ系のドイツ車と比べると明らかに軽いステアフィール(だけど直結感はすこぶる高い)を含め、最初は馴染めない所はあるかもしれませんが、少ない操作でクルマが面白いように反応する特性に慣れると、FFらしからぬ、SUVらしからぬ、1.6トンのモデルらしからぬフットワークはとにかく「爽快」。

 そろそろ結論に行きましょう。単なるフェイスリフトと思うなかれ、走りは従来モデルよりも“刺激”と“アルファらしさ”がより増したと感じました。個人的には末っ子に新アルファの入門編「ジュニア」が登場した事で、次男坊のトナーレはやや“クセ強”にシフトできたのかな……とも思っています。「間口は広いが、特別感は満載」、そんなコンパクトクロスオーバーSUVです。

【画像】超カッコイイ! これがアルファロメオ新型SUV「トナーレ」です! 画像で見る(88枚)

【複数社比較】愛車の最高額を見る(PR・外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

【2026年最新】自動車保険満足度ランキング

【頭金0円】毎月1万7千円代でフォレスターに乗れる!?(PR・外部リンク)

最新記事

全国のガソリン平均価格
2026/04/08時点最新
直近の平均価格
レギュラー
164.1 -2.4
ハイオク
175.2 -2.1
軽油
153.5 -1.8
情報提供元:株式会社ゴーゴーラボ
gogogsで詳細をみる

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー