FF最速はどっち? ホンダ新型「シビックタイプR」とルノー新型「メガーヌR.S.」をニュルマイスターが乗り比べ
新型「メガーヌ R.S.」は、日本にピッタリ
さらに、メガーヌの素晴らしいところは、荒れた路面でもタイヤが地面に吸い付くようにするための機構『ダンバー・イン・ダンパー』というサスペンションが採用されている点です。まさに、路面が荒れていることでも有名なニュルブルクリンクに適しています。
シビックとメガーヌは、ともにニュルブルクリンク最速を狙ってはいるものの、まったく別のアプローチでトライをしているように感じました。
シビックは、あからさまにニュルブルクリンクで鍛え照準を合わせています。メガーヌは、ニュルブルクリンクだけが目的ではなく、ヒラヒラと舞うような切れ味のいいハンドリングを盛り込みながら、ニュルブルクリンクに挑んでいるのです。
新型メガーヌについてルノー・ジャポンは、「フランスから技術者が来日し、箱根の道を走り込んでセッティングしました。これは異例なことです。つまり、日本の道でこそ性能が発揮されるのだと思っています」と述べています。
ニュルブルクリンクのFF最速対決は、アプローチの違う2台の切磋琢磨された技術勝負ともいえ、今後の対決からも目が離せません。
<ホンダ シビックタイプR>
エンジン:2リッター直列4気筒ターボ
最高出力:235kW[320PS]
最高トルク:400Nm[40.8kgf-m]
トランスミッション:6速MT
全長/全福/全高:4560mm×1875mm×1435mm
車両重量:1390kg
サスペンション方式(前/後):マクファーソン式/マルチリンク式
タイヤサイズ(前後):245/30 R20
車両価格(消費税込み):450万0360円
<メガーヌ R.S.>
エンジン:1.8リッター直列4気筒ターボ
最高出力:205kW[279PS]
最高トルク:390Nm[39.8kgf-m]
トランスミッション:6速AT(6FDC)
全長/全福/全高:4410mm×1875mm×1435mm
車両重量:1480kg
サスペンション方式(前/後):マクファーソン式/トーションビーム式
タイヤサイズ(前後):245/35 R19
車両価格(消費税込み):440万円
【了】
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。