FF最速はどっち? ホンダ新型「シビックタイプR」とルノー新型「メガーヌR.S.」をニュルマイスターが乗り比べ
新型メガーヌ R.S.の凄さとは
メガーヌは、1.8リッターターボエンジンを搭載し、最高出力279PS、最大トルク390Nmを発揮します。数値的には、シビックよりやや劣るものの劇的な差ではないです。
エンジン特性では、低回転域ではターボラグがあり、レブリミットも6000rpm止まりです。高回転域まで伸びるホンダエンジンにはその点では見劣りまします。しかし、メガーヌは6速のデュアルクラッチATを搭載。シビックの6速MTよりも素早いシフトアップが可能です。シフトダウンの感覚は鈍いですが、シフトアップのロスが少ないのは武器といえ、加速での勝敗は互角です。
操縦性では、全くといっていいほどの違いがありました。シビックは、固く締め上げられたサスペンションがあり、常に弱アンダーステアの挙動に終始。ニュルブルクリンクでは、アベレージスピードが高い上に、コース幅が狭く、ちょっとした挙動の乱れがクラッシュに直結するのです。
そのため、多少姿勢を乱しても安定姿勢に舞い戻ろうとする弱アンダーステアの方がアタックしやすい傾向です。まさにニュルブルクリンクを意識した操縦性のように感じました。
一方のメガーヌでは、その切れ味の鋭さに驚かされました。ハンドルを切り込むと、ハッとするほどシャープにノーズが反応。アンダーステアなどまったく顔を出さないような鋭い感覚です。
その感覚には、理由があります。メガーヌは『4コントロール』という前輪だけでなく、後輪もステアリングを切ることができる4輪操舵システムが採用されています。ドライバーがハンドルを切り込むとリアタイヤは一旦外側に向き、鋭く旋回しようとします。切れ味が鋭いと感じたのは『4コントロール』によるものでした。
しかし、それだけだとスピンしそうになり危険です。そのため、コーナリングが始まるとリアタイヤがフロントタイヤと同じ向きになり安定します。これであれば、ニュルブルクリンクでも安心して走ることができます。