都営バス“最強”の秘境路線「上成木行き」終点はどんなところ? “最果てバス停”はトンネル抜けたら「すぐ埼玉」 超のどかな「梅76」系統に乗る 〜果てなき路線バスの旅〜

知らない道路をひたすらたどり、ふだん行くことのない街の素性を知り、そして見たことのない景色に出会える。それが「路線バスの旅」の魅力です。今回は「都営バス」の秘境路線、「梅76」系統に乗って、最果てのバス停まで行ってきました。

都バス「最強の秘境バス停」 上成木はどんなところ?

 定刻の8時28分に終点の上成木に到着。前扉から降ります。タッチを忘れそうになり、慌ててICカードを取り出して精算します。

 上成木バス停は、そのまま埼玉県方面に向かう都道53号線と、この道路に並行するかたちで成木川に沿い、そのまま行き止まりとなる都道202号線の分岐部にあります。

 ちょうどこの2つの道をショートカットするような連絡路があり、ここが折り返し場兼バス停です。バスはそのままこの連絡路を通って、青梅駅方面に折り返していきます。一般車は立ち入り禁止です。

 バスを降りると周囲は自然たっぷりで、平日朝だったためか、クルマも人もほとんど通りません。鳥のさえずりと、成木川のせせらぎだけが聞こえてきます。3月初頭で緑がなかったので、新緑の季節にもういちど訪れてみたいです。

 バス停には木製の小さな待合所と公衆電話もあります。なんともない、のどかなバス停ですが、イチョウマークのバス停と(当然ですが)都営バスの見慣れたカラーの車両が停車中です。

終点上成木で折り返し発車時間を待つ都営バス。23区のビル街でも見るカラーリングとのどかな風景がアンマッチ
終点上成木で折り返し発車時間を待つ都営バス。23区のビル街でも見るカラーリングとのどかな風景がアンマッチ

 普段の都営バスで鬱陶しく感じる都会の喧騒はすっかり聞こえなくなり、「都営バスでこんなところまで来れるのか」という感動をひとしきり味わったあと、折り返しまで少々時間があったため、担当の運転士さんに利用状況を聞いてみました。

「今の季節だとあまりここ(上成木)まで来る人は少なく、なんとも寂しい季節ですね。レジャーの季節だと、登山と川遊びで乗る人もいます。上り(青梅駅方面)はたまに乗ってくるひとがいますよ」

 運転士さんの話通り、バス停周辺には高水山などからなる「高水三山」や、黒山などがあります。

 紅葉でも有名なハイキングスポットで、本格的な登山ではないものの、ちょっとした冒険気分を味わうのにはぴったりでしょう。いずれも800m近い標高があり、バス停から1時間から2時間くらいで行けるスポットです。高水三山の登山口はバス停のすぐ近くにあります。

 バス停正面の成木川はオイカワやヤマメが釣れ、夏にはホタルも見られるそうです。

 さらに、都道53号線を歩けば、そのまま埼玉県飯能市の名栗地区に入ることも可能です。バス停から見えるトンネルの都県境までは、わずか700m弱。クルマなら5分足らずということで、せっかくなので歩くことにします。

小沢トンネル。この中に埼玉県との県境があります
小沢トンネル。この中に埼玉県との県境があります

 折り返しの出発を待つ運転士さんから「(折り返しに)乗らないんですか」と聞かれましたが、「埼玉方面まで歩きます」と告げました。

 カメラなどの準備をしていると、青梅から乗ってきた車両は行先表示器を「梅76 裏宿町」に変え、いよいよ折り返すようです。運転士さんは「お気をつけて!」と手を振ってくれました。とても気さくな運転士さんで、埼玉入りまで頑張ろうという気持ちになりました。

 しかし、埼玉まで近いとはいえ、それなりの登り坂で息が切れます。当日は暖かかったこともあり、汗が吹き出てきます。

 ようやく都県境のトンネル「小沢トンネル」に到着。トンネルの入口で振り返ると、上成木のバス停が見えます。ギリギリ埼玉手前だったことがわかります。

 トンネルは歩道が激狭で1人しか歩けず、ところどころ湧き水で湿っています。滑って転びそうになり、靴が汚れますが仕方ありません。バス旅の際は荒れた路面を歩くことも想定し、汚れてもいい靴と服装が必要かもしれません。

 すると中間地点ほどで、トンネルの上部に照明とは違う光が見えました。近づいてみると、「埼玉県」と表示する電照式の県境案内でした。ついに埼玉入りです。クルマではほんの一瞬かもしれませんが、じっくり県境をまたぎます。ちょっと進んで振り返ると、「東京都」の表示も確認できました。

 さて、ここから先は埼玉県飯能市の峠「小沢峠」になります。20分ほど山道を歩けば、国際興業バスの「小沢」バス停があります。ここを行先に定め、次に乗るバスを探すとします。

※ ※ ※

 ビル街で見慣れたカラーリングの都営バスが、気がついたらぐんぐんと山を登っていくという「違和感の塊」な梅76。終点はさえずりとせせらぎが聞こえる静かな山の中にある「秘境」でした。

 周辺には高速道路も国道もなく、経由するのは旧街道。目的地直行の旅では味わうことができない道や景色を堪能しました。

 バス旅で必要なのは、ちょっとの勇気と思い切りと運賃だけ。整理券を手に取り、シートに腰をかければ、知らない地名のアナウンスとともに、見たことない景色が車窓に映ります。

 旅に出るのに、あえての「路線バス」という選択。路線廃止にならないうちに、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【画像】「ええぇぇ…!」 これが「都バス最強の秘境路線」の全貌です! 画像で見る(30枚以上)

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Writer: くるまのニュース編集部

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