ダンロップ新スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE Pro(アイスプロ)」は何がスゴいのか? 「シンクロウェザー」との違いは? 雪国で試して分かった実力とは

もはや「全部入り」「全方位性能」は目指さない。次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」が登場した今だからこそ実現できた、ダンロップの氷上性能への執念。新作スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE Pro」を、冬の北海道でテストしました。

氷上で明確に感じる「素直な挙動」

 今回の雪上試乗会では、まずWINTER MAXXシリーズの従来品「03」と新製品「ICE Pro」をダンロップのテストコースで「氷上(加速・減速)」「氷上スラローム」「雪上(加速・減速・登坂・スラローム)」などを体験。

 最初に氷上で発進・減速をします。車両はゴルフ8、タイヤサイズは従来品、新製品ともに205/55R16です。

「03」の発進時ではタイヤが空転し、それを抑えようと車両側の制御(トラクションコントロール)がガツガツと介入しながら、なんとか動き出してきます。また減速時にはABS制御がガッガッと激しく効きながら停止します。

氷上性能は「03」から確実に進化している事が体感できた「ICE Pro」
氷上性能は「03」から確実に進化している事が体感できた「ICE Pro」

 対して「ICE Pro」では、走り出しでタイヤが滑り、車両側の制御が効くのは同じですが、こちらのほうが滑らかにより自然に制御が介入する印象です。「グッ、グッ」と路面を掴んでいる感覚が伝わってきます。

 減速時も同じようにABS制御は入るものの、発進同様に自然な制御介入により、制動距離も短く止まることができました。

 また「氷上スラローム」では、「03」がスラローム時のステアリング操舵に対して横方向に逃げる感覚があり少し慎重な運転になったのに対して、「ICE Pro」ではそこまで慎重にならずとも思うような操舵感を得られ、このあたりも明確な進化ポイントとして体感ができました。

 この氷上における「03」と「ICE Pro」の差は、前述の技術紹介でもあった「ふんばり吸水ゴム」採用による「氷上の小さな凹凸に密着し、その凹凸に残るように粘る」という特性が効いていることを実感できます。

 加えて、新開発のトレッドパターンを採用してエッジ効果を高めたほか、プロファイル形状も新しくなったことでセンターフラットにしたことで接地面積が増え、より路面との密着性が向上したことなどが、この安心感に寄与しているといえます。

氷上は分かった!では雪上は?公道は?

 次にテストコース内の「雪上(加速・減速・登坂・スラローム)」を試します。

 前述のとおり、今回は氷上特化型のため、雪上性能については「03」と「ICE Pro」で数値的に大きく進化したポイントはそこまでないといいます。

 とはいえ雪上をそれぞれ乗り比べてみると、スラロームやレーンチェンジのような瞬時の操舵感は「ICE Pro」のほうがよりリニアになり、ハンドル操作に対してクルマが「ちゃんとついてくる」という好印象を受けました。

 そしてリアルワールドとなる公道では新製品のみで、車両はSUV車両が中心となって用意されており、くるまのニュース取材班は「レクサスNX」と「ボルボXC60」で試乗をおこないました。

公道でのWINTER MAXX ICE Pro試乗はレクサスNXとボルボXC60にて実施。タイヤサイズはいずれも235/60R18
公道でのWINTER MAXX ICE Pro試乗はレクサスNXとボルボXC60にて実施。タイヤサイズはいずれも235/60R18

 走った道は山間の真っ直ぐに伸びた登坂・下坂や、くねくね路、住宅街の交差点など様々です。

 実際に公道で走る分には当たり前ながら冬タイヤなので、走る・曲がる・止まるは普通に問題はありません。静粛性に関しても、不快なノイズは抑えられていました。

 唯一気になる点といえば、速度域が上がってきた際に、凍って固まった轍(わだち)を通るとハンドルが取られやすい印象を受けたこと。

 ただこの部分は、車両側の特性により度合いは変わるので、慣れの問題とも言えるかもしれません。

※ ※ ※

 今回、ダンロップは冬タイヤとして「03」から「ICE Pro」へと進化させ、投入します。

 ここでユーザーとして「よくある質問」となるのが、冒頭の「シンクロウェザー」との関係性です。

 オールシーズンタイヤの「シンクロウェザー」ですが、実際に雪上であればひと昔の冬タイヤ並の性能を持っており、ユーザーとしては「シンクロウェザーで十分」という人もいるかもしれません。

WINTER MAXX ICE Proは2026年8月より順次販売

 それに対してダンロップの執行役員である松井氏は次のように話しています。

「あらゆる路面に対応できるシンクロウェザーを出したことによって、ラインナップとして大きな強みを持ちました。シンクロウェザーがあるからこそ、今回のWINTER MAXXの新シリーズであるICE Proは、氷上性能に大胆に特化した開発が可能になったのです」

 つまり、万能型の「シンクロウェザー」が存在するからこそ、新しいスタッドレスタイヤは「氷」という最も危険なシーンに一点集中できたというわけです。

 そのため「シンクロウェザー」と「ICE Pro」はどちらが良い悪いではなく、自分の生活環境や使用用途に応じて選択することが大切なのです。

 非降雪地域がメインなら「シンクロウェザー」、北海道や東北、山間部などの豪雪・凍結路面が多い地域なら、迷わず「ICE Pro」。

 この住み分けが、これからのタイヤ選びのスタンダードになりそうです。

【画像】全99サイズを用意!これがダンロップ「新冬タイヤ」です。画像で見る!(21枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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