日本の大動脈「新東名高速」 神奈川〜静岡の“最後の未開通部”どうなっている? 開通予定からもう“5年オーバー” でも工事は「超・難航中」 全線開通は「まだまだ先」 最新の進捗は?

年中渋滞に悩まされる東名高速のバイパスとなる「新東名高速」の建設が進んでいます。工事はどこまで進んでいるのでしょうか。

「新東名」いつ全線開通? 現場はどうなっている?

 日本の大動脈となる「東名高速(東名)」は年中渋滞に悩まされています。そこで、バイパスとなる「新東名高速(新東名)」の建設が進んでいます。
 
 工事は今どこまで進んでいるのでしょうか。

 東名は、関東から静岡を通り抜け、東海地方に向かう「第一選択ルート」を担う、まごうことなき日本の大動脈です。

 しかし、昔ながらの狭い4車線設計でカーブも多いうえ、渋滞しやすいポイントも多く、開通時の高度成長期から今日に至るまでの交通量の爆増に対応できていません。

 そこで、副本線としての第二のルートの役割を果たすのが新東名です。圏央道と接続する神奈川県の海老名南JCTから愛知県の豊田東JCTまで、総延長約250kmで結びます。

新東名高速の最新の工事状況(画像:NEXCO中日本/2025年11月)
新東名高速の最新の工事状況(画像:NEXCO中日本/2025年11月)

 東名よりも山側(北側)を並行して進むことで、カーブが少なく走りやすい線形となっており、さらに一部区間では最高速度を120km/hとなり、速く快適に走れます。

 また、豊田東JCTではそのまま伊勢湾岸道に直通。名神・東名阪・伊勢道などのアクセスが抜群によくなることで、三重・滋賀・京都・大阪方面に行きやすく、同エリアの最短ルートとして機能しています。

 2012年には静岡のほぼ全域となる御殿場JCT〜浜松いなさJCTが一気に開通。2016年には豊田東JCTまで延伸し、伊勢湾岸道と直通を果たしています。2018年から2022年にかけては、神奈川県内の海老名JCT~新秦野ICまでの区間が順次開通しています。

 いっぽうで、まだ全線開通はしていません。唯一残る未開通部が、新秦野IC〜新御殿場IC間の約27kmです。

 ちょうど神奈川県と静岡県をまたぐ山岳区間で、現道となる東名側では、休日になるとラジオの交通情報でその名称を聞かない日はない「秦野中井IC」「吾妻山トンネル」「都夫良野トンネル」「太郎ケ尾トンネル」がちょうど並行する区間です。

 東名ではアップダウンやカーブが連続し、自然渋滞が発生しやすい地形になっていることに加えて事故も非常に多く、大渋滞は当たり前で、ここを通過するだけで1時間以上のロスになり、ドライバーを悩ませています。

 休日ともなれば、レジャーに向かうクルマで30km以上の大渋滞となることも珍しくありません。

 ここが未開通であることで、せっかく御殿場JCT以遠は新東名・東名の2ルート選択でうまくクルマが分散するのにも関わらず、ここが未開通であることで、全車が東名のみのルートを強いられるため、新東名が本来持つポテンシャルをまったく発揮できていません。

 もし新東名が全通すれば、海老名南JCTから交通流が分散し、秦野中井や都夫良野の魔の渋滞ポイントは解消することになります。

 では、工事はどのように進んでおり、開通の目処は立っているのでしょうか。

 当初は2020年度の開通を予定していた同区間ですが、難工事が続き、いまだ「未定」です。

 特に、神奈川県山北町と静岡県小山町を結ぶ「高松トンネル」の工事が難航している状況です。

 ここは活断層が付近に通っており、地盤がもろいという性質があります。それにより、度重なるトンネルの変形や大量の湧水、崩落に見舞われ、思うように進んでいません。

 特に湧き水は深刻で、2024年9月の掘削時には「1分あたり2.5トン」という過去最大規模の湧き水発生に悩まされました。湧いた水を排水する設備の強化が必要になっています。

 その後も掘ってはトラブルが発生、現状を直し、工事計画の変更・対策を繰り返している状況で、その対処に追われています。

 2025年11月には工事状況を共有する「連絡調整会議」第7回が開催されており、高松トンネルの進捗がアナウンスされています。

 現状、トンネルの掘進はわずか700mを残すところまで進んだものの、追加でボーリング検査を実施したところ、今後も脆弱な地盤や湧き水が想定されるとの見解を示しており、この先の工事も難航が予想されると示しています。

 工事が進むとともに、崩落や湧き水などのトラブル対策を踏まえると、高松トンネルは2025年秋の時点で掘削が順調に進んだとしても、「貫通」までに少なくともあと1年以上かかる見通しとなりました。

 貫通しても、さらにトンネルの覆工、舗装工事や設備工事が必要であることから、「予定していた2027年度から少なくとも1年以上遅延する見込み」としています。

 2026年6月末現在の最新状況では、高松トンネルは上り線では2847mのうち2440m(85.7%)、下り線では2864mのうち2570m(89.7%)の掘削が完了しています。

 いっぽうで、その他の区間は比較的順調です。ちょうど中間地点にある「山北天空大橋」も谷底の川をまたぐという大規模な橋でしたが、2026年に入って橋桁がつながりました。そのほかの高架橋などもほぼ完成形が見えています。

 ただし、現状では開通まで相当な時間がかかりそうな状況です。

 ひとまずは高松トンネルの工事を待つのが関の山といったところで、同トンネルの完成見通しが立った段階で、改めて開通時期が公表されます。今後も工事のスムーズな進行を願うしかありません。

【画像】「えっ…」 これが「新東名高速」未開通区間の工事状況です! 画像で見る(30枚以上)

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Writer: くるまのニュース編集部

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