高速道路の“謎スペース”に停めてOK? 「トイレ限界…」「今すぐ電話!」でもNG? 知らないと危険な本来の役割と正しい対処法とは?

高速道路の路肩に一定間隔で設けられている広いスペース。トイレや電話のために「少しだけ」と停めてもよいのでしょうか。実はその場所には明確な役割があり、原則として私的な利用はできません。非常駐車帯の本来の目的や罰則、やむを得ず停車する場合の正しい対応について解説します。

非常駐車帯は何のためにあるのか

 高速道路を走っていると、路肩に少し広くなった場所が一定間隔で設けられているのに気づくことがあります。

 渋滞中や長時間の運転で疲れを感じたとき、「ここで少しだけ停めても大丈夫だろうか」と考えたことがある人もいるかもしれません。

 しかし、そのスペースには明確な役割があり、原則として自由に利用できる場所ではありません。

 このスペースは「非常駐車帯」と呼ばれるもので、文字通り緊急時のために設置されています。

 故障した車両や事故車両、あるいは緊急車両や道路管理車両がやむを得ず停車する際に使用するための専用区画です。

 サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)のように、休憩やトイレ利用を目的とした施設とは性質がまったく異なります。

「謎のスペース」で休憩しても大丈夫?
「謎のスペース」で休憩しても大丈夫?

 高速道路では、道路交通法第75条の8第1項によって、本線や路肩を含むほぼ全域で駐停車が禁止されています。

 これは高速走行を前提とした道路構造上、停止車両が重大事故を引き起こす危険が高いためです。

 したがって、非常駐車帯であっても私的な理由での停車は認められていません。トイレに行きたい、電話に出たい、眠気を感じたといった事情があっても、原則として利用することはできません。

 このような場合は、最寄りのSAやPAまで走行するか、インターチェンジ(IC)で高速道路を降りて適切な場所で休憩する必要があります。

 2026年2月現在、冬の行楽シーズンや三連休には各地で交通量が増加する傾向にあり、安易な停車は後続車との事故リスクをさらに高めます。特に夜間や降雪時は視界が悪化し、停止車両の存在に気づくのが遅れることもあります。

 非常駐車帯は、道路構造に応じて一定の間隔で設置されています。土工部や橋梁部では約500mごと、トンネル内では約750mごとに配置されています。

 これは、万一の際にできるだけ短い距離で安全に停止できるよう計算されたものです。高速道路は高い速度域での走行を前提に設計されているため、こうした設備が安全確保の重要な要素となっています。

 その歴史を振り返ると、日本の高速道路整備の進展とともに非常駐車帯も整備されてきました。

 1963年に開通した名神高速道路や、1968年に全線開通した東名高速道路の建設時、自動車保有台数の増加に伴い、故障や事故による停車需要が高まることが想定されました。

 当初は路肩を広くするだけでは対応しきれないと判断され、専用の停車スペースとして非常駐車帯が導入されました。

 1970年代以降、トンネル内での火災事故や渋滞時の安全確保が社会的課題となり、設置基準はさらに厳格化されました。

 特にトンネル内では、煙や熱から一時的に退避する空間としての役割も担うよう設計が見直され、現在の高速道路において不可欠な安全設備となっています。

 もし正当な理由なく非常駐車帯に停車した場合、法令違反となる可能性があります。違反点数2点が付され、普通車の場合1万2000円の反則金が科されることがあります。

 さらに深刻なのは事故の危険です。停止中の車両に後続車が追突する事例も報告されており、特に夜間はテールランプの光が走行中の車両と誤認されるケースもあるといわれています。

 やむを得ず非常駐車帯を利用する場合には、適切な対応が求められます。まず車両を本線から完全に離し、区画内にしっかりと収めます。そのうえでハザードランプを点灯し、車両後方に発炎筒や停止表示板を設置して後続車に存在を知らせます。

 乗員は速やかに車外へ出て、ガードレールの外側など安全な場所に避難します。その後、道路脇の非常電話や携帯電話を使い、道路緊急ダイヤル「9910」または110番へ連絡し、状況を伝えます。

 高速道路は、SAやPA、料金所、あるいは警察官の指示がある場合などを除き、基本的に駐停車が認められていない特殊な道路です。

 非常駐車帯はあくまで緊急事態への備えとして存在しています。日常的な休憩場所ではないことを理解し、出発前に十分な休息を取り、余裕を持った計画を立てることが重要です。安全なドライブを続けるためにも、その本来の役割を正しく認識しておきたいものです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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