夏は特にETCカードの抜き忘れに注意! 猛暑でトラブルが多発する理由とは
防犯上の理由からも抜いておくべし
車載器に挿入したままのETCカードは熱による劣化や故障という心配もありますが、それ以外にも車上荒らしなどでETCカードを抜き去られるというケースも考えられます。すぐに気がつけば発行元のカード会社に連絡をしてETCカードの利用を止めてもらうことはできますが、気づかずに長期間不正使用された場合は結構な金額になってしまう可能性もあり得ます。
「カードが盗まれたら、カード会社が補償してくれるのでは?」と思う方も多いでしょうが、実はETC車載器に入れっぱなしのETCカードが盗まれて不正使用されても、カード会社の補償はない、と思っておいた方が良いです。その理由は、ETC車載器からETCカードを抜いておかないことは「重大な過失」とみなされる可能性があるからです。入れっぱなしのETCカードの盗難は、本人の管理に問題があったという理由で補償されない場合が多いようです。(カード会社によって補償内容は異なります)
実際、ETCカードが盗まれても不正使用されるケースはあまりない(ETCカードを使用してゲートを通過すれば、車のナンバーや車種、車載器の番号などがすぐさま判明し、身元が分かりやすいため)ともいわれます。クレジットカードとは違って、盗む側にもそれほどメリットがないからです。
しかし、気をつけなければならないのは、クレジットカード+ETCカードの「一体型」を使用している場合です。クレジットカード本体を使用されてしまう危険性があるからです。
高速道路や自動車専用道路などではキャッシュレスで非常に便利なETC。しかし高温にも弱く、防犯上のことも考えると、ちょっと面倒であっても毎回、ETC車載器からはETCカードを抜いて使用する方が賢明ですね。
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。