40年ぶり復活! 4リッターエンジン搭載で“1000馬力超え”の「新型“スーパーカー”」がスゴい! 新フラッグシップのフェラーリ「849テスタロッサ」の実力をスペインで確かめた
フェラーリは2025年9月、フラッグシップモデルの新型「849テスタロッサ」と「849テスタロッサ スパイダー」を世界初公開しました。今回は、スペイン・セヴィリア地方で新型849テスタロッサを大谷達也氏が試乗しました。その実力はいかなるものなのでしょうか。
1050馬力でも“身構える必要なし” 公道で感じた驚きの洗練度
フェラーリの新型「849 Testarossa(テスタロッサ)」は、1984年に登場した初代「テスタロッサ」以来、およそ40年ぶりにその名が復活した新たなフラッグシップモデルです。
そんなフェラーリの伝統と革新を象徴する新モデルを、スペイン・セヴィリア地方で試乗しました。
「SF90ストラダーレ(以下、SF90と表記)」の後継モデルに位置付けられる849テスタロッサは、4リッターV型8気筒ツインターボエンジンと3モーター方式のプラグインハイブリッド・システムを同車から受け継いでいますが、エンジンの最高出力・最大トルクはSF90の780馬力・800Nmから830馬力・842Nmへと、なんと50馬力・42Nmもパワーアップしています。
いっぽうでハイブリッドの最高出力は220馬力のまま変わらないため、システム出力は1050馬力にも達します。

「こんなハイパワーモデルを公道でまともに走らせられるのだろうか?」
まずはそんなことが気がかりでしたが、「案ずるより産むが易し」の言葉どおり、特別なテクニックを駆使しなくてもすんなりとドライブできました。
実は、先代のSF90は走行中にエンジンがオン/オフするたびに軽いショックが伝わってきたり、アクセルペダルを強く踏み込むと、あるところから急にパワーが立ち上がるような傾向が認められたのですが、849テスタロッサにはそういったクセが一切見受けられず、それこそファミリーカーを扱うのと同じ気軽さで運転できたのです。つまり、クルマとして大幅に洗練されたといえるでしょう。
しかも、1050馬力の大パワーを誇るスーパースポーツカーでありながら、路面からゴツゴツとしたショックが伝わることもなく、エンジン音も低めに抑えられていたので、本当に安心してステアリングを握っていられました。
「それでもワインディングロードを走るのは、さすがに怖かったのでは?」という声がどこかから聞こえてきそうですが、前265/35R20、後325/30R20というワイドなサイズのピレリ「Pゼロ R」という高性能タイヤを履いていたこともあり、コーナーで多少頑張ったくらいでは、まったく姿勢を乱しません。
つまり、公道では一般道、高速道路、ワインディングロードのどこを走っても扱いやすくて快適で、非の付けどころのないスーパースポーツカーだったのです。
では、そんな849テスタロッサをサーキットで走らせると、どんな感触が得られるのでしょうか。
フェラーリが用意してくれたのは、これまでも何度か試乗会で訪れたことのあるスペインのモンテブロンコ・サーキット。決して規模が大きいわけではありませんが、低速コーナーから高速コーナーまでがバランスよく揃った、スーパースポーツカーのテストにはうってつけのコースです。
正直、ここでは高速コーナーでリアタイアが滑り出すような怖い思いを何度かしたことがあるのですが、849テスタロッサでは、そういうことはまず起こりませんでした。
確かに速いことは速く、ストレートエンドでは290km/hにも達しましたが、クルマがとにかく安定しているうえに、タイヤが滑り始める直前のインフォメーションを的確に教えてくれるので、限界に近いペースで走っていてもまったく怖くなかったのです。サーキット試乗会で、これほど心拍数が上がらなかったのは初めてといっていいくらいでした。
ただし、私を先導するフェラーリのインストラクターが、とにかく滅茶苦茶速い。彼らは普段サーキットや公道でフェラーリの開発に関わっているドライバーなので腕利きなのは当たり前ですが、そんな人たちがまったく遠慮することなく飛ばすのですから、こちらはついていくだけでも精一杯です。
それでもコースを思い出してきた頃には、ブレーキングで後輪が軽く滑り出すほどのペースで走れるようになりました。

実はサーキットでの全開走行中は、スタビリティコントロールが生きているレース・モードで走行していましたが、最後のクールダウンラップ中に、低速コーナーでトラクションコントロールが切れるCTオフ・モードにも挑戦しました。
ステアリングを切ったままアクセルペダルを大きく踏み込むと、簡単にテールが流れ始め、カウンターステアをあてなければいけない状態になります。このあたりは、さすが1050馬力の威力といえますが、そんな極限状態でも後輪のスライドの仕方は穏やかで、修正は決して難しくありませんでした。
つまり、公道では徹頭徹尾乗りやすくて快適。サーキット走行も基本的には安全でありながら、腕利きドライバーには振り回す楽しさも残されている。それが849テスタロッサのキャラクターといえるでしょう。
そして、その優れたコントロール性に、3モーター方式のハイブリッドシステムが大きく貢献していることは間違いありません。このあたりが、後輪駆動でテールスライドが始まるとかなり手こずる「296GTB/296GTS」と、849テスタロッサの最大の違いといえそうです。
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なお、日本での車両価格(消費税込)は、849テスタロッサが6465万円〜、849テスタロッサ スパイダーが7027万円〜。
さらに専用チューニングを施した「アセット フィオラノ」パッケージは、オプションとして602万7000円と予定されています。


































































































