寒波襲来! でも頼りになる「雪でも走れる夏タイヤ」の実力は? ミシュランの新オールシーズンタイヤ「クロスクライメート3/3スポーツ」を試してみた

ミシュランから「雪でも走れる夏タイヤ」のフレーズでお馴染みのオールシーズンタイヤの最新作「クロスクライメート3」「クロスクライメート3スポーツ」が登場しました。従来製品からの進化度合、さらにはオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの比較など、様々な車両で厳しい寒さのなか試乗してみました。

驚きと疑問。何でこんなに雪道を走れちゃうの?

 雪道で大事な性能は「確実に発進できるか?」、「確実に舵が効くのか?」、そして「確実に止まれるのか?」の3点です。まずはフォルクスワーゲン「ゴルフVIII」+CC3Sの組み合わせで、雪上で制動/スラローム/Wレーンチェンジを従来品(CC2)と比較です。

 発進/制動共にCC2でも不満はありませんが、CC3Sは絶対的なグリップはもちろんタイヤにより安心・信頼を感じる+αがプラスされています。絶対的なアクセル/ブレーキ操作時の反応の良さ、つまりグリップの立ち上がりの素早さです。

VWゴルフVIIIではクロスクライメート2とクロスクライメート3スポーツを同条件で比較。タイヤサイズは225/40R18
VWゴルフVIIIではクロスクライメート2とクロスクライメート3スポーツを同条件で比較。タイヤサイズは225/40R18

 時間にすると僅かですが、路面μの低い雪道では「発進できる/止まれる」を実感できる信頼の証となります。ちなみに制動距離はCC2に対してほぼ同等レベルでしたが、オンロード性能の伸び代を考えるとむしろ「凄いぞ!!」と。

 パイロンスラロームは発進・制動よりもCC2との差が見えた部分で、旋回スピードの高さ(=横方向のグリップが高い)はもちろん、左~右~左と切り返す時のヨーの収束の速さ(=挙動が乱れにくい)、そして限界の解りやすさ(=滑り出しが穏やか)などから、最初のパイロンから最後のパイロンまで一定速かつ狙ったラインで走れました(CC2はパイロン途中で挙動が乱れ始め修正舵もしくは速度を落とす必要があった)。

 つまり、グリップとコントロール性が高いので、挙動を乱さない→ミスをしない→安心感がより増す→安全運転に繋がると言うわけです。

ミシュランのブレない思想

 続いてトヨタ「カローラツーリング」+CC3の組み合わせで同じコースを走ります。ミシュランは「CC3/CC3Sの雪道性能は夏の性能とは異なりほぼ同等」と語っていますが、重箱の隅を突くとクロスクライメート3のほうが雪のグリップは若干高めに感じました。

 加えて感覚的な部分にも差があり、何も気にせず走らせてもグリップを感じやすいCC3に対して、反応の良さやキビキビとしたクルマの動きはあるも同じグリップを出すには前後の荷重をわずかに意識した走りが必要となるCC3Sと言った違いを感じました。

 この辺りは夏の性能でスポーツを求めるが故のタイヤ各部の剛性や構造の違いによる違いが出たと分析しています。

クロスクライメート3はトヨタカローラツーリングに装着してテスト。タイヤサイズは205/55R16
クロスクライメート3はトヨタカローラツーリングに装着してテスト。タイヤサイズは205/55R16

 さらにこの組み合わせで氷上での制動テストも行ないました。ちなみにCC3/CC3S共に氷上性能は「×」なので興味半分、不安半分で試してみると、想像していたよりも止まるし、ステアリングもノーコントロールではなく向きを変えようとします。

 個人的には「×」ではなく「△」でもいいと思いましたが、ミシュランは「積雪地域はスタッドレスタイヤを履いてください。我々はオールシーズンタイヤがスタッドレスタイヤの代わりになると思っていません」と首を縦には振りません。

 では、なぜこのテストをあえて実施したのでしょうか? 筆者はこう分析します。

 リアルワールドは時々刻々と路面状況は変わるためトータルパフォーマンスを謳うミシュランとしては氷上の性能は持たせている。しかし、ミシュランとして求める性能には届いていないのでOKとは言わない……と言う事なのでしょう。

 つまりスタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤの“役割”を明確にする事、そしてミシュランの思想はどのタイヤもブレていない事を伝える事が、このテストの真の狙いだったと思っています。

【画像】ミシュランが目指す理想のタイヤの入り口…かもしれない?「雪でも走れる夏タイヤ」の実力は?(17枚)

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