647ccエンジン搭載で“170馬力”!? 斬新「“RR”コンパクトカー」がスゴい! 全長4mの“軽量ボディ”に「画期的パワトレ」採用! 観音開きドアもイイ BMW「i3」どんなクルマ?
コンパクトボディに観音開きドア&カーボンフレーム、そして小排気エンジンを積んだ異色なPHEVおよびBEV(電気自動車)モデルのBMW「i3」。どんなモデルなのでしょうか。
中身はまるでスーパーカー!?
BMWのサブブランド「BMW i」から2013年に登場した「i3」は、一見すると少し背の高いコンパクトハッチバックに見えます。
しかし、その中身は同門のスーパーカー「i8」に勝るとも劣らない、驚異的なコストと技術が投入されていました。
最大の特徴は、キャビン(乗員スペース)全体が「CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)」で作られている点です。
通常、カーボンモノコックといえば数千万円クラスのスーパーカーにしか採用されない高価な構造ですが、BMWはこれを量産コンパクトカーに採用。「ライフドライブ構造」と呼ばれる、アルミ製シャシの上にカーボン製キャビンを載せる手法で、バッテリー搭載による重量増を相殺する徹底的な軽量化を実現しました。

その恩恵はドア構造にも現れています。i3にはBピラー(前席と後席の間の柱)が存在しません。前後のドアが中央から左右に開く「観音開き(コーチドア)」を採用しており、両方のドアを開け放つと広大な開口部が現れます。
ボディサイズは全長4010mm×全幅1775mm×全高1550mm、ホイールベースは2570mm。
日本の機械式立体駐車場にも入る(全高1550mm以下)絶妙なサイズ感の中に、未来的な空間が広がっているのです。
ラインナップには純粋な電気自動車(BEV)モデルも用意されていましたが、i3のメカニズムとして特に面白いのは、「レンジエクステンダー(発電用エンジン)」搭載のPHEVモデルの存在です。
リアのラゲッジルーム床下に隠されるように搭載されていたのは、なんとBMWの大型スクーター「C650GT」などに使われている647ccの直列2気筒エンジン。
最高出力38ps・最大トルク56Nmというスペックを持つこのエンジンですが、タイヤとは繋がっておらず、駆動力としては一切機能しません。
役割はあくまで「発電」のみ。バッテリー残量が減った際に後方でエンジンが始動し、電気を作り出して航続距離を延ばすための“黒子”に徹しています。
駆動を担当するのは、リアアクスルに搭載された最高出力170馬力(125kW)・最大トルク250Nmを誇る電気モーターです。
このモーターが後輪を駆動する「RR(リアエンジン・リアドライブ)」レイアウトを採用しているため、ステアリングフィールはBMWらしく軽快そのもの。0-100km/h加速は7.2秒と、ホットハッチ顔負けの俊足ぶりを発揮します。
ガソリンタンク容量は初期型でわずか9リットル。「あくまでEV走行が主役、エンジンは緊急用の予備電源」という割り切った設計思想は、現代のPHEVとも一線を画すユニークなものです。
インテリアも独創的で、ダッシュボードには天然のケナフ麻やユーカリ材、リサイクル素材がふんだんに使用され、まるでモダンなリビングルームのような温かみのある空間を演出。ステアリングコラムから生えた独特な形状のシフトセレクターなど、2026年の現在から見ても古さを感じさせない「未来感」がそこにあります。
日本でのデビュー当時(2014年)、i3の新車価格(消費税込)は499万円、レンジエクステンダー装着車が546万円からと、コンパクトカーとしては非常に高価なプライスが掲げられていました。
現在の中古車市場では、年式や走行距離にもよりますが、総額100万円台から狙える個体も存在します。なお、高年式の最終モデルや低走行車などは350万円超えと高額で取引されています。
そんなi3ですが、まもなく全く別のクルマとしてその名が復活することになりそうです。
新型i3は、BMWの次世代EVプラットフォーム「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」を採用する第2弾モデルとして登場予定。
かつてのようなカーボンボディのコンパクトカーではなく、現行「3シリーズ」の役割を担うBEVとして、サイズ感や使い勝手も3シリーズに近い、より王道なミドルサイズスポーツセダンへと生まれ変わります。
カーボンボディに発電用エンジンを積んだ初代i3は、二度と現れないであろうユニークな存在として、今後さらに再評価が進むかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
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