「4WD“スポーツ”ワゴン」がスゴイ! 2リッターエンジンで「420馬力超え」&全長4.7m級の「ちょうどいいサイズ」採用! まもなく最後のメルセデスAMG「CLA45 S」どんなクルマ?
メルセデス・ベンツの高性能モデルを担うメルセデスAMG。そのなかでも最強クラスに位置付けられる「CLA45 S 4MATIC+」は、次期型の登場を控え現行世代の最終モデルとなりました。今回は、「CLA45 S 4MATIC+ シューティングブレーク」の走りを、モータージャーナリストの萩原秀輝氏がチェックします。
現行世代“最後”のCLA45 Sは何がスゴいのか
2025年の東京ビッグサイトで開催された「ジャパンモビリティショー」で、次期型のメルセデス・ベンツ新型「CLA」が公開されました。
つまり、現行型のCLAは最終型。実際に、最強のメルセデスAMG「CLA45 S 4MATIC+」は2025年12月に特別仕様車「ファイナルエディション」を投入しています。

ただし、最後の限定車という位置付けで、2026年の上期あたりまでは、カタログモデルとしてのCLA45 Sの販売は継続されるでしょう。
今回の試乗車は、そのカタログモデル。4ドアクーペのメルセデスAMG CLA45 S 4MATIC+のワゴン版となる「シューティングブレーク」です。
ボディサイズは、どちらも同じで全長4695mm×全幅1835mm×全高1405mm。車高が低めなので後席の頭上スペースを稼ぐために座面が下げられており、大柄な男性は大腿部下側の前方が浮きぎみになります。
ただ、膝前のスペースには余裕があります。荷物スペースの容量は、4ドアクーペが460リットルでシューティングブレークが505リットルと十分です。
CLA45 SというよりメルセデスAMG、いやコンパクトカーのパワーユニットとして名機と言えるのが、M139型2リッター直列4気筒ターボエンジンです。最高出力は421馬力で最大トルクは500Nmを発揮。
リッターあたりの出力は210馬力に到達します。メルセデスAMG最強ユニットであるGT63 S用4リッターV型8気筒ツインターボは639馬力で、リッターあたり160馬力ですから、M139型の断トツぶりは明らかです。
驚異の高性能化が可能になる理由は、大型のターボチャージャーを組み合わせることで、高い過給圧により大量の酸素をシリンダー内に押し込んでいるからです。

ただし、大型のターボチャージャーが威力を発揮するためには大きな排気エネルギーが必要になります。それだけに、最大トルクを得るエンジン回転数は5000〜5250rpm。近年は1000rpm台半ばで最大トルクに達するターボユニットが多いだけに、異例の高回転型と言えます。
昭和世代なら“どっかんターボ”という特性を覚えている人も多いでしょう。中回転域から過給圧が急上昇し、いきなり力強さが立ち上がって猛然と加速するターボユニットです。
理屈はM139型も同じですが、その扱いにくさを8速デュアルクラッチ式DCTのシフト制御が補っています。
全体としてギア比は低めで、日常的な場面ではエンジン回転数は1000rpm台後半に保たれます。そこからアクセルを踏んでも、期待通りの力強さがすぐに立ち上がるわけではありません。
しかし、少し踏み足すだけで速やかに1段低いギアにシフトダウン。さらに踏み込めば2段低いギアに入り、2000rpm台後半からはアクセル操作に即応してトルクが上昇します。
そして最大トルクが発揮される5000rpmにかけては、2リッターエンジンとは思えない鋭さで加速。アクセルを踏み続ければ、大迫力のエンジン音を響かせながら7000rpmまで一気に達します。
日常的な場面では、低いギアを使いたがるシフト制御の忙しなさが気になることもあります。そう感じるなら、2500rpmで400Nmの最大トルクを発揮し、低回転域から力強さが得られるCLA35を選ぶのもひとつです。それでも、最近では稀なCLA45 Sの過激なエンジン特性に興味を覚える人も少なくないでしょう。
エンジンの実力を受け止めるシャシーも万全で、サスペンションの設定はかなり引き締められています。コーナーを駆け抜ける場面では正確な操縦性と高い安定性が確保され、走行モードをC(コントロールエフィシェンシー)にすれば、ダンパーの減衰力が抑えられて乗り心地も犠牲になっていません。
次期型CLAはBEV(電気自動車)仕様が発表済みで、1.5リッター直列4気筒にマイルドハイブリッドを組み合わせた仕様も追加されるはずです。そこにM139型のような超高性能ユニットは含まれておらず、コンパクトカーで過激な走りを楽しめる最後のチャンスになるかもしれません。
Writer: 萩原秀輝
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。在学中からフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、同時期にツーリングカー・レースにも参戦。豊富なクルマの知識とドライビング理論を活かし、自動車メーカーなどが主催する安全運転教育の講師を数多く務めた経験を持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

































