全長3m級の「“小さい”ケンメリ」に注目! “公道走行OK”&“本物のパーツ”再利用で驚くべき完成度を実現! 学生が手掛けたTAS2024公開カスタムカー「幻のちびメリ」とは?
2024年のオートサロンで話題をさらった、スズキ「マイティボーイ」ベースのカスタムカー「ちびメリ」。伝説のレーシングカーを凝縮した愛らしい姿には、いったいどのような秘密が隠されているのでしょうか。
「幻のレーシングカー」を現代に凝縮再生
2026年2月13日から15日にかけて、インテックス大阪(大阪市住之江区)で西日本最大級のカスタムカーの祭典「大阪オートメッセ2026」が開催されます。
会場には最新のカスタムカーが所狭しと並びますが、これまでの各地の祭典を振り返ると、メーカーやショップ、そして学生たちの情熱が詰まった興味深いモデルが数多く存在しました。
今回はその中から、2024年1月に開催された「東京オートサロン2024」で大きな話題を呼んだ一台のカスタムカー「幻のちびメリ」を振り返ります。
製作を手掛けたのは、千葉県成田市にある自動車整備士養成学校「日本自動車大学校(NATS)」です。同校は2024年時点で26年連続オートサロン出展という実績(その後2025年、2026年も出展)を持ち、学生たちがチームを組んでカスタムカーを製作しています。
彼らの最大の特徴は、単なる展示車両ではなく、車検を取得して公道を走行可能な”本物の自動車”として完成させることを教育方針としている点です。
「ちびメリ」のコンセプトは、その名の通り”幻のちびメリ”で、かつて排出ガス規制の影響などで短命に終わった日産「スカイラインGT-R(KPGC110型)」、通称ケンメリGT-Rの“幻のレーシング仕様車”をモチーフにしたモデルです。
本来であればサーキットを走るはずだった悲運の名車を、現代で日常使いできるクルマとして”小さく再現する”ことをテーマに開発されました。

ベース車両に選ばれたのは、1983年式のスズキ「マイティボーイ」です。軽自動車規格ながらピックアップトラックという特異なボディ形状を持ち、クーペ風のスタイリングと実用性を兼ね備えた個性的な一台です。
このユニークなキャラクターとプロポーションが、ケンメリの縮小再現に最適であるとして選定されました。エクステリアの作り込みは、学生作品の域を超えた驚くべき執念が感じられます。
最大の特徴は、フロントバンパーやグリル、テールランプなどに、なんと「本物のケンメリ(C110型スカイライン)」の部品を使用している点です。
当然ながら、普通車サイズのパーツを軽自動車のマイティボーイにそのまま装着することは不可能です。そこで学生たちは、貴重な本物バンパーを中央で切断。
また、車幅に合わせて幅を詰め、再び溶接して繋ぎ合わせるという高度な金属加工を行い、違和感のないダウンサイジングを実現しました。
また、ケンメリGT-Rの象徴であるボディサイドの「サーフライン」も、鉄板溶接やFRP(繊維強化プラスチック)加工を駆使して再現しています。
さらに、レーシングカーを思わせるカラーリングも施され、全長3195mm×全幅1395mm×全高1395mmのコンパクトなボディに、往年の迫力を凝縮しています。
インテリアやパワートレインは、基本的にベース車に準じています。エンジンは「F5A型」を維持し、排気量は543ccで最高出力は38PSを発揮します。
しかし、「トラスト」製のダンパーを加工した足回りや、「エクセディ」製の強化クラッチなどが組み込まれ、見た目だけでなく走りを楽しむためのカスタムも徹底されています。
会場での反響は大きく、SNSなどでは「可愛いのに迫力もあって最高」「再現度が凄すぎる」といった称賛の声が多く見られました。そして特筆すべきは、この車両が実際に公道走行を実現させたことです。
公道走行を目標に作り込まれた本車両は、ショー出展後の2024年3月に車検を取得し、ナンバープレートを取得したことが紹介されています。
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「大阪オートメッセ」は、2026年2月13日から15日までの3日間、インテックス大阪で開催されます。今回も心躍るカスタムカーが出展されることに期待しましょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。



































