「ペダル踏み間違い」防止への基準が強化! 「クリープ走行」時の対応や歩行者検知を“義務付け”!? 気になる導入スケジュールと対象車種は?
国土交通省は、高齢ドライバーらによる事故削減の切り札として「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の基準強化と義務化を決定しました。日本発の技術が国連基準として世界標準に認められたことを受け、国内でも段階的に導入が進められます。本記事では、私たちの安全を守る新基準の背景から具体的な変更点、導入スケジュールまで、最新動向を解説します。
悲惨な事故をゼロに! 日本発の安全技術が「世界のスタンダード」へ
国土交通省は2026年1月9日、道路運送車両の保安基準等を改正し、ペダル踏み間違い時加速抑制装置の基準を強化すると発表しました。
近年、アクセルとブレーキの踏み間違いによる悲惨な事故は社会的な課題となってきました。こうした背景から、日本は国連の「自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)」に対し、自国の優れた安全技術をベースとした国際基準の策定を積極的に提案し、主導してきました。
その努力が実を結び、令和6年(2024年)11月のWP.29第194回本会議において、日本の評価方法をベースとした「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の国連基準化が合意されました。これにより、日本独自の技術が今後の世界スタンダードとして歩み始めることになったのです。

当初の基準では、主に「停止状態」からの急発進を抑制することが求められていました。具体的には、障害物の手前1.0mから1.5mの位置でアクセルを全開にした際、衝突を回避するか、あるいは時速8km以下まで減速するといった性能要件が定められていました。
しかし、実際の事故現場では、駐車時の切り返しなどでブレーキを離し、車がゆっくり動き出す「クリープ走行」の状態からパニックに陥り、アクセルを強く踏み込んでしまうケースも少なくありません。そこで国土交通省は、さらなる安全性の向上を目指し、基準をさらに強化することを決定しました。
最新の改正では、これまでの「停止状態」に加え、新たに「クリープ走行状態」からの急加速についても抑制が義務付けられます。さらに、検知対象となる障害物についても、従来の「車両」や「壁」だけでなく、新たに「歩行者」が追加されることになりました。
これにより、生活道路や駐車場における対人事故の削減にも、より一層の期待が寄せられています。
●軽トラも対象に 乗用車から貨物車まで広がる義務化の波
義務化の対象となるのは、運転者がクラッチ操作を必要としない、いわゆるオートマチック(AT)車全般です。これにはガソリン車だけでなく、電気自動車(BEV)も含まれます。
当初の計画では乗車定員10人未満の乗用車が対象でしたが、基準強化に伴い、車両総重量3.5トン以下の貨物自動車(バンや軽トラックなど)にまで対象車種が拡大されました。
また、今回の法改正では車両基準以外にも多角的な安全対策が盛り込まれています。農耕用トラクタへの座席ベルト装着の義務化や、高性能林業機械の導入を促すための灯火器の取り外し規定など、現場の実情に合わせた細やかなルール作りが進められています。
乗用車だけでなく、“働く車”全体の安全水準を底上げしようという政府の強い姿勢がうかがえます。

※ ※ ※
気になる導入時期ですが、段階的なスケジュールが組まれています。まず、乗用車の新型車については、令和10年(2028年)9月1日(輸入車は令和11年9月1日)から、初期の国際基準に適合した装置の搭載が義務付けられます。
さらに、今回強化された最新の基準(クリープ走行時対応・歩行者検知対応)については、新型車は令和12年(2030年)9月、すでに生産されている継続生産車については令和14年(2032年)9月からの適用となる見込みです。
Writer: くるまのニュース編集部
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