冬の車中泊、「寒ければエンジンかければいい」はNG! “氷点下10度”で車内はどうなる? 毛布1枚では「朝まで寝られない」意外な盲点と“過酷な現実”とは!
レジャーとして定着した「車中泊」しかし、気温が氷点下になることもある冬や春先の車中泊は、装備や知識が不足していると、単に「眠れない」だけでなく、最悪の場合は低体温症など命に関わる危険性もあるのです。
真冬の車内で「エンジンを切り、暖房なし」で過ごした結果とは!
JAFは過去に、長野県のスキー場(外気温マイナス10度前後)において、異なる装備で車中泊を行うユーザーテストを実施しています。
その結果は衝撃的なものでした。

まず、防寒対策をせず「ダウンジャケットとジーンズ」のみで挑んだモニターは、実験開始からわずか2時間45分でリタイア。
この時点で車内温度は1.8度まで低下しており、寒さに耐えきれなくなりました。
また、災害時用として知られるアルミ製の「エマージェンシーシート」を使用したケースでも、約5時間半後、車内が氷点下3.9度まで冷え込んだところでギブアップとなりました。
一方で、翌朝まで耐え抜くことができたのは、「毛布と使い捨てカイロ」を使用したモニターと、「冬山用寝袋」を使用したモニターの2名のみです。
しかし、彼らも快適に熟睡できたわけではありません。
「カイロがあったおかげで何とか朝まで過ごせた」「冬山用の寝袋でも、朝方は顔などが冷えてきつかった」と語っており、これら単体の装備だけでは、冬の車中泊を乗り切るにはギリギリであることが浮き彫りになりました。
最終的に、実験開始時はエアコンで25度に温まっていた車内も、朝にはマイナス7度まで冷え込みました。
クルマのボディは鉄とガラスでできており、断熱材の入った家とは違います。
エンジンを切れば、車内温度は外気温とほぼ同じまで下がると考えるべきで、「多少厚着をしていれば大丈夫」という油断は通用しません。
そして、これほど車内が冷え込むなら「エンジンをかけて暖房をつけっぱなしにすればいい」と考える人もいるかもしれません。
しかし、多くの地域でアイドリングストップ条例が制定されていることに加え、特に積雪地においては、エンジンの掛けっぱなしは「自殺行為」にも等しい危険をはらんでいます。
最大のリスクは「一酸化炭素中毒」です。
降雪時にエンジンをかけたままにすると、降り積もった雪でマフラーが塞がれ、行き場を失った排気ガスが車内に逆流することがあります。
一酸化炭素は無臭のため、就寝中に気づかないまま意識を失い、死に至る事故が毎年のように発生しています。
では、エンジンの暖房に頼らず、安全に暖を取るにはどうすればよいのでしょうか。過去の事例や実体験から導き出された、有効な3つの対策を紹介します。
【1】「火を使わない」暖房器具の活用
一酸化炭素を出さず、火災リスクも低い「電気毛布」や「セラミックヒーター」が推奨されます。
これらを稼働させるために、大容量の「ポータブル電源」を用意しておくと非常に役立ちます。
また、アナログですが「湯たんぽ」も安価で安全性が高く、寝袋の中に入れると朝まで暖かさが持続するため効果的です。
【2】「底冷え」と「窓」への断熱対策
冷気はガラスと床から侵入します。
窓に「断熱シェード」を貼るのは基本中の基本。
さらに、寝袋の下にクッション性のある断熱マットを敷くことで、床からの底冷えを遮断できます。
筆者も過去、シェードと厚手マットを装備して挑みましたが、それでも朝方の冷え込みは厳しく感じられました。
対策は「やりすぎ」なくらいで丁度いいのです。
【3】汗冷えを防ぐ「衣類」選び
ただ着込むだけでなく、肌着(インナー)の素材が重要です。
汗をかいた後に体温を奪われないよう、速乾性のある機能性インナーや、保温性の高いウールの靴下を選びましょう。
筆者の実体験でも、足先の冷えで夜中に何度も目が覚めた経験があり、足元の防寒は安眠の必須条件と言えます。
※ ※ ※
冬の車中泊には、澄んだ空気や静寂な雪景色など、この季節ならではの魅力があります。
しかし、それらはすべて「安全」が確保されてこその楽しみです。
「クルマの暖房には頼らない」という覚悟を持ち、ポータブル電源や適切な寝具、断熱グッズをフル活用して、安全で快適な冬の旅を楽しみたいものです。
Writer: くるまのニュース編集部
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