「2700件以上の違反取消し」前代未聞の事態へ! 神奈川県警の“不適切取り締まり”受け警察庁が異例の「再発防止策」を全国通達! どんな内容?

神奈川県警の交通機動隊員が2022年から2024年にわたり不適切な交通取り締まりをおこなっていた事案について、警察庁が全国の警察に再発防止策を示しました。一体どのような内容なのでしょうか。

神奈川県警が“2700件以上”の交通違反を取り消し、反則金“3400万円”を返還する事態に!

 神奈川県警は先日、交通反則切符(いわゆる青切符)に虚偽の記載をしたなどとして、交通機動隊に所属していた7人の警察官を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで横浜地検に書類送検しました。

 これは2022年から2024年にわたり、第2交通機動隊第2中隊の第4小隊に所属していた警察官が、速度超過や車間距離不保持などの交通違反に関して不適切な取り締まりや、必要な実況見分をしていないにもかかわらず実施したように装うといった不正をおこなったものです。

 たとえば速度超過の取り締まりは、パトカーや白バイが速度違反車両の後方を一定の距離を保ちながら追尾して速度や走行距離を計測しますが、隊員らは追尾した距離を実際よりも長く記載するといった不適切な違反処理をしていました。

 また違反者が反則金を納付しない場合は、刑事手続きに向けて警察官が現場で実況見分をおこなったうえで書類を作成しなければなりませんが、隊員らは現場に行かずに虚偽の調書を作成していたということです。

大規模不正“取り締まり”に異例の「再発防止策」(画像はイメージ、yamahide/PIXTA)
大規模不正“取り締まり”に異例の「再発防止策」(画像はイメージ、yamahide/PIXTA)

 一連の不正は、2024年に車間距離不保持の交通違反で検挙された人が「自宅に届いた書類に記載された距離と、現場で確認した距離が違う」などと県警に相談したことがきっかけで発覚しました。

 これらの不適切取り締まりを受けて神奈川県警は2026年2月20日、ドライブレコーダーなどで違反が確定しているケースを除いた、2716件もの交通違反を取り消すと発表しました。

 加えて、これまでに納付された交通反則金3400万円を返還するほか、取り締まりによって免許証の区分が「優良運転者」から「一般運転者」に格下げされた人に対し、免許区分を戻す措置をとることなどを明らかにしています。

 過去にも警察官が誤った取り締まりをおこない、反則金の返還や交通違反歴の取り消しといった対応をとる事例は発生していますが、今回の事案のように複数人の警察官による大規模な不正は近年例を見ないものです。

 この事案の背景には、不正を発見・指摘しにくい組織構造があったものとみられています。

 隊員らは他の部署の警察官と交流する機会が少なかったうえ、不正を主導した40代の巡査部長は交通取り締まりの経験が豊富で、成績優秀者として表彰されたこともあり、同僚が意見しづらい雰囲気があったということです。

 巡査部長は県警の調べに対し、「悪質な違反者を交通の場から排除したかった。1件でも多くの違反を取り締まりたかった。今思えば、誤った正義感だった」などと話しています。

 さらに県警では2025年4月まで、過去の検挙件数などをもとに取り締まりの「水準」が示されており、このノルマともとられかねない目標設定も、強引な交通取り締まりにつながったのではないかと指摘されています。

 今回の不正を受けて警察庁は、全国の警察に再発防止策を示す通達を出しました。

 警察庁は神奈川県警の不正に関して「取り締まりの目的は件数を稼ぐことではなく、事故防止であるという基本的な意識が欠けていた」と指摘したうえで、現場を巡回する「違反取り締まり巡回指導官チーム」を警察庁と各警察本部に新設すると明らかにしています。

 また、今回の事案では「無理な取り締まりが嫌だったが、言いづらかった」と話す警察官もいたため、交通違反の取り締まりについて警察官が意見できる相談窓口を各警察本部に新設するということです。

 そのほか、運転手が交通違反を否認する場合はパトカーのドライブレコーダーの映像を保存して活用することや、AIを使って速度超過を計測できる技術の研究・開発を進めることなどの対策を示しています。

※ ※ ※

 今回の神奈川県警の不正をめぐっては書類送検に加え、不正を主導した巡査部長が免職、他の関係者が停職や減給といった懲戒処分を受けるなど、非常に大きな影響をおよぼしています。

 警察庁の再発防止策により、不正が起きにくい組織構造や雰囲気の醸成につながるのか、今後の動向が注目されています。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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