“エンジンかけっぱなし”は違反? 条例で「アイドリングストップ」の義務を定める都道府県も! 「電気自動車」も対象になる?
近隣住民から「排ガスで洗濯物が干せない」「深夜の音がうるさい」といった苦情が寄せられることも多いアイドリング駐停車。店舗の看板でも注意喚起されていますが、実は法律や条例でも厳格に制限されています。周囲への迷惑だけでなく、ドライバーが背負うことになる「罰則」について解説します。
エンジンかけっぱなしでクルマから離れるのはNG! 条例で禁止の地域も
クルマのエンジンをかけっぱなしで駐車すると、周囲の人に迷惑をかけるおそれがあります。
都道府県によっては条例で禁止されているケースもあり、ドライバーは留意しておく必要があります。
お店の駐車場や道路上などでは、エンジンをかけっぱなしにした「アイドリング」状態で駐停車しているクルマをたびたび見かけます。
最近のクルマは比較的排気ガスの排出が抑えられているとはいえ、アイドリングは大気汚染につながるおそれがあるほか、周辺住民に悪臭や騒音などで迷惑をかける場合もあります。
実際のところ、駐車場があるお店の近隣に住む人からは「深夜のアイドリング音がうるさいんだが、コンビニに直接クレーム言うべきなんだろうか」「トラックのアイドリングの排気ガス臭がすごくて外干しできない」など不満の声が上がっています。
またコンビニをはじめ多くの店舗の駐車場では、買い物客に対してアイドリングストップをお願いする看板が設置されています。加えて、クルマの排気ガスがなるべく店内や住宅側に行かないよう、「前向き駐車」を推奨している場合もあります。

意外と知られていませんが、エンジンをかけっぱなしにしたままクルマを離れることに関しては、道路交通法で運転者が守るべきルールとして次のように規定され、禁止されています。
(道路交通法第71条第5号)
「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること」
これは勾配のある場所に駐車した際や、AT車のクリープ現象でクルマが勝手に動き出すなどして事故が発生しないようにするためのルールです。
クルマが駐車中に動き出すのを防止するにはサイドブレーキをかけたうえ、AT車の場合はシフトレバーをパーキング、MT車は1速(上り坂の場合)またはリバース(下り坂の場合)に入れて駐車することが重要です。
上記の法令に違反すると「停止措置義務違反」に該当し、検挙されれば違反点数1点、普通車で6000円の反則金が科されます。実際に検挙される事例は少ないものとみられますが、事故防止のためにも、交通違反であるという認識は持っておくべきでしょう。
さらにアイドリングは都道府県の条例によって禁止されているケースもあります。たとえば東京都が定める「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」第52条では、アイドリングについて以下のように規定しています。
「自動車等を運転する者は、自動車等を駐車し、又は停車するときは、当該自動車等の原動機の停止(以下『アイドリング・ストップ』という。)を行わなければならない」(条文を一部抜粋)
ただし信号待ちや交通渋滞、人の乗降などで駐停車するケースのほか、冷凍車・医療用車・清掃車などの動力としてエンジンを使用するケース、緊急自動車が用務のために使用するケースなどは、アイドリングストップの義務の対象外となります。
また東京都環境局によると、電気自動車のような排気ガスを出さないクルマはアイドリングストップの対象に含まれません。
この条例ではアイドリング行為をした場合の罰則は定められていないものの、第56条「勧告」の規定により、仮に近隣住民などから苦情があれば、アイドリングを続けるドライバーにアイドリング行為を止めるよう勧告することもあるということです。
※ ※ ※
東京都と同様にアイドリングを禁止する条例は大阪府や神奈川県、埼玉県、千葉県など、他の都道府県でも制定されています。
必要以上のアイドリング行為は周辺の人々に迷惑がかかるほかガソリンの消費にもつながるため、日頃からアイドリングストップの意識を持つことが肝要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。


























