9年ぶり全面刷新! トヨタ「“RAV4級”」の「新型SUV」がスゴイ! 全長4.5m級のカクカクボディ&1.2リッター「ターボ」搭載! デザインも走りも進化したジープ「コンパス」の実力をスペインで確かめた
フルモデルチェンジを受けたジープ新型「コンパス」は、電動化を見据えた新世代プラットフォームを採用し、デザインや居住性、走行性能を大きく進化させたモデルです。日本導入を前に、その実力をスペイン・バルセロナで確かめました。

2006年のデビュー以来、世界で250万台以上を販売してきたジープ・コンパスは、2016年に登場した2代目(日本では2017年に導入)を経て、約9年ぶりのフルモデルチェンジで第3世代へと進化しました。
ジープのラインナップの中では、都市部での扱いやすさと日常の延長で使えるオフロード性能を併せ持つ、バランスの良いミドルサイズSUVとして位置づけられています。
新型コンパスは、ステランティスグループ(プジョー、シトロエン、アルファロメオなど)で採用される、C/Dセグメント向けに設計された最新の電動車用「STLA Medium」プラットフォームを採用しています。日本では同プラットフォームを用いたプジョー「3008」が登場していますが、新型コンパスはそれよりもひと回りコンパクトなサイズ感となっています。
ボディサイズはトヨタ新型「RAV4」と同等で全長4552mm×全幅1819mm×全高1641mm。先代と比べて全長は148mm、全幅は15mm拡大しました。ホイールベースも159mm延長されたことで、後席のレッグスペースは22mm広くなり、ラゲッジルーム容量も45リットル増加して550リットルを確保。スクエアな形状のラゲッジスペースは、使い勝手の良さも感じられました。
エクステリアは、先代の丸みを帯びたフォルムから一転し、ボクシーでシャープな印象へと変貌しています。7スロットグリルや台形のホイールアーチ、耐キズシールドや強化バンパーといった要素は健在で、ジープらしいスタイルを新しさとともに表現。
レーダーやカメラ類を高い位置に配置することで、オフロード走行時の損傷リスクを低減する工夫も盛り込まれていました。
インテリアも全面的に刷新され、洗練度が大きく向上しています。水平基調のダッシュボードは良好な視界を確保し、エアコン操作系や調整ダイヤルなどはスクリーン下に物理スイッチとして配置。ロータリー式シフトやSelec-Terrain(ドライブモード)スイッチも含め、直感的に操作できるレイアウトが印象的でした。
試乗はバルセロナ市内から郊外へと続くルートで実施。新型コンパスは電動化を前提とした設計がなされており、近い将来には2種類の駆動方式と航続距離500km/650kmを想定したBEV(電気自動車)に加え、マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドという2タイプのハイブリッドモデル(いずれも前輪駆動)がラインナップされる予定です。
今回試乗したのは、145馬力を発揮する1.2リッター直列3気筒エンジンとモーターを組み合わせた48V eハイブリッド(マイルドハイブリッド)でした。扱いやすさを重視したキャラクターで、慣れない道でも見切りの良い視界と安定した操舵フィールが安心感をもたらします。
また、上下がフラットな形状へと変更されたステアリングホイールは、視界の抜けの良さに貢献しているだけでなく、レベル2の先進運転支援システム(ADAS)の操作スイッチも集約されています。

そのステアリングを通じて伝わる操舵フィールは、切り始めこそやや穏やかですが、その後は自然な重さと手応えが増し、安定したライントレース性を発揮。前輪駆動(FWD)ながら直進安定性は高く、乗り心地も滑らかでした。
試乗車には18インチのミシュラン「e・PRIMACY(イー プライマシー)」が装着されています。
後半は凹凸の多いラフロードも走行しました。AUTOモードのままでも対応できましたが、Sand/Mudモードに切り替えることで、より安心感のある走りを実感。急な坂での再発進でもSelec-Terrainが素早くグリップを確保し、力強く登坂しました。
3人乗車での走行でしたが、登坂路や高速走行でも不満はなく、必要十分な加速を静かに引き出す実用性重視のパワートレインという印象です。
新型コンパスは、ファミリーでも使いやすい空間と実用性を備え、日常の中に少しアウトドアな雰囲気を取り入れたい人にとって、注目の一台といえるでしょう。
日本には2026年後半に、マイルドハイブリッドモデルが導入される予定です。











































