トヨタ「“新”ハイエース」“21年ぶり全面刷新”を示唆! 大きさ違う2種類の「カクカクボディ」&“複数パワトレ”搭載に期待大! 次世代「働くクルマ」像を提示する「ハイエース コンセプト」に注目
トヨタが「ジャパンモビリティショー2025」に出展した「ハイエースコンセプト」が話題です。果たして次期「ハイエース」はどのようなクルマになるのでしょうか。
全面刷新が待たれる次期「ハイエース」の姿を先行公開!?
2025年10月29日から11月9日に開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」のトヨタブースにおいて、2台の「ハイエースコンセプト」が世界初公開されました。
このモデルの向こうには、次期「ハイエース」が存在するのでしょうか。

1967年2月、商用トラック「トヨエース」の小型版として、トラック仕様とともに登場したのが初代ハイエース(ハイエース バン)でした。
現行型(5代目・通称200系)がデビューしたのは2004年8月で、発売からすでに20年以上も経過したロングセラーモデルです。
4代目でトラック仕様は消滅し、乗用ワゴンやコミューター(マイクロバス)、そして商用バン仕様のみが残りました。
ハイエースワゴンといえば、大人数を運ぶことができるタフな1BOX車として、エンドユーザーだけでなくプロフェッショナルにも高い支持を得ています。
ハイエース ワゴンの乗車定員は最大10名。もっとも大型な「グランドキャビン」のボディサイズは、全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mmです。
ラージミニバン「アルファード」(全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm)が小さく見えるほどの堂々サイズですが、意外とボディの見切りが良いのは角張ったフォルムによるものと思われます。
いっぽうでハイエース バンは、ワゴンで多人数乗車も可能だった後席の広大な空間をすべて荷室としたものです。
標準幅・ロールーフ・ロングボディ、標準幅・ハイルーフ・ロングボディ、ワイド幅・ミドルルーフ・ロングボディ、ワイド幅・ハイルーフ・スーパーロングボディと、多彩なバリエーションを誇ります。
近年、このハイエース バンの実用性や拡張性を活かしつつ、キャンピングカーなどにカスタマイズして楽しむユーザーが増えているほか、後席(セカンドシート)に乗用ワゴン並みの大型シートを備えた上級グレード仕様「スーパーGL」シリーズも、個人ユーザーから根強い支持を集めています。
実は海外向けには、2019年に6代目にあたる「300系」がデビューしていますが、日本国内はいまだに200系のまま継続販売がおこなわれています。
200系ハイエースのなかでもっともベーシックな標準幅・ロールーフ・ロングボディが、国内で扱いやすい小型商用車(4ナンバー)規格に収まるのに対し、300系は大幅にボディサイズを拡大し4ナンバー仕様が設定できない点も、フルモデルチェンジを遅らせている理由かもしれません。
そんななかで今回のJMS2025に展示されたハイエース コンセプトは、前回のJMS2023において、電動商用バン「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」の進化版であり、トヨタブースでは3つのモデルが出展されたほか、ダイハツブースでは軽版の「カヨイバコK」も紹介されていました。
ベーシック版はふたたび“カヨイバコ”を名乗るものの、ラージ版2モデルは「ハイエース」の名を冠したことにも注目が集まります。
事実、トヨタの関係者も「コンセプトモデルではあるものの、市販型に近づいてきたということで『ハイエース』の名前が与えられました」と説明しており、次期型ハイエースのスタディモデルと捉えることができます。
さらに、現行車のオーナーや事業車ユーザーに向けて『ぜひ会場で実物をご覧いただき、次世代ハイエースへの期待を感じ取ってほしい』と語っており、JMS2025会場で来場者から寄せられた反響が、次期ハイエースの設計・開発にフィードバックされる可能性も高そうです。
現行型の取り回しの良さを継承するための設計がなされており、現時点でボディサイズは非公表ではあるものの、カヨイバコは4ナンバーサイズ、ロールーフモデルは200系(ワイド)のサイズ、ハイルーフモデルは300系クラスのサイズであることが示唆されています。
パワートレインについては、BEV(バッテリーEV:電気自動車)のみならず、ガソリンエンジンなど複数の選択肢を想定しており、世界各地での使用を考慮した拡張性にも配慮がなされています。
内装についても従来の商用車とは異なり、ダッシュボードは同時発表されたトヨタの新世代商用シリーズ「coms-X」などと共通のデザインテーマを採用し、操作系をシンプルに整理しています。
また、デジタルディスプレイを中心に構成されたコックピットは、用途に応じてモジュールの付け替えが可能とされ、配送・整備・キャンピングなど多様なビジネススタイルに柔軟に対応できる構造を視野に入れていることは確かです。
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日本国内のユーザーはもちろんのこと、海外でも待ち望む人が少なくないと思われる次期ハイエースのデビュー。
さまざまな用途に応えるべく、タフなクルマづくりが求められるハイエースだけに、今回の2台の「ハイエース コンセプト」をベースにしたさらなる展開に期待したいところです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。



































































































