9億円級の「“V12”スーパーカー」がスゴい! 650馬力超え「NAエンジン」搭載! ガバッと開く「斬新ドア」採用! 日本人がデザインしたフェラーリ「エンツォ」米国オークションに登場

2026年1月22日、米国アリゾナ州で開催されるRMサザビーズのオークションに、2003年式フェラーリ「エンツォ」が出品されます。フェラーリ創業者の名を冠した特別なスーパーカーは、どのようなストーリーを持つ一台なのでしょうか。

22年前に誕生した特別なフェラーリ

 2026年1月22日に米国アリゾナ州で開催されるRMサザビーズのオークションに、2003年式フェラーリ「エンツォ」が出品されます。

「F40」「F50」に続く“次世代の象徴”として誕生したエンツォは、今なおフェラーリ史における特別な存在です。

ケン・オクヤマ氏が手がけた2003年式フェラーリ「エンツォ」(Photo:RM SOTHEBY'S)
ケン・オクヤマ氏が手がけた2003年式フェラーリ「エンツォ」(Photo:RM SOTHEBY'S)

 エンツォは、フェラーリが2000年代初頭に送り出した、ブランドの技術力と哲学を集約したスーパーカーです。

 1980年代の「288GTO」やF40、1990年代のF50によって築かれてきたフェラーリのスペシャルモデルの系譜を、新世紀に引き継ぐ存在として2002年に発表されました。その車名が示すとおり、フェラーリ創業者エンツォ・フェラーリへの最大級のオマージュでもあります。

 車体構造には、F1マシンに通じるカーボンファイバーとノーメックスハニカムによる軽量モノコックを採用し、そこにアルミ製サブフレームを組み合わせることで高剛性と軽量化を両立。

 ボディデザインはピニンファリーナに在籍していたケン・オクヤマ氏が手がけ、オープンホイールレーシングカーを思わせるフロントノーズや、極端に絞り込まれたキャビンなど、F1由来の思想を強く感じさせる造形が与えられました。

 パワートレインには、ミッドシップに搭載された6リッターの65度V型12気筒自然吸気エンジン「F140B型」を採用。

 このエンジンは1970年代のCan-Amマシン以来となるフェラーリ最大級の排気量を誇り、最高出力は651馬力、最大トルクは657Nmを発生します。

 トランスミッションは6速DCTで、ステアリングポストに備わるパドルシフトによって変速。0-96km/h加速は約3.3秒、最高速度は約350km/hに達し、当時の量産車としては最高水準のパフォーマンスを誇りました。

 今回出品される個体は、総生産498台のうち、米国市場向けに用意された111台のひとつ。シャシ番号128797のこの車両は2003年10月に完成し、ロッソコルサのボディにネロ内装という王道の組み合わせで仕立てられています。

 新車時からのオーナーはわずか3名で、直近のオーナーが17年間にわたって大切に保管。現在の走行距離はわずか746マイル(約1200km)と、極めて低走行な点も大きな魅力です。

 近年にはカリフォルニア州のフェラーリ正規ディーラーであるフェラーリ・オブ・ニューポートビーチにて、費用を惜しまない徹底した整備が実施され、長期保管車両ながら万全のコンディションが維持されています。

 さらに純正の3点式ラゲッジセットや車両カバー、工具一式なども付属し、コレクターズカーとしての完成度も非常に高い一台です。

 288GTO、F40、F50、「ラ・フェラーリ」、そして最新「F80」と並び、フェラーリの「ビッグシックス」を構成する重要なモデルであるエンツォ。

 今回のオークションにおける予想落札価格は500万〜600万ドル、日本円で約7億7500万円〜9億3000万円とされています。フェラーリが新世紀に示した“究極の回答”ともいえるハイパーカーが、再び世界中の注目を集めることになりそうです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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