「52年間」も倉庫で眠っていた日産「ハコスカ」実車展示!? 「いちども車検を受けていません」ってどういうこと? タイヤも新車のまま&走行わずか2万kmの「スカイライン2000GT-R」とは
2026年2月21日、22日にパシフィコ横浜で開催された「ノスタルジック2デイズ2026」に展示された日産「スカイライン2000GT-R」について解説します。
車検を取らず保管して、気がついたら52年!
2026年2月21日から22日にかけて、パシフィコ横浜で開催された旧車の祭典「ノスタルジック2デイズ2026」には色々な古いモデルが展示されましたが、「入手以来、一度も車検を通していないまま52年過ぎたクルマ」には驚かされました。
どのような経緯で今を迎えたのでしょうか。
同イベントでは、3代目「スカイライン(通称ハコスカ)」の展示台数が多かったように感じられましたが、その中でも注目度が高く、かつ驚くべきストーリーを持っていたのが、第一世代の「スカイラインGT-R」を得意とするアール・ファクトリー(栃木県宇都宮市)が展示した1972(昭和47)年式の「2000GT-R」です。
美しくレストア・整備されたGT-Rが並ぶ中、このクルマは適度なヤレ感がある「未再生」のままで置かれていました。でも決してボロボロではない状態です。
よく見ると屋根の上には「車検を一度も受けていないGT-R 52年間倉庫で眠っています」と書かれたパネルが掲出されていました。

あまりに気になるその言葉は、一体どういう意味なのでしょうか。アール・ファクトリーのスタッフに話を聞いてみました。
この車両は同店の顧客から預かっているもので、オーナーは昭和47年(1972年)に新車で購入したものの、初回となる昭和49年(1974)の車検を通さなかったといいます。その証拠に、フロントガラス上面中央に貼られた車検ステッカーは、たしかに昭和49年2月のものでした。
ちなみに現在では新規登録車の初回車検の有効期限は3年ですが、昭和58年(1983)までは2年間でした。
オーナーは忙しい人だったようで、GT-Rは路上復帰することなくそのまま車庫内で眠り続け、35年ほど前にアール・ファクトリーの倉庫に移動したものの、その後も車検を受けることなく現在に至っています。気がつけば50年以上経ってしまった! という類まれな個体といえます。
走行距離はなんと2万キロ。長い間動かしていませんが、ずっと屋根下保管だったため各部の状態は良好で、パーツの欠品もなく購入以来の姿を保っています。タイヤも新車時のものが残っていました。
しかし、さすがに車体に傷みが出始め、オーナーも高齢となったため「さすがにそろそろどうにかしないと」ということになり、今回ノスタルジック2デイズで展示することが決まったそうです。
なお、今回のようにオーナーやショップの意思で保管されてきたケースとは少々異なりますが、納屋や倉庫で価値があるクルマが発見されることがあり、これらは「barn find car(バーンファインドカー)」と呼ばれます。
2025年には、アメリカのとある家のリビングに、世界で3台しかないブラウンゴールド塗装のランボルギーニ「ミウラS」が40年間も置いてあるのが見つかるなど、数多くの事例があります。
「今後は走るように直していきたいが、外観は今の雰囲気を残したい」と語るアール・ファクトリー。50年以上眠り続けた名車の今後に、目が離せません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。



























