全長3.4m! ダイハツ「“斬新”タフ仕様軽トラ」が凄かった! 「カクカクデザイン」にめちゃ画期的“荷台”と5速MT搭載! 300mm超え地上高で普段使いOKな「マッドマスターC」とは

ダイハツは18年前、個人のレジャー用途にも適したタフなデザインの軽トラックコンセプトを披露していました。このモデルはどのような特徴を持っているのでしょうか。

「個人が楽しめる軽トラック」の大胆な発想力

 長年にわたり農業や配送業などで支持されてきた「軽トラック」ですが、近年では趣味にもシゴトにも1台で対応できるクルマとして、一般ユーザーがプライベート用途で購入するケースも増加しています。
 
 ただし、一般ユーザーの使用を重視した親しみやすい軽トラックの設定はありませんが、ダイハツは18年前、アウトドアギアとして活用可能な魅力的な軽トラックを提案していました。

 それが、ダイハツが2007年10月開催の第40回「東京モーターショー」で参考出品したコンセプトカー「MUD MASTER-C(マッドマスターC)」です。

 公開当時、ダイハツは「小ささと軽さが生み出す高い走破性に加えて、フレーム付ボディの圧倒的な耐久性と積載性をあわせ持つスモール&タフなトランスポーター」と説明していました。

「トランスポーター」とは、主にバイクや自転車を趣味にしている人が、オフロード場やサーキット、サイクルスポットへ持ち運ぶためのクルマを指す言葉です。特にオフロードバイクやマウンテンバイクといった悪路向けの競技車両を運ぶ例が多く見られます。

 マッドマスターCは、サイクルスポーツ界を代表する鈴木 雷太氏と共同企画し、トランスポーターとしての役割を果たす機構が取り入れられました。

 まず荷台は通常のトラックとは違う様相で、一見するとバンのような見た目をしていますが、大型トラックのウイング車のように開く側面のパネルを備え、マウンテンバイクを横から積載することが可能です。

 走行時は荷台が完全に密閉され、雨風などをしのげるようになっています。

 ちなみに荷台は非常に画期的な「アタッチメントボディ」構造を採用。公開時はマウンテンバイクの積載をデモンストレーションしていましたが、各種アタッチメントを用いると、スポーツから過酷地での仕事などにも対応。

 想定では通常のトラックのような平ボディの荷台のほか、クレーン機構を備えたバージョンもあったようで、日常使いも仕事も趣味もこれ1台でマルチに使えるという、高い利便性を確保していました。

 ボディサイズは全長3395mm×全幅1600mm×全高1960mm。全幅のみ軽規格(1480mm以下)を超えているため、厳密には軽トラックではないものの、660ccエンジンを搭載していたことからも、開発にあたっては「軽トラック」を目指していたことがわかります。

登場早すぎた? 今出して欲しい「マッドマスターC」
登場早すぎた? 今出して欲しい「マッドマスターC」

 エクステリアは非常にシンプルかつ、機能性を重視したスクエアなボディを採用。奇抜なデザインが多いコンセプトカーとしては十分現実味があり、大きくスクエアな前後ライトやフロントグリル、ドアハンドルなどは堅牢なイメージを付与。

 ボディサイドはヘッドライトから荷台まで続く太いラインを施し、安定感とワイド感を与えています。

 走行性能では、16インチのオフロードタイヤにフレームシャシと軽量なボディを組み合わせ、最低地上高370mmを実現。

 悪路走破性能を示す3アングル(アプローチ・ランプブレークオーバー・デパーチャー)は数値の公表はなかったものの、「余裕を確保」したといいます。

 パワートレインは、先述の通り660ccエンジンでセンターコンソールのシフトパターンから5速MTを採用していたと見られます。

 駆動部はドライブシャフトとハブ接続部分にギアを組み込んだ「ハブリダクションシステム」を採用。

 これによりマウンテンバイクを楽しむフィールドでも、高い踏破性・耐冠水性を実現。本格四輪駆動車並みの信頼性も確保しました。

 インテリアは加飾が少なく、道具のようなシンプルさが目立ちますが、撥水素材シートを備えアウトドアでの利便性を追求。さらに、当時まだ画期的だった大型ディスプレイもいち早く採用し、使い勝手の良さも配慮されていました。

 2007年の公開当初、マッドマスターCは非常に高い注目を浴びており、さらに市販車然としていたデザインやパッケージングから、市販化への期待は大いに高まりました。

 しかし公開から現在まで、直接的な市販モデルは一切登場していません。

※ ※ ※

 マッドマスターCの登場から18年が経過した今、かつて仕事道具が主な用途だった軽トラックは、アウトドアレジャーの浸透や地方への移住、田舎暮らしの定着から、個人の趣味や日常の相棒として活躍することになりました。

 18年も前の時点で、こうした個人向けにも使える軽トラックを提案していたダイハツの企画力には驚くばかりです。

 2025年10月、2年に1度の「ショーイヤー」となる「ジャパンモビリティショー2025」が開幕します。新時代を予感させる新たなコンセプトカーの登場が期待されますが、ダイハツがどのようなモデルを披露するかにも、期待が膨らみます。

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Writer: 伊勢崎剛志

自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。

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