「もう作れません…」トヨタ新「ヴォクシー」注文殺到しすぎて“長納期化”! 価格アップも跳ね返す“圧倒的人気”の「3列ミニバン“大定番”」再びオーダーストップの暗雲が!?
トヨタの人気ミニバン「ヴォクシー」。2025年9月に初となる一部改良モデルが登場し、注目が集まる一方で、販売現場には「納期」という切実な問題が発生しています。
「もう作れません…」トヨタ新「ヴォクシー」注文殺到しすぎて“長納期化”!
日本のファミリーカー市場において、常に高い人気を誇るトヨタのミドルサイズミニバン「ヴォクシー」。
2022年1月のフルモデルチェンジで4代目へと進化して以来、TNGAプラットフォームによる走りの良さと、アグレッシブなデザインで好評を博してきましたが、デビューから約3年半が経過した2025年9月2日、ついに初となる一部改良が実施されました。
しかし、待望の改良モデル登場に沸く一方で、販売現場からは「納期」という切実な問題に対する悲鳴が上がっているようです。

先述の一部改良では、外観の変化こそないものの、商品力を確実に引き上げるアップデートが施されました。
もっとも分かりやすい変更点はボディカラーで、「ホワイトパールクリスタルシャイン」が廃止された代わりに、最高級ミニバン「アルファード」にも採用されている「プラチナホワイトパールマイカ」が新設定されました。
この変更は、ヴォクシーのプレミアム感をさらに高める要素であり、ユーザーからも好意的に受け入れられている様子です。
また装備面でも細やかな見直しが図られ、従来はセットオプションでの設定だった「デジタルインナーミラー」が単独で選択可能になったほか、一部グレードでは「ETC2.0ユニット」や「ディスプレイオーディオPlus」といった人気装備を標準化するといった、実質的なグレードアップが図られています。
しかし、こうした機能向上と引き換えに避けられなかったのが価格の上昇です。
原材料費の高騰や装備の充実により、ガソリン車では約20万から30万円、ハイブリッド車では約15万から25万円の値上げが実施され、最上級のハイブリッドモデルでは車両価格だけで420万円を超えるなど、ミドルクラスのファミリーカーとしてはやや手を出しにくい価格帯に突入しています。
それでも、ヴォクシーを求める客足が途絶える気配は微塵もなく、むしろ長らく続いていた受注停止期間が明け、改良モデルの受注が開始されたことで、ディーラーには注文が殺到しているといいます。
トヨタ車を取り扱うディーラーへの取材で見えてきたのは、値上げをも意に介さぬユーザーの熱量と、綱渡りのような不安定な受注状況でした。
東京都内のトヨタディーラーで話を聞いてみたところ、「元々ヴォクシーは高い人気のクルマでしたが、受注停止期間があったことにくわえて一部改良での魅力アップも重なり、かつてなくオーダーが集中しています」と、嬉しい悲鳴を上げつつも、その表情は険しいものでした。
納期はすでに長期化の様相を呈しており、「正直なところハイブリッドの納期は読みきれず、再び注文受付を停止した販売店もあると聞いています。ガソリン車であればもう少し早めの納車をご案内できる可能性がありますが、それも刻一刻と変動しています」とのこと。
ファミリーカーという性質上、子どもの送迎や家族旅行など、クルマを必要とする時期が決まっているユーザーが多く、納期の遅れはライフスタイルに直結する死活問題です。
これについては、「ヴォクシーの生産工場でも効率を引き上げて少しでも早く確実に納車しようと努力していますが、それでも需要が生産能力を大幅に上回っているため、しばらくこの状態は続くと思われます」と語り、実質的に“もうこれ以上の増産は難しい”という様子で苦渋の表情を浮かべます。
近年、新車では需要に対して供給が追いつかないという「納期遅延」が慢性化しており、その影響は人気車種であるヴォクシーにおいても顕著となっています。
値上げされてもなお衰えない圧倒的な商品力は流石というほかありませんが、買いたくても買えない、注文してもなかなか届かないという状況は、ユーザーにとってもメーカーにとっても健全とは言えません。
愛車を待つ家族の元へ、一日でも早く新車のヴォクシーが届くよう、メーカーのさらなる生産体制強化に期待せずにはいられません。
Writer: くるまのニュース編集部
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