「車で飲酒運転してません…」でも「免停」に、なぜ? 警察「チャリで飲酒運転しましたよね?」 電動キックボードや自転車の違反が影響! ユーザーからは賛否両論

運転免許が不要な電動キックボードや自転車で飲酒運転をしたとして、運転免許の停止処分を受けるケースが増加しています。自動車の違反をしたわけではないのに、一体なぜ免許停止処分となるのでしょうか。

電動キックボードや自転車の交通違反による“免停”は昨年の10倍以上に!

 近年は、運転免許なしで運転できる特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)や自転車による危険な運転が全国各地で報告されており、運転者の安全運転意識の低さを指摘する声も上がっています。

 運転免許を保有する人が電動キックボードや自転車で飲酒運転をした場合は、免許停止処分を受けるケースがあるので、注意が必要です。

電動キックボードや自転車の交通違反で「免停」になることも!(画像はイメージ/Photo AC)
電動キックボードや自転車の交通違反で「免停」になることも!(画像はイメージ/Photo AC)

 近年は、運転免許なしで運転できる特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)や自転車による危険な運転が全国各地で報告されており、運転者の安全運転意識の低さを指摘する声も上がっています。

 警察庁によると2024年中、電動キックボードの交通違反の検挙件数は4万1246件にのぼり、違反別では歩道通行などの通行区分違反が2万4628件、信号無視が9838件、一時不停止が2643件などという結果になっています。

 さらに自転車の違反に関しては2024年中、刑罰の対象となる「赤切符」での検挙件数が5万1564件、そのうち一時不停止が2万1833件、信号無視が2万1088件、遮断踏切立入りが3220件など、いまだに多くの違反行為がおこなわれていることが明らかになりました。

 そのような状況の中、運転免許を保有する人が電動キックボードや自転車で飲酒運転をしたことにより、運転免許の停止処分を受けるケースが急増しています。

 具体的には、2025年1~9月までの間に電動キックボードの交通違反をして免許停止処分を受けたケースは80件あり、そのうち77件が飲酒運転でした。

 昨年は免許停止処分が7件のみ、そのうち4件が飲酒運転だったということで、昨年の10倍以上の免許停止処分がおこなわれたことになります。

 加えて、今年1~9月までに自転車の交通違反で免停処分を受けたケースは915件で、そのうち896件が飲酒運転でした。昨年の免許停止件数は58件、そのうち飲酒運転が23件であり、自転車も電動キックボードと同様に免許停止処分が急増しています。

 電動キックボードや自転車の交通違反によって自動車の運転免許が停止されることに対しては驚きの声も上がっていますが、これに関しては道路交通法で次のように規定されています。

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(第103条第1項)
 免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなった時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。

(第8号)
 前各号に掲げるもののほか、免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき。
※条文を一部抜粋
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 つまり、運転免許保有者が電動キックボードや自転車などで飲酒運転をはじめとする悪質・危険な行為をした場合には、交通モラルや運転適性が低く将来的に自動車でも危険な行為をするおそれがあると判断され、公安委員会がその者の免許を取り消したり停止させたりすることがあります。

 上記のような免許停止処分に関してはインターネット上で「処分の厳格化は非常に良い傾向だと思います。特にキックボードは危険な運転が多く、クルマに乗っている側からすると、危なっかしく思うことが多い」「自転車や電動キックボードの飲酒運転はとても危険なので取り締まりが強化されて皆が注意するようになるのは良いことだと思います」など、厳しい処分を歓迎する声が聞かれました。

 その一方で「自転車の違反で自動車免許に傷が付くのはおかしくないか?」「運転免許所有者には免停のペナルティがあると言うならば、免許を取得していない違反者にも同等のペナルティを科さないと不公平ではないだろうか」などの意見も上がっています。

 この意見に対しては「免許とはそういうものです。本来できないことを特別に許可されているのだから、関連する何かをやらかしたら免許に関して処分されるのは当然です」といった反論も寄せられています。

 上記コメントにあるように、運転免許はクルマという危険な物体を扱うことを許可するものです。

 クルマよりも安全なはずの自転車で悪質・危険な運転をするということはクルマを運転する資格がないとみなされるため、免許停止処分が出されることは自然な流れといえるでしょう。

※ ※ ※

 電動キックボードや自転車で飲酒運転のような悪質・危険な行為をすると、自動車の運転免許に影響するおそれがあります。

 また2026年4月1日からは自転車の交通違反にも自動車と同様に「青切符」が導入され、重大な事故につながる危険のある交通違反をしたり、警察官の指示に従わず違反行為を続けたりすると検挙の対象となります。

 電動キックボードや自転車の交通ルールについては曖昧な認識で運転している人も少なくないことから、今一度正しい交通ルールを確認することが重要です。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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