ホンダ「“4人乗り”軽トラ」に反響殺到!「遊び心がサイコー!」「絶対にヒットする」「ある意味で最強のクルマ」の声も!“公道走行”も可能な「屋根なし×ドアなし」バモスホンダとは!
かつてホンダが展開していた個性的な軽トラック「バモスホンダ」。同車は今なお、自動車ファンの間で語り草となっています。
ホンダ「“4人乗り”軽トラ」に反響殺到!
数あるホンダの歴代モデルの中でも、これほどまでに自由で、そしてこれほどまでに「謎」に満ちたクルマは他に無いかもしれません。
1970年から1973年までのわずか3年間だけ販売された軽トラック「バモスホンダ」。
現代の常識では考えられないその奇抜なスタイルは、半世紀以上が経過した今なお、自動車ファンの間で語り草となっています。

このバモスホンダ最大の特徴は、商用を目的とする軽トラックでありながら「屋根もドアも持たないフルオープンボディ」を採用していた点に尽きます。
開放的すぎるその姿は、まるでゴルフカートか、あるいは遊園地のアトラクションのよう。
しかしホンダは大真面目にこれを「多用途作業車」として世に送り出しました。
ラインナップは使用目的や乗車定員に合わせて、2人乗りの「バモスホンダ2」、後席に幌を備えた4人乗りの「バモスホンダ4」、そして荷台まで幌で覆った「バモスホンダフルホロ」の3タイプを展開。
インテリアもユニーク極まりなく、ドアの代わりに乗員の転落を防ぐガードパイプが一本渡されているだけという、なんともスパルタンな仕様でした。
シートやスイッチ類、メーターに至るまで徹底した防水加工が施されており、汚れたら車内を水洗いできるというタフな設計は、現代のアウトドアギアに通じる機能美さえ感じさせます。
またフロントマスクにはスペアタイヤを背負い、大型のオーバーライダー付きバンパーを装備するなど、見た目は完全に軍用車や本格オフローダーのそれでした。
しかし、このクルマの運命を決定づけたのは、「見た目と中身の致命的なギャップ」でした。
これほどワイルドなルックスでありながら、バモスホンダの駆動方式は後輪駆動のみで、肝心の4輪駆動(4WD)モデルが設定されていなかったのです。
搭載された空冷2気筒エンジンは30馬力を発揮し、車重520kgという軽量ボディを最高時速90kmまで引っ張りましたが、悪路走破性は一般的な軽トラと変わりませんでした。
警備用や建設現場、農山林管理用としての需要を見込んでいたホンダに対し、市場は「見た目はジープっぽいのに悪路は走れない、用途不明のクルマ」と困惑。
当初ホンダが掲げた月産計画2000台に対し、約4年間の総販売台数はわずか2500台で、計画の40分の1という記録的な販売不振により、バモスホンダは静かにその生涯を閉じることになったのです。
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このように、商業的には失敗作の烙印を免れなかった悲運のバモスホンダですが、その突き抜けた個性は、時を超えて現代の人々を魅了しています。
SNSやネット掲示板などでは、「冬は死ぬほど寒かったけど独特の感性があって好きだった」「トミカで知って憧れていたクルマです」「ウルトラマンタロウに登場していたよね!懐かしい」といった当時を知る人々の声に加え、「今の時代にEVで復活したら絶対にヒットする」「ゴルフカートとして再販してほしい」「梨農家とか特定のユーザにとって最強のクルマ」といった、現代ならではの視点での再評価も進んでいます。
また、「屋根なしドアなしなんて軽自動車、今の安全基準では二度と作れない」「昭和だからこそ許された遊び心が最高!」と、その希少性を惜しむ声も少なくありません。
もしもあの時、バモスホンダが4WD性能を備えていたら、あるいは登場があと数十年遅ければ、SUVブームの先駆者として違った未来があったかもしれません。
バモスホンダは、ホンダという企業が持つ「技術的な探求心」と「常識に囚われない遊び心」を象徴する、愛すべき“迷車”として、これからも語り継がれていくことでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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