トヨタの斬新「5人乗りステーションワゴン」が凄かった! 全長4.2mに「トヨタ初」の“画期的”装備&「上級車並みインテリア」採用! 挑戦的すぎた「オーパ」を振り返る
かつてトヨタが販売した「オーパ」は、コンパクトながらも意欲的なモデルでした。どのようなモデルだったかを振り返ります。
トヨタ「初」も多い意欲作だったが…
トヨタ車というと、どちらかといえば堅実なクルマ作りのイメージが強いかもしれませんが、定期的にチャレンジングなモデルをリリースすることでも知られています。
2000年5月に登場した「Opa(オーパ)」も、まさにそんなモデルのひとつとなっています。

1999年の「東京モーターショー」にコンセプトカーとして登場したのち、市販がスタートしたオーパは、1998年に登場したミドルサイズセダン/ワゴン「ビスタ」系のプラットホームを用いて生まれたステーションワゴン風のモデルです。
ビスタ譲りの2700mmという長いホイールベースによる広い室内空間が売りのひとつでした。
ただし、純然たるステーションワゴンモデルは「ビスタアルデオ」がすでに存在していたため、オーパは前後のオーバーハングを切り詰めた独特のスタイルを採用。
このため、4640mmのビスタアルデオに対し、オーパは4250mmとかなり短い全長となっていました。
また、インテリアではメーターをセンターに配し、「スペースビジョンセンターメーター」と名付けられた表示が奥に見えて視点が合わせやすく、表示部を上下に移動できるものを採用して未来感を演出。
シート表皮をフロントはベージュ系、リアはブラック系と分けることでプライベート感を演出する試みもなされていました(「Sパッケージ」を除く)。
そして、チャレンジングだったのはメカニズムも同様です。1.8リッターモデルは従来通りの4速ATでしたが、2リッターの直噴エンジンに組み合わされたのは、トヨタ車としては初となるCVT(スーパーCVT)だったのです。
しかし、さすがにチャレンジングすぎたのか、登場から2年後に実施されたマイナーチェンジでは前後で異なるシート表皮を廃止。
とはいえ、ただでは転ばなかったのがオーパでした。
今度はインストルメントパネルの形状を変更し、インパネからドアトリムに繋がる部分を、トヨタ車では初めてファブリック貼りとする新たなアプローチを試みたのです。
そうした地道な変更を重ねますが、実際にはステーションワゴンなのかハッチバックなのかハッキリしない立ち位置や、ややクセのあるデザインなども影響したのか、販売面では決して成功したとは言えず、2005年の夏ごろに1世代のみで終売となってしまいました。
しかし、CVTなどは現在では当たり前のように搭載されていますし、インパネのファブリック貼りも、今では上級車種に採用され、決して奇抜な手法ではなくなっているので、オーパが残した功績は販売台数以上のものがあると言えるかもしれません。
現在のトヨタのラインナップには目立った変わり種車は存在していませんが、今後またこういったチャレンジングなモデルが登場することを密かに期待したいところです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。



















