新車20万円台も! ホンダ「“新”原付」発売! “110cc”カブやディオが「普通免許」で乗れる!? 「50cc終了」でも安心の「ライト」とは
50ccエンジンの生産終了に伴い、普通免許で乗れる「新基準原付」への注目が高まっています。ホンダはこれに対応し、125ccクラスの車体・エンジンを持ちながら原付一種として扱われる「スーパーカブ110 Lite」や「Dio110 Lite」を投入。排気量アップで走りはどう変わるのか? 20万円台から買える新型モデルの実力を解説します。
「50cc消滅」の救世主となるか
2025年、日本のバイク市場に歴史的な転換点が訪れています。
長きにわたり庶民の足として親しまれてきた50ccエンジンの生産終了に伴い、新たな枠組みである「新基準原付」に対応したモデルが続々と登場しているのです。
ホンダはこの新時代に向け、「スーパーカブ110 Lite」や「Dio110 Lite」といった新型車を投入しました。
普通自動車免許で運転可能という手軽さはそのままに、中身が大きく進化したこれらのモデルは、一体どのような実力を持っているのでしょうか。

かつて「原チャリ」と呼ばれ、通勤や通学、買い物など日々の移動手段として日本の風景に溶け込んでいた50ccバイクですが、近年厳格化する排出ガス規制への対応が困難となり、その存続が危ぶまれていました。
そこで国土交通省と警察庁が定めた新たな枠組みが「新基準原付」です。
これは、従来の50ccという排気量制限ではなく、最高出力を4.0kW(約5.4馬力)以下に制御することで、排気量125cc以下のエンジンを搭載していても「原付一種(50ccクラス)」として扱うというものです。
つまり、車体やエンジンのベースは125ccクラスでありながら、法律上は従来の原付と同じ扱いになるため、普通自動車免許さえあれば誰でも運転することができるのです。
この画期的なルール変更に対応すべく、ホンダが満を持して送り出したのが「Lite(ライト)」シリーズです。
なかでも注目を集めているのが、世界的なロングセラーモデルであるスーパーカブをベースにした「スーパーカブ110 Lite」です。
■見た目は125cc、中身は「新原付」
2025年12月11日に発売となる「スーパーカブ110 Lite」は、その名の通り「スーパーカブ110」をベースに開発されました。
外観は兄貴分である110ccモデルとほぼ瓜二つであり、前後キャストホイールやチューブレスタイヤ、ディスクブレーキといった豪華な装備もそのまま継承されています。
最大の違いはエンジン制御にあります。搭載される空冷4ストローク単気筒エンジンは、本来のパワフルな出力を電子制御によって3.5kW以下に抑え込んでいます。
これにより、加速感などはマイルドになりますが、従来の50ccカブと比較しても遜色のない走りを実現。
また、車体が110ccクラスの設計であるため、フレームの剛性やブレーキ性能、サスペンションの動きなどは従来の原付を大きく上回る安定感を持っています。
同様に、スクータータイプの「Dio110 Lite」も11月20日に登場しました。
こちらも14インチの大径ホイールによる優れた走行安定性と、アイドリングストップシステムなどの環境性能を両立しており、実用性を重視するユーザーから熱い視線が注がれています。
価格帯もスーパーカブ110 LiteやDio110 Liteは、高騰するバイク価格の中にあって、新車で20万円台から30万円台前半という現実的なラインに留められている点も見逃せません。
■制度は変われど「30km/h制限」は継続
ここで注意が必要なのは、いくら車体が立派になっても、区分としてはあくまで「第一種原動機付自転車」であるという点です。
そのため、法定速度は時速30キロのままであり、二人乗りも禁止されています。
また、二段階右折が必要な交差点では、従来通りそのルールに従わなければなりません。
「それならメリットがないのでは?」と思われるかもしれませんが、最大の利点は「余裕」にあります。
小さな50ccエンジンで必死に走るのではなく、トルクのある大きなエンジンの出力を絞って走るため、機械的な負担が少なく、耐久性や燃費性能において有利に働くことが期待されます。
また、タイヤサイズが大きくホイールベースも長いため、段差の乗り越えや直進安定性が格段に向上しており、毎日の通勤における疲労軽減に直結するでしょう。
さらに、将来的に小型二輪免許を取得した場合には、制御プログラムの変更(フルパワー化)などで原付二種として登録変更ができるような仕組みが整備される可能性も議論されており、長く付き合える一台になるポテンシャルを秘めています。
■免許そのままで「ワンランク上の安心感」を
50ccエンジンの生産終了は一つの時代の終わりを意味しますが、同時に「Lite」シリーズのような、より安全で快適な原付が乗れる時代の始まりでもあります。
特に、普段はクルマ移動がメインで、維持費の安いサブの移動手段を探している層にとって、「免許を取り直すことなく、車格の大きなバイクに乗れる」という事実は非常に魅力的です。
ホンダはこの他にも、業務用の「スーパーカブ110プロ Lite」や、アウトドアテイストの「クロスカブ110 Lite」など、ラインナップを拡充しています。
Writer: くるまのニュース編集部
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