全長5m! 日産の最高級「“2ドア”爆速クーペ」に反響殺到!「日産の反撃に期待!」「シーマの“クーペ版”みたいで最高」とファン歓喜! 4.5リッター“V8エンジン”搭載した超豪華「トライエックス」とは!
かつて日産がその技術力をもって開発した巨大な2ドアクーペ「TRI-X」とは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。現在見られる反響と共に紹介します。
全長5m! 日産の最高級「“2ドア”爆速クーペ」に反響殺到!
2025年10月末、東京ビッグサイトで開催された「ジャパンモビリティショー2025」は、次世代のモビリティを提案する各社の最新モデルが登場し、大いに盛り上がりました。
きらびやかなEVや自動運転車が脚光を浴びる一方で、過去のショーを振り返ってみると、現代のトレンドを遥かに先取りしていた「早すぎた名車」とも呼べるコンセプトカーが存在していたことに気づかされます。

その筆頭といえるのが、日産が1991年の「第29回 東京モーターショー」で世界初公開した「TRI-X(トライエックス)」でしょう。
「技術の日産」がもっとも脂の乗っていた時期に提案されたこのモデルは、現在のアウトドアブームやSUV全盛の時代にあってなお、その圧倒的なエレガンスと技術力でクルマ好きたちの視線を集め続けています。
日産といえば、歴代「スカイライン」や「フェアレディZ」、「シルビア」など、日本の自動車史に名を刻む数々の名門スポーツクーペを世に送り出してきたメーカーとして広く知られています。
しかし、トライエックスが目指したのは、それらとは一線を画す「さらに上級クラス」の世界でした。
特筆すべきは、なんといってもそのボディサイズで、全長4995mm×全幅1900mm×全高1350mmという堂々たる体躯は、当時国産高級セダンの頂点に君臨し「シーマ現象」という言葉まで生み出した初代「シーマ」をも上回る大きさ。
国産車としては異例中の異例といえる巨大な2ドアクーペだったのです。
同車のコンセプトに掲げられたのは「レスポンシブル・ラグジュアリークーペ」。環境や安全への配慮と、クルマ本来の走る楽しさ、そして美しさを高次元で融合させるという、現代の高級車にも通じるテーマがすでにこの時点で完成されていました。
そのスタイリングは、単に大きいだけではありません。コンセプトカーにありがちな奇抜な装飾をあえて排し、流麗で伸びやかなラインと繊細な面構成で仕立てられたその姿は、後に登場する「レパードJ.フェリー」や北米向けの「インフィニティQ45」にも通じる、上品で知的なオーラを放っていました。
ボディ素材にはアルミを多用することで、巨体でありながら徹底した軽量化を実現。見た目の優雅さとは裏腹に、その中身は当時の日産が持てる最新技術をこれでもかと詰め込んだ「ハイテクの塊」だったのです。
心臓部には、最高出力320馬力を発生する大排気量4.5リッターV型8気筒エンジンを搭載。このユニットはガソリンだけでなくメタノール混合燃料にも対応するなど、パワーと環境性能の両立を目指した先進的なものでした。
足回りには、前方カメラとレーダーで路面の凹凸を事前に検知してサスペンションを制御する「プレビューアクティブサスペンション」を採用。路面状況を先読みしてフラットな姿勢を保つその技術は、まるで魔法の絨毯のような乗り心地を実現していたといいます。
インテリアも極上の空間で、身体を優しく包み込む4座の専用本革シートや、遠方結像電子メーターを装備。
中でも極めつけにユニークで、いかにも日本の「おもてなし」を感じさせるのが「特製ワイパー」です。なんと日本舞踊の手の動きを参考に動作速度を制御するという凝りようで、無機質になりがちな機械の動きに「情緒」を持たせようとした開発陣の執念には今なお驚かされます。
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残念ながら、発表直後に訪れたバブル崩壊による景気後退の波に飲み込まれ、高級車市場が急速に冷え込んだことから、トライエックスがそのまま市販されることはありませんでした。
しかし、その存在は今なお多くのファンの記憶に鮮烈に刻まれています。
現在のSNSやネット上の掲示板などでは、「このデザイン、今見ても日産らしい個性があって素晴らしい」「バブル期ならではの贅沢すぎる作り込みに感動する」「もしバブルが弾けていなかったら、本当に発売されていたかもしれない名車」といった、当時を懐かしむ声や称賛のコメントが数多く寄せられています。
また、昨今の高級クーペ需要の高まりや日産ブランドの復活を願うファンからは、「今こそ日産の反撃の狼煙として、こういうフラッグシップ登場に期待してる」「このデザインテイストでEVとして復活したら絶対に売れる」「シーマのクーペ版のような佇まいが最高」といった、現代版トライエックスの登場を期待する熱い意見も見受けられました。
幻に終わった悲運のクーペ、トライエックス。しかし、そこで培われた技術とラグジュアリーへの挑戦心は、形を変えて現代の日産車たちにも確かに息づいているのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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