スズキ新「“4人乗り”軽ハイトワゴン」に期待大! めちゃ斬新な“コの字”ライト採用!「フロントグリル」に動画が流れる! 新「ビジョンeスカイ」デザインの狙いとは!

見どころは「インパネ周り」

 インテリアデザインを担当したのは、同じくスズキ商品企画本部四輪デザイン部先行デザイン課の佐々和希さんです。

【Q】このインテリアのデザインコンセプトからおうかがいします。

【佐々さん】EVなりの先進感、それとスズキの使いやすさの融合というのが、一番大きいところです。

新「ビジョンeスカイ」についてお話を聞いた松浦さん、鈴木さん、佐々さん(左から)
新「ビジョンeスカイ」についてお話を聞いた松浦さん、鈴木さん、佐々さん(左から)

【Q】その2つは多くのメーカーが掲げるワードのようにも聞こえますが、このクルマならではの表現はどういったところでしょうか。

【佐々さん】モニターとメーターが繋がったようなインパネ周りのデザインです。これは電動SUV「eビターラ」でもやっていて、それを踏襲しながらトレイにつながっていく形が、このクルマの特徴です。

 モニターを中心にそこからぐるっとトレイにつながっているんですね。いわばトレイにモニターがついたみたいな感じで、他社ではやっていないユニークな意匠かなと思っています。

 大きいトレイですが、スズキで出している商品は結構トレイが特徴的なのです。スペーシアもガンガンモノが置けたりするでしょう。

 そういったところはしっかりと守っているところも特徴的です。

 そしてぐるっと空間全体を丸く収めるようにした室内全体のデザインにすることで、そこにトレイが浮いているようなインテリアの印象にまとめました。

【Q】では軽のBEVとして、インテリアデザインでこだわったところはどこでしょうか。

【佐々さん】そうですね。もともとのコンセプトが「Switch軽EV!」というものですので、ガソリン車とあえて変わったなというところは演出しないように開発しています。

 あまり違って見えると、ガソリン車に乗っていた方々に「これは運転できないかな……」と思われてしまうかもしれません。

 ですからそこはあえて感じさせないように、従来のデザイン手法で進めました。

スズキらしいCMFを

 内外装のカラーなどをデザインしたのは、スズキ商品企画本部四輪デザイン部先行デザイン課の鈴木千尋さんです。

【Q】この車のCMFのコンセプトから教えてください。

【鈴木さん】先述のように、車両コンセプトが「Switch軽EV!」ですので、スズキらしくポジティブなEVを皆さんに提供しようという考えのもと、EVだからと冷たくてサラッとしているだけではなく、スズキが得意としている親しみやすさや、可愛らしさを全面的に押し出しています。

【Q】具体的にはどういう特徴がありますか。

【鈴木さん】まずボディカラーは、EVらしくハイライトでは緑色に光るのですが、全体としてはデジタルな光を取り込んだような青色を目指して作っています。

 そしてバンパーのところがちょっと“つぶつぶ”しているのですが、これはEVなので「サステナブルに地球に優しく作ろう」という意識の元、バンパーをリサイクルしたイメージで作っています。

 また、Cピラーの部分から明るいルーフに向けて、軽やかに柔らかいグラデーションで繋がっていますので、楽しげでポジティブなイメージで作っています。

 そしてインテリアも同様に、とてもポジティブで明るいイメージで作っています。

 フロア周りも“モヤモヤ”とした楽しいグラデーションでカラフルな感じになっていますし、室内全体は白基調で全体的に明るくなっていますので、ポジティブさを感じるような明るい空間に仕上がりました。

 また、モノマテリアルのフロアマットやトリムに貼ってある表皮とか、シート表皮もリサイクルで作っています。

【Q】一番のこだわりポイントはどこでしょう。

【鈴木さん】現代ではサステナブル素材を“使わなければならない”という風潮がありますが、デザイナーとしては新しい素材を使える楽しさがありますので、それをこのクルマらしくポジティブに取り扱えればという気持ちでデザインしました。

※ ※ ※

 軽のBEVだからと気負わずに、すっきりとまとめ上げられた印象のVision e-Sky。

 どこまで量産生産モデルに近いのかは分かりませんが、話を聞く限り、かなり近そうな印象です。

 2026年は他社からも軽のBEVが導入される予定なので、そこでVision e-Skyがどう戦っていくのかも、期待したいと思います。

【画像】超カッコいい! これがスズキ新「軽ハイトワゴン」です!(39枚)

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