2023年に開催された「ジャパンモビリティショー（JMS）2023」の会場で、大きな注目を集めたのが、スズキが世界初公開した超小型モビリティのコンセプトカー「SUZU-CARGO（スズカーゴ）」です。

　一体どのようなモデルなのでしょうか。

　軽自動車をはじめとする“ちいさいクルマ”に定評があるスズキですが、高齢者向けのセニアカーなど、人々の暮らしに寄り添うパーソナルな乗り物の開発にも長けています。

　その同社が次世代の移動手段として提案する1人乗りのスズカーゴは、発表直後から市販化を熱望する声がSNSなどで相次いでいます。

　スズカーゴが画期的なのは、電動キックボードなどと同じ「特定小型原動機付自転車」という車両区分にありながら、安定性の高い4輪構造を採用している点です。これにより、16歳以上であれば運転免許が不要で、ヘルメットの着用も努力義務となるため、誰もが気軽に日々の移動に活用できます。

　2輪の電動キックボードでは安定性の面で不安を感じる人もいますが、スズカーゴは4輪のため、普段クルマを運転している感覚に近い安定した走行が可能。運転に不慣れな人や二輪車に抵抗がある人でも安心して利用できる設計となっています。

　最高速度は20km／hですが、歩道走行モードに切り替えれば6km／hに制限され、歩道を通行することもできるほか、日本の交通事情に即した細やかな工夫として後退モードも備わっており、狭い路地や行き止まりでもスムーズな切り返しが可能です。

　スズカーゴは、名前の通り、荷物の運搬を主眼に置いた商用モデルとして開発されました。後部に広々とした荷台を備え、まるで「ちいさな軽トラック」とも呼べる、頼もしい積載性が魅力。

　この荷台は最大30kgまでの荷物を積載できるため、日々の買い物から小規模な配達業務まで、多彩なシーンでの活躍が期待されます。

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　スズキはJMS2025において、超小型モビリティの新型コンセプト「SUZU-RIDE2（スズライド2）」を世界初公開しました。

　このスズライド2は、2023年のJMSで公開された前身モデル「スズライド」をさらに進化させた仕様となっており、商用モデルのスズカーゴに対し、乗用モデルに位置付けられます。

　スズライド2は市場投入を目指して開発が進められており、普及すれば、運転免許を持たない高校生や、免許を返納した高齢者の通院や買い物など、さまざまな人の足として大きな役割を果たすことになるでしょう。