東北の「日本海〜太平洋直通ルート」が復旧! 大規模地すべりで“寸断”も「新しいトンネル」開通で復活 「Uの字迂回」解消した国道107号 大石トンネル 11月末に一般開放

2025年11月30日、岩手県西和賀町で工事が進められていた国道107号「大石トンネル」が開通しました。

地すべりから4年を経て新ルート開通

 岩手県南広域振興局 北上土木センターは2025年11月30日、岩手県西和賀町の国道107号で「大石トンネル」が開通しました。同時に特殊車両通行止め・片側交互通行を解除したと発表しました。

 大石トンネルの開通によって、周辺交通にどのような変化がもたらされるのでしょうか。

国道107号「大石トンネル」(画像:岩手県)
国道107号「大石トンネル」(画像:岩手県)

 国道107号は太平洋側の岩手県大船渡市と、日本海側の秋田県由利本荘市を結ぶ総延長192.8kmにおよぶ一般国道です。

 西和賀町は、岩手県の中西部に位置する自治体で、国道107号のほぼ中間といえる位置にあります。

 東北地方の両県を横断するように走る国道107号は生活や物流、観光などを支える重要な道路でしたが、2021年3月に発生した地震の影響で、一部区間で地すべりが発生。和賀川沿いの道路が使用不可となり、寸断状態となっています。

 そこで岩手県は秋田道の一部区間で無料通行を実施するなどの緊急対応に追われました。

 災害発生エリアの調査も進められ、発災から約1年後には和賀川に迂回路となる仮設橋を架設する工事が始まり、2022年11月には供用を開始しました。

 その後、県は地すべりが発生したエリアを避けるように新たなトンネル工事の計画を事業化。総延長1803.5mの本復旧ルートを設定して、1421.3mにおよぶ大石トンネルの施工を決めました。

 発災から4年が経過した2025年7月、大石トンネルは難工事を乗り越えて無事に貫通を迎え、県は「今年の冬前までの供用開始に向けて全力で取り組んでいく」としていました。

 それから約4カ月後、11月30日15時に大石トンネルが無事開通を迎え、一般開放されました。

 仮復旧ルートの仮設橋では「U」の字に大回りする必要があり、さらに仮設のために幅員が狭く、重量のある特殊車両は通行止めで、片側交互通行を強いられていました。

 大石トンネルを利用できることで、災害発生前のようにスムーズに交通が流れるようになり、東北地方の東西を結び、西和賀町の住民にとっても生活に欠かせない重要な道路が本来の役割を果たせるようになりました。

 県は大石トンネルの開通を記念して、12月8日から開通記念パネル展を開催。

 県庁1階県民室、県北上地区合同庁舎1階県民ホール 、西和賀町役場湯田庁舎1階町民ホールにて、発災当時から現在に至るまでの道のりを紹介します。

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Writer: くるまのニュース編集部

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