今までが甘すぎた!? 「外免切替」の手続き厳罰化! 試験の合格率が“大幅低下”の都道府県も 2ヶ月経って一体どのような影響があった?

外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える「外免切替」の手続きについて、2025年10月から書類審査や試験が厳格化されました。この厳格化によってどのような影響があったのでしょうか。

SNS上では「今までどれだけ『ザル』だったか分かる」「試験を日本人と同じにすべき」などの声相次ぐ

 外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える「外免切替(がいめんきりかえ)」の手続きが、2025年10月に厳格化されました。

 これまで、外免切替はその基準が甘く、重大事故などを引き起こす要因にもなっていたため批判が殺到。これを受け、警察庁が運用を見直し、書類審査や各種試験を厳格化しています。

 では、この厳格化によってどのような影響があったのでしょうか。

「外免切替」が厳罰化! その後の影響は?(画像はイメージ)
「外免切替」が厳罰化! その後の影響は?(画像はイメージ)

 外国人が日本でクルマを運転するためには、日本の運転免許証やジュネーブ条約に基づく国際運転免許証、日本と同等の免許制度を有している国・地域の運転免許証など、一定の要件を満たした免許証を所持しなければなりません。

 ただし国際運転免許証などは基本的に、日本に上陸した日から1年間またはその免許証の有効期間のいずれか短い期間しか利用できないという制限があります。また上記に該当しない国や地域の外国人は、日本の運転免許証を取得しなければ運転できません。

 そのため最近は、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える外免切替の手続きをして日本の運転免許証を取得する外国人が増加傾向にあります。

 警察庁によると2024年中の外免切替者数は7万2799人であり、そのうち日本国籍の者は4176人、外国籍等の者は6万8623人でした。

 なお外免切替の手続きは書類審査、適性試験、知識確認、技能確認という流れでおこなわれ、日本の交通ルールを問う知識確認に合格すると、運転技術をチェックする技能確認の試験に進めます。

 そして技能確認に合格すれば、日本の運転免許証が交付されるという仕組みです。

 しかしこの外免切替の手続きをめぐっては、その内容の甘さから「外国人が日本の運転免許証を簡単に取得できてしまう」「外国人優遇ではないか」などの批判が殺到していました。

 たとえば観光客のような短期滞在の外国人でもホテルを住所地として申請ができるほか、知識確認の問題はイラストおよび○×形式でわずか10問しか出題されないうえ、7問以上正解で合格できるという非常にゆるい基準でした。

 その結果、外免切替者による重大事故が相次ぎ、これを受けて警察庁は外免切替の手続きの運用を見直し、2025年10月1日から書類審査や各種試験を厳格化しました。

 具体的には書類審査の際、外国人に原則として「住民票の写し」を提出させることとし、外国人観光客が手続きできないようにしています。

 さらに知識確認のイラスト問題を廃止し、問題数を10問から50問まで増やして、合格基準を90%以上(45問以上正解で合格)に引き上げました。

 技能確認に関しても、横断歩道を通過する際の課題を追加したり、合図不履行や右左折方法違反などの採点を厳格化したりすることとなりました。

 では、この外免切替の厳格化により、外免切替者の数が減少するなど何らかの変化はあったのでしょうか。

 警察庁に取材したところ、「新たな制度は10月1日に施行されたところであり、現時点では、どのような変化があったかお答えすることは困難です」との回答がありました。

 また外免切替の制度が厳格化された10月1日前後で、知識確認や技能確認の合格率に変化があったかどうかについても、「現時点では、同日以降の知識確認・技能確認の通過率をお答えすることは困難」と説明しています。

 このように外免切替の厳格化による全国的な影響については明らかになっていないものの、一部の地域ではすでに影響が出ているものとみられます。

 一例として静岡県では、2024年中の知識確認の合格率が93.3%だったのに対し、厳格化以降の10月1日~8日における合格率は37.8%であり、55.5ポイントも合格率が低下したと報じられています。

 加えて三重県においても、2024年中と今年10月の試験の合格率を比較した結果、知識確認は87.6%から34.3%に、技能確認は19.6%から1.7%へと大幅に低下しています。

 このような状況に関してSNS上では「そんなに変わるんだ」と驚きの声が寄せられたほか、「今までがどれだけ『ザル』だったかが本当によくわかる」「それだけ、今まで日本で自動車を運転させちゃいけない外国人が合格してたってことだと思う」などの声が上がっています。

 また「厳格化前の合格者も再試験するべき」「試験を日本人と同じにしてくれ」など、より一層の対策を求める意見も聞かれました。

※ ※ ※

 今年10月1日から外免切替の手続きが厳格化されたことにより、現時点では各種試験の合格者が大幅に減少するという影響が出ています。

 今後長期的に見てどのような変化があるのか、その動向に注目が集まっています。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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