日産は、2025年11月13日から「スカイライン」の一部仕様向上モデルと、400台限定の特別仕様車「400R Limited」の注文受付を開始しました。

　スカイラインは、1957年4月の初代デビュー以来、日産を代表するプレミアムスポーツセダンとして、その時代の最先端技術を導入し続けてきた伝統あるモデルです。現行モデルは13代目（V37型）にあたり、2014年2月に発売されました。

　2019年7月には大規模なマイナーチェンジが実施され、日産ブランドの象徴である「Vモーショングリル」の採用や、スカイラインのアイコンである丸目4灯デザインのLEDリヤコンビネーションランプが復活し、大きな話題となりました。

　この2019年の改良で追加されたのが、スカイライン史上最強（当時）の405PSを誇る「400R」グレードです（2023年に追加された400R NISMOは420PSを発生）。

　400Rは、最高出力405PS、最大トルク475N・mを発生する3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジン「VR30DDTT」を搭載し、FR（後輪駆動）でその強大なパワーを受け止めます。

　また、電子制御サスペンション「インテリジェントダイナミックサスペンション」や、ステアリングの動きを電気信号で伝える「ダイレクトアダプティブステアリング」といった先進技術も採用しています。

　今回の一部仕様向上におけるポイントは、大きく3つあります。

　1つ目は、エクステリアカラーに「ワンガンブルー」が追加設定されたことです。日産によると、このカラーは「特別な日産スポーツカーのみに許された」色で「GT-R」「フェアレディZ」に採用された特別色です。”湾岸”の名が与えられた同色は、特殊な顔料の使用により、太陽光と夜の照明下でまったく異なる表情を見せる色味が特徴です。

　2つ目は、安全装備の進化です。「エマージェンシーブレーキ」の検知対象が、従来の車両のみから歩行者および自転車等にまで拡大されました。

　そして3つ目が、現行スカイラインの集大成として400台限定で設定された特別限定車「400R Limited」の発表です。この仕様は、400Rの性能をさらに引き出すために、足回りを中心に専用のチューニングが施されています。タイヤには専用銘柄の「ダンロップ SPスポーツ MAXX GT 600」を採用。

　これに伴い、19インチアルミホイールもリム幅がフロントは0.5J、リアは1.0J拡大されています。

　足回りも徹底的に強化され、フロントサスペンションのバネ定数を4％向上させたほか、タイヤのワイド化に合わせてリヤスタビライザーのバネ定数を44％も向上しています。

　さらに耐フェード性が高いブレーキパッドも使用しています。これらは単なるスペックの変更ではなく、ロールを抑えた気持ちの良いハンドリングを実現するため、スカイライン伝統の「走らせて気持ちいい」フィーリングを徹底的に突き詰めた結果と言えるでしょう。

　エクステリアには、リアスポイラーとドアミラーカバーに特別なカーボンパーツを装着し、トランク部分には「Limited」専用バッジが与えられます。

　インテリアにも、400台のみに与えられるシリアルナンバープレートや、カーボンフィニッシャー（センターコンソール）が装着され、限定モデルを所有する特別感を演出しています。

　今回の仕様向上に伴い、グレード体系と価格も改定されました。300馬力仕様の「GT Type P」は544万2800円、「GT Type SP」は572万3300円、そして注目の「400R」は649万5500円です（価格はすべて消費税込み、以下同）。

　400Rは、2022年10月時点での価格が589万9300円だったため、今回の改良で約60万円（59万6200円）の大幅な値上げとなりました。

　しかしこれは、前述の安全装備の大幅な強化や、各種法規への対応など、スカイラインの商品力をトータルで底上げした結果とも言えそうです。

　なお、400台限定の特別限定車「400R Limited」の価格は693万5500円に設定されています。

　注文受付は2025年11月13日から開始され、納車は12月18日からとのこと。400R Limitedの受注は先着順で、台数到達次第終了となります。

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　現行スカイラインの集大成として発表された今回の「400R Limited」。GT-Rなどにも採用されてきた「ワンガンブルー」のボディカラーをまとい、足回りや空力性能をさらに磨き上げた400台限定の特別な一台は、スカイラインファンにとって見逃せないモデルとなりそうです。