ガソリン・軽油の暫定税率、廃止決定!補助金は“年末に向け”拡充中! 「給油待つべき?」「年末まで粘る」の声も… 政府は「即満タン」を推奨、なぜ?

ガソリン税と軽油引取税の暫定税率の廃止法が2025年11月28日の参院本会議で全会一致で可決しました。そうしたなかで、足元では11月27日からガソリン補助金が拡充され、値下げが進んでいます。しかし「もっと安くなる年末まで粘る」という声も。安くなるのが確実なのに、なぜ政府は「普段通りの給油」を強く求めるのでしょうか。現場取材で見えたリアルな声とともに、あえて今給油すべき理由と、最新の価格スケジュールを解説します。

いよいよ軽油は「税率分」の値下げ水準へ

 2025年11月28日、ガソリン税と軽油引取税の暫定税率の廃止法が参院本会議で全会一致で可決。これによりそれぞれの暫定税率はガソリンが12月31日、軽油が2026年4月1日に廃止となります。

 足元では、前日の27日から、ガソリンおよび軽油に対する補助金がさらに拡充。燃料価格の実質的な引き下げが段階的に進んでいます。

 しかし、これから年末にかけてさらなる値下がりが期待されるなか、SNSや給油現場では「いつ給油するのが損をしないのか」という話題も。

 最新の価格事情と現場の声、そして推奨される給油タイミングについて解説します。

ガソリン補助金「27日から拡充」でも給油待つべき? 現場では「年末まで粘る」の声も…政府は「普段通りの給油」を求める(画像はイメージ/PhotoAC)
ガソリン補助金「27日から拡充」でも給油待つべき? 現場では「年末まで粘る」の声も…政府は「普段通りの給油」を求める(画像はイメージ/PhotoAC)

 政府が進める燃料価格激変緩和措置の一環として、2025年11月27日から補助金の支給額が新たな段階に入りました。

 今回の拡充における最大のトピックは、軽油(ディーゼル)に関する動きです。

 これまでリッターあたり10円、そして15円と引き上げられてきた軽油への補助金は、この11月27日をもってリッターあたり17.1円へと増額されました。

 これは軽油引取税の暫定税率分と同額であり、2026年4月1日の税率廃止を待たずして、実質的に税率分が相殺される水準に達したことになります。

11月中旬~ガソリン・軽油への補助金を拡充(画像: 経済産業省 @meti_NIPPON )
11月中旬~ガソリン・軽油への補助金を拡充(画像: 経済産業省 @meti_NIPPON )

 一方、多くのドライバーに関係するレギュラーガソリンについても、同日から補助金がさらにリッターあたり5円上乗せされ、合計で20円の支給水準となりました。

 ガソリンについては、ここからさらに段階的な引き下げが予定されています。

 具体的には、12月11日にもう一段階、リッターあたり5.1円の拡充が行われ、その時点で暫定税率分に相当する合計25.1円の値下げ効果が実現する見通しです。

 なお、ガソリン税の暫定税率廃止そのものは、冒頭の通り本年の12月31日に実施されることが決定しています。

リッターあたり10円、そして15円と引き上げられてきた軽油への補助金は11月27日をもってリッターあたり17.1円へと増額。これは軽油引取税の暫定税率分と同額となる
リッターあたり10円、そして15円と引き上げられてきた軽油への補助金は11月27日をもってリッターあたり17.1円へと増額。これは軽油引取税の暫定税率分と同額となる

■「安くなるまで粘る」ドライバー心理と現場の声

 このように、日付を追うごとに燃料価格が下がっていくスケジュールが公表されているため、ガソリンスタンドの現場では消費者のさまざまな反応が見られます。

 都内のガソリンスタンドA店のスタッフは、最近の客足について、「補助金が拡充されるたびに来店客が増えている実感がある」と話します。

 ニュースを見て、安くなったタイミングで給油しようと動くユーザーは確実に存在しているようです。

 また、C店のスタッフも、「ガソリンや軽油の価格が下がることを好意的に受け止める利用者が多い印象だ」と語っており、長引く燃料高に対する不満が少しずつ解消されつつある様子がうかがえます。

 一方で、よりシビアに価格を見ているユーザーもいます。

 都内のB店では、11月中旬に来店した顧客から「12月末まで今のガソリンを持たせて、もっと安くなってから満タンに入れに来る」という声を聞いたといいます。

 確かに、12月11日には補助金が上限に達し、さらに12月31日には税金の仕組みそのものが変わります。

 消費者心理として「一番安い時に買いたい」と考え、給油を先延ばしにする「買い控え」が起きるのは自然なことかもしれません。しかし、この行動には思わぬ落とし穴があるのです。

ガソリン・軽油の暫定税率廃止に向けた補助金の段階的拡充について(2025年11月資源エネルギー庁燃料流通政策室の資料より)
ガソリン・軽油の暫定税率廃止に向けた補助金の段階的拡充について(2025年11月資源エネルギー庁燃料流通政策室の資料より)

■なぜ経済産業省は「普段通りの給油」を求めるのか

 経済産業省は、こうした価格変動の時期であっても「普段通りのペースでの給油」を強く推奨しています。

 それには、物流と価格反映のメカニズムという二つの大きな理由があります。

 まず、皆が「もっと安くなる日」を狙って一斉に給油を控えると、特定の日に需要が爆発的に集中することになります。

 もし12月11日の補助金拡充日や、税率廃止となる12月31日直後にドライバーがガソリンスタンドに殺到すれば、店舗の在庫が底をつき、配送タンクローリーの手配も追いつかず、物理的に給油ができなくなる「ガス欠」の事態を招きかねません。

 また、現在行われている補助金は、私たち消費者に直接配られるものではなく、石油元売り会社(卸売業者)に対して支給されるものです。

 卸価格が下がってから、実際にガソリンスタンドの店頭価格に反映されるまでには、在庫の入れ替えサイクルなどによるタイムラグが生じます。つまり、制度が変わったその日の朝に、全国一斉に価格が下がるわけではないのです。

 こうした背景から、政府は「12月31日の廃止日に急激に値下がりするわけではない」として、冷静な対応を求めています。

災害時のガソリンスタンドの役割「全石連(全国石油商業組合連合会)資料」
災害時のガソリンスタンドの役割「全石連(全国石油商業組合連合会)資料」

■災害対策も含めた「満タン運動」が正解

 結論として、数円の差を狙ってギリギリまで給油を我慢するよりも、燃料計が半分程度になったらこまめに給油する習慣をつけるほうが賢明だといえます。

 これは「満タン&灯油プラス1缶運動」としても推奨されており、災害時の備えとしても有効です。

 いつ起きるかわからない地震などの災害時、クルマの燃料が十分にあれば、プライバシーが守れる避難場所として活用できるほか、スマートフォンの充電やラジオでの情報収集も可能になります。

 12月にかけて価格は緩やかに下がっていきますが、年末の繁忙期にガソリンスタンドが大混雑して給油できないリスクを避けるためにも、余裕を持った「自衛的な給油」を心がけるのが、最もスマートなカーライフといえそうです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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