“白タク”行為で不起訴に! 一体なぜ? 大型バスと正面衝突するもパキスタン国籍の男「白タクが違法とは知らなかった」 ネット上では怒りの声噴出

2025年6月、山梨県の有料道路・富士スバルラインで白タク行為中の乗用車が大型観光バスと正面衝突した事故に関して、11月17日、乗用車を運転していたパキスタン国籍の男の初公判がおこなわれました。白タク行為については不起訴となったことに、ネット上では疑問や怒りの声が上がっています。

過失運転傷害については起訴されるも、白タク行為は不起訴に! 疑問の声相次ぐ

 2025年6月、山梨県の有料道路・富士スバルラインで白タク行為中の乗用車が大型観光バスと正面衝突した事故に関して、11月17日、乗用車を運転していたパキスタン国籍の男の初公判がおこなわれました。

 白タク行為については不起訴処分となったことに、ネット上では疑問や怒りの声が噴出。一体なぜ不起訴となったのでしょうか。

「白タク」行為を検挙する難しさとは…(画像はイメージ、’90 Bantam/PIXTA)
「白タク」行為を検挙する難しさとは…(画像はイメージ、’90 Bantam/PIXTA)

 2025年6月、山梨県の河口湖から富士山の5合目までをつなぐ有料道路・富士スバルラインにおいて、白タク行為中だった乗用車がセンターラインをはみ出し、対向車線を走行していた大型観光バスと正面衝突する事故が発生しました。

 この事故により、白タク営業の乗用車に乗っていた外国人観光客5人がケガをし、乗用車を運転していた茨城県結城市に住むパキスタン国籍の23歳の男が今年9月、自動車運転処罰法違反(過失運転傷害)と道路運送法違反の疑いで逮捕されました。

 そもそも路線バスやタクシーのように、運賃をもらって客を運送する乗合事業をおこなう際には、道路運送法に基づいて事業計画や運行計画を定め、国土交通大臣の許可を受ける必要があります。

 国土交通大臣の許可を受けないまま運賃を受け取って客を乗せるタクシーは「白タク」と呼ばれ、運転手の行為は道路運送法違反に当たります。もし検挙されれば、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方を科されます。

 上記の事故では、パキスタン国籍の男が乗客にケガを負わせた過失運転傷害と、白タク行為をおこなった道路運送法違反で捜査が続けられてきましたが、11月17日、甲府地検は男の白タク容疑を嫌疑不十分により不起訴処分としました。

 甲府地検は不起訴とした理由について、「(白タクの)事実を認めるに足りる証拠が十分ではなかった」と話しています。

 その一方、過失運転傷害については起訴されており、17日に甲府地裁でおこなわれた初公判で男は「すべてその通りです」と起訴内容を認めました。

 さらに被告人質問で男は、「白タク行為が違法だと知らなかった」と話したほか、指示役(すでに逮捕)からも説明がなかったことなどを明かしました。なお、次の公判は12月15日におこなわれる予定です。

 このニュースに対してインターネット上では「白タク行為の違法性を知らなかったとのことですが、それで不起訴とはなんとも甘いですね」「知らないで済む問題じゃない」「何が証拠不十分なんだ? 検察の対応がいい加減すぎやしないかい?」など、白タク行為が不起訴となったことに関して疑問や憤りの声が上がっています。

 加えて、「白タクの罰則をもっと重くすべき」「国に強制送還して、二度と入国しないようにしてほしい」など厳罰化を求める意見も聞かれました。

 このような白タク行為は全国の観光地や空港、駅、港湾などで横行しており、11月18日には神奈川県鎌倉市の江ノ電踏切近くで白タク行為をおこなったとして、東京都板橋区に住む中国人の男が道路運送法違反の疑いで逮捕されています。

 逮捕した神奈川県警によると、男は「友達の友達を送迎しただけでお金はもらっていない」などと容疑を否認した一方、男のクルマに乗った観光客はアプリを通じて約1万6000円の運賃を支払ったと話しているということです。

 また11月2日、愛知県の常滑市にある中部国際空港においても在日ベトナム人相手に白タク行為をしたとしてベトナム人が現行犯逮捕され、3日に送検されました。

 そして10月29日にも、新潟県北蒲原郡聖籠町の町道で白タク行為をした疑いで富山県富山市在住の中国籍の男が現行犯逮捕されています。この日は新潟東港に大型クルーズ船が初寄港しており、男はクルマに複数の外国人旅行客を乗せていたということです。

※ ※ ※

 白タク行為を検挙するためには「運転手と客の間で金銭のやりとりがあること」を証明する必要があります。運転手によっては「家族・友人を送迎しただけ」「お金はもらっていない」などと言い訳したり、海外アプリを使ってメッセージを削除したりして言い逃れしようとする事例が後を絶ちません。

 安全な交通環境を作るために、今後は白タク行為を検挙しやすいような法改正や罰則の強化が求められるといえるでしょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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