日産校が「斬新スカイライン」初公開へ! カクカク「旧車デザイン」に超・大型スポイラー装備! 鮮烈「赤×黒2トーン」の“手作りマシン”「Re30 スカイラインシルエット」をTASで披露へ

日産グループで自動車整備専門学校の日産・自動車大学校 愛知校は、「東京オートサロン2026」に向けてカスタムカーを製作中です。最新の製作状況はどうなっているのでしょうか。

シルエットフォーミュラの「R30スカイライン」を再現

 日本最大のカスタムカーの祭典「東京オートサロン(TAS)2026」が、2026年1月に開催されます。

 日産グループで自動車整備専門学校の日産・自動車大学校では、毎年学生が手掛けたカスタムカーを披露しており、次回のTAS2026でも学生によるカスタムカーが披露される予定です。

 そのうち、愛知校が現在TAS2026に向けて製作を進めている、「スカイライン」(R30型)ベースのカスタムカーを紹介します。

日産愛知校が手掛ける「カスタムカー」(画像提供:日産・自動車大学校 愛知校)
日産愛知校が手掛ける「カスタムカー」(画像提供:日産・自動車大学校 愛知校)

 スカイラインは1957年に初代が登場した高級乗用車です。ボディは4ドアセダン/2ドアハードトップを基本に、世代によっては4ドアハードトップや2ドアクーペ、5ドアステーションワゴンなど複数のボディタイプも展開しています。

 ミドルサイズの余裕のあるボディに、走りを重視した味付けのエンジンや足回りを採用したことで、ロングドライブをスポーティに楽しめる「GTカー」としてヒット。以来、アッパークラスのスポーティ車として長らく愛されています。

 このうちR30型は1981年8月に発売された6代目です。当時の広告で俳優のポール・ニューマンを起用したため、「ニューマンスカイライン」の名称で親しまれているほか、人気の警察ドラマ「西部警察」にも登場し、根強いファンを持ちます。

 また4気筒エンジン車と6気筒エンジン車で異なるボディだったものが、このR30型で統一。さらに4代目に搭載され以来、一度途絶えていた高性能のDOHCエンジンを再び搭載した「RS」を設定。

 年次改良ごとにターボ搭載などでパワーアップがなされ、1983年にはデザインの大きな変更があり、薄いヘッドライトやグリルを小型化したことで「鉄仮面」と呼ばれています。

 その後、1985年に7代目のR31型(通称:都市工学スカイライン)にモデルチェンジし、販売を終了しました。

 さて、日産愛知校はこのR30型スカイラインをベースに、カスタムカーを製作中です。なぜR30型を選んだのか、担当した学生はこのように話します。

「ベース車を探しているときに、去年と同じ『ブルーバード』(U11型)や、『ローレル』(C32型)と今回のR30型の3台がありました。

 全部1980年代のクルマということで、当時のことを調べていくと、『シルエットフォーミュラ』でR30スカイラインが活躍しており、学校にあるクルマはセダンだった(シルエットフォーミュラは2ドア)のですが、いいねということで一致したので、選びました」

 コンセプトは、「Re30 スカイラインシルエット」。キーワードを「再び、あの時のスーパーシルエットを」と定めています。

「スーパーシルエット(シルエットフォーミュラ)」とは、当時存在した市販車ベースのレース車両のカテゴリのひとつです。

 市販車をベースにしていますが、ワイドボディや大型エアロの取り付け、高出力エンジンの搭載などで武装した、いわば「ガワ(シルエット)だけ市販車」という改造車のカテゴリとなります。

 R30型スカイラインもワイドボディ化、大型スポイラーの取り付け、570馬力以上を発揮する高性能ターボエンジンを搭載したスーパーシルエットをレースに投入。

 日産の名ドライバー 長谷見昌弘氏がドライブし、1982年には2勝、1983年には4勝するなど、輝かしい結果を残しました。

 この栄光を当時に見て衝撃を覚えたのが現在50〜60代の世代であり、愛知校のカスタムカーはこうした世代をターゲットにしているといいます。そのいっぽうで、スーパーシルエットを知らない世代にも衝撃を与えたいと考えているとのことです。

 エクステリアでは、スーパーシルエットマシンの“本家”を強くリスペクト。赤と黒をオマージュしつつ、赤色にはラメを加え、自分らしさを演出。

 フロントバンパーは、本家のスーパーシルエットの形をFRPで製作。特徴的な巨大フロントスポイラーもFRPで再現しています。

 またフロントグリルも純正の2本線グリルから3本線のグリルに変更したほか、高性能を予感させるボンネットダクトも装着し、本家に勝るとも劣らない迫力のあるスタイリングを実現しました。

 ボディサイドは、まずフロントフェンダーを本家に近いスクエアな造形で再現しFRPで製作。片側あたり90mmの拡幅を図り、全幅は1855mmとなりました。これに合わせ、サイドステップやリアフェンダーも変更しました。

 リアフェンダーは、通常大幅なワイド化を行うとドアのクリアランスが消失し、ドアが開かなくなりますが、開閉可能なようにセッティングしています。

 リアはフェンダーの拡幅に合わせてテールランプの位置の変更、本家のスーパーシルエットマシンのような大型ウイング+トランクスポイラーの2つの空力パーツを装着。バンパー下部にはディフューザーを装着し、レーシングカーらしい凄みを持たせています。

 足元はワークの「エクイップ01」を装着。当時感のある4本スポークタイプで15インチのサイズですが、フロントは9J、リアは10Jという極太サイズとなっています。

完成形のデザインスケッチ(画像提供:日産・自動車大学校 愛知校)
完成形のデザインスケッチ(画像提供:日産・自動車大学校 愛知校)

 製作は10月から開始しているようで、バンパーやフェンダーなど、各FRPパーツの製作と加工に取り組んでいるといいます。リアもテールランプを左右に位置変更するための溶接作業が完了し、概ね完成形の姿が見えています。

 いっぽう、ベースのR30型スカイラインセダンからデザインを大幅に変更したことから、製作にあたっての苦労したところもあったといいます。

「一番苦労したところは、バンパーとフェンダーの形です。左右を一緒(のデザインや形状)にしなければならないので、こっちを見ながら、また逆を見て、しっかり測りながらというのが大変でした。バンパーも『面出し』をするのに苦労しました」

 完成までもうしばらくかかりそうですが、純正からレーシングカーのように大きく姿を変えたマシンの披露に期待が膨らむばかりです。

※ ※ ※

 東京オートサロン2026は、2026年1月9日から11日にかけ、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催予定です。

 なお、日産・自動車大学校では愛知校に加え、京都校でもカスタムカーを製作中です。

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Writer: くるまのニュース編集部

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