日産の「“軽”フェアレディZ」!? “全長3m”めちゃ小さな「本格スポーツカー」がスゴイッ! タフな“空冷エンジン”搭載する斬新モデル「ダットサンベビィ」に大注目ッ!

かつて日産が開発した子ども用の軽自動車「ダットサンベビィ」とは、一体どんなモデルで、なぜ製造されたのでしょうか。この歴史的なモデルを振り返ります。

日産の「“軽”フェアレディZ」!?

 タカラトミーグループのトミーテックは2025年10月9日、人気ミニカーシリーズの「トミカリミテッドヴィンテージ」と児童厚生施設「こどもの国」のコラボレーション商品として、「こどもの国×TLV ダットサンベビィ 6号車(白)フィギュア付」と「こどもの国×TLV ダットサンベビィ レストア車(赤)フィギュア付」を2026年4月に発売することを発表し、予約受付を開始しました。

 この「ダットサンベビィ」とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。

日産の「“軽”フェアレディZ」!?
日産の「“軽”フェアレディZ」!?

 ダットサンベビィは、日産が開発した子ども用の軽自動車です。

 1965年に神奈川県横浜市と東京都町田市にまたがって開園した“こどもの国”。

 そこではアトラクションのひとつとして、子どもが運転できる本物の自動車が導入されました。

「こどもの交通訓練」として指導を受けた子どもが、「こども自動車の会 会員証」を交付されると全長1.6kmのコースを運転できる、というアトラクションで、子どもが運転するために日産が100台寄贈したのがダットサン ベビィだったのです。

 ボディサイズは、バンパーガードを含めて全長2960mm×全幅1420mm×全高1245mm、ホイールベースは1670mmと、現代の軽自動車よりもさらにコンパクト。

 開発は、かつて自動車メーカーだった愛知機械工業が1961年から1963年まで販売していた軽トラック「コニー・グッピー」をベースに行われ、100台がほぼハンドメイドで製作されました。

 パワーユニットには、199cc2サイクル単気筒強制空冷ガソリンエンジンを搭載。

 最高出力7.5馬力/5000rpm・最大トルク12.7Nm/3200rpmを発揮し、2ペダル式のトルクコンバーターを組み合わせ、最高速度は30km/h。

 20km/hを超えると警報ブザーが鳴り、30km/hを超えるとエンジンがカットオフされ、20km/hを下回るとエンジンが再始動する機構が組み込まれた、子ども用ながら本格的な仕様でした。

 エクステリアは、一般的な自動車同様に、ドア、開閉可能な窓、ヘッドライト、ウインカー、テールライト、ワイパー、ミラーを装備。

 このデザインは、初代「フェアレディZ」を手掛けたデザイナーの松尾良彦氏がまとめ上げたものと言われており、フェアレディZに通じる軽快でスポーティな佇まいに仕上がっていました。

 足回りは、フロントがウィッシュボーン式、リアはナイトハルト式トレーリングアームとした4輪独立懸架を採用しています。

 安全対策として、ブレーキペダルを左右に拡大し、助手席に乗った大人もブレーキを踏めるように設計されていました。

※ ※ ※

 このように、子ども用のクルマとして作られつつも、極めて本格的な仕様だったダットサンベビィ。

 小学5年生から中学3年生までは大人の同乗なしで運転することができ、その後に多くのクルマ好きを生んだであろう、今思えば夢のようなアトラクションです。

 のべ20万人が利用し、約4万5000人がこども自動車の会 会員証を取得した人気アトラクションでしたが、1973年にダットサンベビィの老朽化によって終了しました。

 しかし後にダットサンベビィ本体は、日産社員のボランティア活動のレストアによって見事に再生。

 現在は「日産ヘリテージコレクション」に収蔵され、日本のモータリゼーションの歴史における1ページとして輝きを放っています。

【画像】超カッコイイ! これが日産「“軽”フェアレディZ」です!(27枚)

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Writer: パワーボム

関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。

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