新車990万円! 全長5.3m超えの三菱「最高級4ドアセダン」が凄い! 超パワフル「V8GDI」搭載! 「センチュリー」と肩を並べる“ショーファーカー”「ディグニティ」を振り返る
三菱自動車はかつて、ショーファードリブンで使われることを想定した高級セダンをラインナップしていました。一体どのようなクルマだったのでしょうか。
「センチュリー」とも並ぶ三菱の「最高級セダン」
今ではすっかりSUVを得意とするメーカーというイメージがついた三菱自動車(以下、三菱)ですが、過去には軽自動車からコンパクトカー、セダンにスポーツカーとフルラインナップを誇っていた時代もありました。
そんな時代の三菱には、当然「フラッグシップセダン」も存在していたのですが、さらにその上の存在となる「ショーファードリブン」モデルもラインナップしていたことがあったのです。

ショーファードリブンといえば、今では新たにブランドとなることが発表されたトヨタ「センチュリー」が知られるところですが、日産からは「プレジデント」、そして三菱にも2000年2月に発売を開始した「ディグニティ」というモデルがありました。
三菱にはその前にも「デボネア」というフラッグシップセダンが存在していましたが、デボネアのポジションは「プラウディア」という高級セダンに任せ、ディグニティはさらに上を行くモデルとして登場したのです。
といっても、基本的なメカニズムはプラウディアと多くを共有しており、実質的にはプラウディアのリムジン版がディグニティというもの。
ただしプラウディアは3.5リッターV型6気筒GDIはメインモデルだったのに対し、ディグニティは4.5リッターのV型8気筒GDIのみ(V8はプラウディアの最上級モデルにも設定)ということでフラッグシップモデルらしさを持たせていました。
そんなディグニティ最大の特徴は、前輪駆動(FF)レイアウトを採用していたという点でしょう。
ライバルが古くからのFRレイアウトを踏襲し続けていたのに対し、プロペラシャフトなどがない前輪駆動レイアウトとしたことで、ライバルを凌ぐ後席のレッグスペースを実現していたのです。
さすがに5335mmという長い全長の鼻先に重いV8エンジンを横置きで搭載しているということで、ファンな走りとは無縁なキャラクターとなってはいましたが、後席に座るVIPにとっては広い後席空間は快適だったでしょう。
当時の価格は990万円。ベースとなったプラウディアの4.5リッターエンジン搭載モデルが640万円だったのに対して300万円以上も高価格でした。
しかし残念ながら、ディグニティの販売は低迷を極め、わずか1年ほどの販売期間で59台の生産台数という形に終わってしまいました。
一説には前輪駆動レイアウトがショーファードリブンに相応しくないと判断されたという話もありますが、そもそもこのクラスを導入する企業はセンチュリーのトヨタやプレジデントの日産と強い関係性を築いていることがほとんど。
その関係性を断ってまで三菱に乗り換える企業は、三菱財閥系以外では多くなかったというのが実情ではないでしょうか。
なおディグニティとプラウディアの名前は2012年に復活することになりますが、ディグニティは「シーマ」、プラウディアは「フーガ」のOEMモデルとなっており、主に三菱系の企業の社用車として導入されました。
こちらはフロントグリルが縦基調のオリジナルデザインとなっており、意外と似合っていたと感じるのは筆者(小鮒康一)だけではないハズです。
Writer: くるまのニュース編集部
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