3800万円超え…!? 全長4.6mの「“FR”クーペ」がスゴい! 超高回転「V8エンジン」搭載した「高性能モデル」! めちゃ“スパルタン”仕様のBMW「M3 GTS」英国オークションに登場
2025年9月、イギリス・アントリムで開催された、RMサザビーズ主催のオークションに、2011年式BMW「M3 GTS」が出品され、落札されました。どんなクルマなのでしょうか。
レーシングDNAを宿す究極のFRクーペ
2025年9月、イギリス・アントリムで開催された、RMサザビーズ主催のオークションに、2011年式BMW「M3 GTS」が出品され、落札されました。

M3 GTSは、E92型「M3クーペ」をベースにBMW M社がサーキット走行のために設計した究極のロードゴーイングカーとして開発したモデルです。2009年11月に発表され、世界でわずか138台のみが生産されました。
ボディサイズは全長4645mm×全幅1804mm×全高1387mm、ホイールベース2760mm。カーボンルーフ、ポリカーボネート製のサイド&リアウインドー、遮音材の削減、リアシート撤去などにより、標準のM3よりも136kg軽量化されています。
パワーユニットには、標準モデルに搭載されていた4リッターV型8気筒「S65B40」エンジンをベースに排気量を拡大した4.4リッターV8「S65B44」型を搭載。ボアはそのままにストロークを延長し、排気量を3999ccから4361ccへと拡大しています。
吸排気系も全面的に見直され、軽量チタン製エキゾーストシステムと専用インテークマニホールドを採用。さらにECU制御や燃焼効率を最適化することで、最高出力450馬力/8300rpm、最大トルク440Nm/3750rpmを発揮します。これは標準M3比で30馬力/40Nmの向上です。
冷却性能も強化され、追加のオイルクーラーや大型ラジエーターが装備されました。潤滑系やクランクバランスまで専用チューニングが施されており、M社は「モータースポーツのノウハウを可能な限り公道モデルに落とし込んだ」と説明しています。
組み合わされるトランスミッションは7速DCT。シフトスピードを標準型より約20%短縮し、よりリニアなトルク伝達を実現。駆動方式はFR(後輪駆動)で、0-100km/h加速は4.4秒、最高速度は305km/hに達します。
サスペンションはKW製の調整式コイルオーバーを採用し、サーキット走行に適した減衰特性へ最適化。ブレーキはフロント6ピストン、リア4ピストンの専用キャリパーを備え、高速域でも確かな制動力を発揮します。
外装色はBMW Individualによる特別色「ファイアーオレンジII」。カーボンファイバー製ルーフやサテンブラックのリアウイングが組み合わされ、まさに公道を走るレーシングカーの雰囲気を漂わせます。
インテリアはブラックアルカンターラとカーボン素材を基調とし、レカロ製バケットシート、ボディ同色のロールケージ、4点式シュロスレーシングハーネスを装備。安全かつ機能美を追求した空間に仕上げられています。
今回の個体は2011年に製造され、2013年に英国で初登録。これまで一度も本格的な走行に使用されておらず、整備はすべて正規ディーラー「Prentice BMW」で実施。2024年6月にオイルとフィルターの交換を受けたばかりで、走行距離はわずか60マイル(約96km)と、新車同様の状態を保っています。
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世界138台限定のBMW M3 GTSは、自然吸気V8を搭載する最後のM3としても特別な存在です。今回のオークションでは、その希少性と極上のコンディションが評価され、19万ポンド(日本円で約3819万円)で落札されました。
誕生から十数年を経た今もなお、M3 GTSはBMW Mの象徴的存在として語り継がれています。
Writer: くるまのニュース編集部
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