マツダ新「“4ドア”クーペ」を世界初公開! シグネチャーウイング&大開口グリルがなくなった!? 「魂動デザイン」の進化形「VISION X-COUPE」コンセプトとは
マツダは、新コンセプトモデル「MAZDA VISION X-COUPE(マツダ ビジョン クロスクーペ)」を、「ジャパンモビリティショー2025(JMS 2025)」で世界初公開しました。「魂動デザイン」を進化させた4ドアクロスオーバークーペの見どころはどこにあるのでしょうか。
進化した魂動デザインとは?
マツダは、2025年10月29日、4ドアクロスオーバークーペ「MAZDA VISION X-COUPE(マツダ ビジョン クロスクーペ)」を、同日開幕した「ジャパンモビリティショー2025(JMS 2025)」で世界初公開しました。
コンセプトカーとして出展されたこのモデルは、一体どのようなクルマなのでしょうか。

4ドアクロスオーバークーペのMAZDA VISION X-COUPEは、マツダの躍進を支えてきた「魂動デザイン」の進化形であることが、デザイン面での最大の見どころです。ボディサイズは5050mm×1995mm×1480mm、ホイールベースは3080mm。
コンセプトカーらしくアウタードアハンドルの存在を感じさせないスリークなサイドビューが印象的で、小さなドアミラーも用意されています。大きく膨らんだボリューム感のあるリヤクオーターまわりも見どころ。
フロントは中央にマツダのエンブレムが配され、薄型の2眼LEDヘッドランプ、その下には「V」字の下半分を切り取ったようなライトシグネチャーを配置。このシグネチャーは、2眼ヘッドランプ内部の斜めの造形と連なっているように見えます。
リヤコンビランプは、ブーメランあるいは渦を巻いたようなデザインで、ライトオンで浮かび上がる「MAZDA」のブランドロゴも目を惹きます。
俯瞰すると、全幅で最もワイドなのは、フロントフェンダーとリヤフェンダーまわりに見えます。ボディ中央付近が最も内側に絞り込まれていて、前後に行くほどワイドなスタンスになり、存在感を高めています。
非常にシンプルなインテリアは、ドライバーの眼前に、飛行機の計器のような丸型の3眼メーターが浮かび上がっています。センターメーターは、メーターディスプレイから連続するように助手席近くまでワイドに配置されていて、MAZDA VISION X-COUPEのサイドビューが映し出されています。また、ステアリングパッドにもマツダの新しいロゴを配置。
デザイン本部 本部長の木元英二氏に話を聞いたところ、“魂動デザインの進化形”について、「ネオ・オーセンティック」の第一弾と説明。クルマが本来持っている美しさ、カッコよさを大事にしながら、新しい時代にマッチするために再構築しているそうです。
最近は、BEVなどの電動化によりいろいろな自動車デザインが提案されているが、マツダは、クルマ好きのメーカーとして、美しさを継承していきたいと語っています。
これまでの魂動デザインは、“引き算の美学”、“生命観”などがテーマにありましたが、より引き算の美学を追求。「MAZDA RX-VISION」で掲げていた生命観のある動きさえも排除したそうです。
また、マツダはシグネチャーウイングと大開口グリルによるフロントマスクを構築してきました。今回は、それさえも排除。シグネチャーウイングを想起させる最小限の意匠を残したそうです。
インテリアについては、座ったときに余計なモノがなく、ごちゃごちゃした印象を廃し、視界が広がる空間を表現したそう。とはいえ、メーターやディスプレイなどは必要になるため、ディスプレイを下げるレイアウトにチャレンジ。「ネオ・オーセンティック」というデザインコンセプトに基づき、クーペには3連メーターを用意したとのことです。
ちなみに、「MAZDA VISION X-COUPE」は、クロスオーバークーペを謳っていますが、SUVやワゴンなど、ほかのボディタイプをクロスさせたという意味ではなく、クーペを超えていく、そういったボディタイプなどのジャンルを超えた存在にするという意味が込められているそう。
搭載されるパワートレーンは、2ローター・ロータリーターボエンジンとモーター、バッテリーが組み合わされたプラグインハイブリッドで、最高出力は510PSに達し、モーターのみのEV走行は160km、エンジンを併用すると800kmという航続距離を実現するそうです。
買い物などの日常使いであれば、EVとして使用でき、ロングドライブでも電欠の心配は不要というわけです。
さらに、マツダが以前から注力している藻を使ったカーボンニュートラル実現に向けての試みも搭載されています。微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料と、同社独自の二酸化炭素(CO2)の回収技術である「Mazda Mobile Carbon Capture」(マツダ モバイル カーボン キャプチャー)との組み合わせで、走るほどに大気中のCO2の削減が可能になるそう。
具体的には、微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料を使うことで、従来よりもCO2排出量を90%も削減することが可能で、このカーボン キャプチャーを搭載することで、CO2を20%回収し、トータルでのCO2排出量は、マイナス10%になるそうです。走れば走るほどCO2の削減に寄与することになります。

Writer: 塚田 勝弘
中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー用品などのフリーライター/フリーエディターに。軽自動車からミニバン、キャンピングカーまで試乗記や使い勝手などを執筆。現在は最終生産期のマツダ・デミオのMTに乗る。























































