9カ月で開発されたクルマ「SCSK-Car」の全貌! モビリティの未来はITがカギ!SCSKが示す「統合価値」とは
9カ月で完成! ソフトウエアで進化する未来の愛車
そんな同社のブースにおける展示のハイライトは「SCSK-Car」と呼ぶコンセプトモデル。昨今話題となっている、ソフトウエアのアップデートによってスマートフォンのように購入後も進化し機能が追加されていく「SDV(Software Defined Vehicle)」です。中国で市販されているクルマをベースとすることで、「わずか9カ月で開発した」という超短期開発もトピックとなっています。

具体的には、ダッシュボード周辺とフロント部分がSCSKのオリジナルです。コックピットの大きなディスプレーは、クラウドやAIとも連携しながらドライバーとクルマをつなぐ役割を持ちますが、ドライバーの好みに合わせてAI音声エージェントやエンターテインメント機能などがパーソナライズされます。
さらにフロントグリルも液晶ディスプレーとなっており、歩行者へのメッセージを流せるようになっています。
「クルマは技術だけでなく人の思いが形になるもの。私たちは、その思いをデジタルでつなぎ、未来を共に描いていく仲間と出会いたいと考えています」と同社でモビリティ事業を手掛ける三谷明弘SDM事業開発センター長は、プレスブリーフィングで語りました。
挟まれ事故もゼロに!最新センサーのすごい技術
また、同ブースでは電動スライドドアに対する興味深い提案もありました。
特徴は「ToFセンサー」と呼ばれる、光の反射を活用したもので、手や腕を検知することで非接触ながら閉じるドアに体を挟まれるのを防げるのがひとつめのポイント。また、手の動きでスライドドアを止めたり閉めたりといった新しい操作方法も組み込まれています。

実際に開閉操作を行ってみると、たしかに安全で便利です。これは「さまざまなサプライヤーが共同で開発したもので、異業種が協力し合うことによってイノベーションが起き、『安全』『快適』『感動』を社会に提供できるひとつの例」とのことです。
「ジャパンモビリティショー2025」は、2025年10月30日〜11月9日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催。SCSKのブースは、東京ビッグサイト西展示棟1階、ブース番号W1002です。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。






















