NEXCOが「今ここで高速を降りなさい!」命令!? 悪質な「ルール無視の大型車両」をその場で“完全排除” 「100万円以下」の高額罰金の可能性も? 道央道で合同取締り実施
NEXCO東日本北海道支社は、北海道警察および北海道運輸局とともに、道央道で実施した合同取り締まりの内容について発表しました。
1台に「即・措置命令」
NEXCO東日本北海道支社は2025年10月7日、北海道警察および北海道運輸局とともに、道央道で実施した合同取り締まりの内容について発表しました。
計13台をチェックし、1台に措置命令が下されました。一体どういうことなのでしょうか。

今回の取り締まりでは、車両制限令違反や道路交通法・道路運送車両法違反の一斉取り締まりに加え、車両脱輪防止の啓発、「トラック・物流Gメン」によるトラックドライバーへの聞き取りを実施しています。
車両制限令とは、道路法第47条に基づいた政令で、道路の構造を保全し、交通の危険を防止するため、道路を通行する車両の大きさと重さの最高限度「一般的制限値」を定めています。
具体的な一般的制限値は、大きさが長さ12m×幅2.5m×高さ3.8m(高さ指定道路は4.1m)まで、重さが総重量20t(高速自動車国道または指定道路は25t)、軸重10tまでとなっています(一部特例もあり)。
これを超える車両は「特殊車両(特車)」といい、重量オーバーやサイズオーバーとなるため、原則的に公道を走らせることはできません。
そのまま走らせると重量が道路の構造物にダメージを与えたり、サイズオーバーで道路設備を破壊したり、周囲に危険をおよぼしたりする可能性があるためです。
いっぽう、巨大な資材や大型クレーンなど、完全に車両制限令の一般的制限値を超える特殊なものを運搬するケースもあります。
その場合は、通行経路や道路管理者の許可、車検証や車両の詳細を記した説明書などの書類を集めて「特殊車両通行許可(特車通行許可)」を受けると、特例で通行することができます。
ただし、未だに無許可の制限オーバー車による通行はなくなっておらず、それに起因する交通事故や道路の破壊が社会問題になっています。
NEXCOでは「車両制限令等違反車両取締隊」(通称:車限隊)を配置し、制限オーバー疑いがある車両を停止させてチェックし、違反車両がいれば、「措置命令書」を交付し、積荷を減らして軽くさせたり、ICで高速を降ろすなどの措置を講じています。
今回、NEXCO東日本の北海道支社が発表したのは、道央道の札幌南本線料金所(札幌市厚別区・清田区)で実施した合同取り締まりでした。
10月7日の10時半〜12時で実施された取り締まりは、不正な特車に加え、過積載や不正改造、整備不良がないかをチェック。さらに、国土交通省の部隊でドライバーの労働環境をチェックする「トラック・物流Gメン」も配置し、徹底的に調べました。
13台をチェックしたところ、1台で車両制限令違反が確認され、その場で措置命令を下しています。
高速道路の料金所での違反のため、違反車はICをすぐに降りてクルマを停止させられます。一般的制限値内に収まるように積荷などを工夫させたり、特車通行許可が降りるまで待機しなければなりません。
ちなみに、こうした措置命令を繰り返し受けると、NEXCOからは「大口・多頻度割引制度」の停止といったペナルティに加え、運行した会社に警告書の送付や是正指導が入るほか、日本高速道路保有・債務返済機構の公式サイトに「この会社はルールを守らない会社です」と会社名や違反した内容が公表されます。
場合によっては特車通行許可の却下や、道路の管理者から通行許可が下りなくなったり、刑事告発されて会社と運転手それぞれに「100万円以下の罰金」が科される可能性もあります。
同支社は車両制限令違反は道路の損壊だけでなく、ドライバー本人の安全をも脅かす大変危険な行為です」としたうえで、「安全・安心な高速道路空間の実現のためには、皆様が法令をより一層遵守して高速道路を利用していただく必要があります」とコンプライアンス意識の向上を呼びかけています。
Writer: くるまのニュース編集部
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