マツダが「“特別”なRX-7」を実車展示! 長崎の「80歳女性」が25年所有した「ともだち」が甦る! 5速MT×流麗ボディの「2ドアスポーツカー」 ファンフェスタにサプライズで登場
長崎県内に在住していた高齢女性が長年所有していたマツダ「RX-7」。「第2の人生」に向けてマツダ社内でメンテナンスを受けていましたが、マツダ公式イベント「マツダファンフェスタ2025」で姿を現しました。
大きな話題になった「西本さんのRX-7」 ふたたび対面でサプライズも
新車で購入し、“ともだち”として25年間愛用したのち、80歳の誕生日に免許返納するとともにマツダへと譲渡された、西本 尚子さんのマツダ「RX-7」(FD3S型)。このエピソードはニュースで瞬く間に拡散され、多くのクルマ好きの心を揺さぶると話題になりました。
そのときに譲渡されたRX-7が、2025年10月4日・5日に「富士スピードウェイ」(静岡県小山町)で開催されたマツダ公式イベント「マツダファンフェスタ2025」の会場で、整備を終えた状態でお披露目されたのです。

当初の予定では展示のみということでしたが、マツダの毛籠 勝弘 代表取締役社長兼CEOが「せっかく整備したのだから、走らせよう」と提案。
オープニングセレモニーでは毛籠氏自らがステアリングを握って登場するというサプライズもあり、多くの来場者の目に留まることになりました。
そんなRX-7は今後、広報車として「第2の人生(車生?)」を歩むことが決まっており、それに伴っての整備がなされたのですが、あくまで“整備”であって、“レストア”ではないというのが大きなポイントです。
自動車メディア向けに貸し出す広報車という特性上、エンジンやミッション、ブレーキ、足回りといった、走りにまつわる部分は完調であることが求められるので、入庫時に発生していたオイル漏れや水漏れといったトラブルの修理はもちろん、消耗品類なども交換。
足回りなどは、ブッシュ類なども新品に交換された上で、メカニックによる1G締めやアライメント調整などもバッチリ実施されました。
その一方で、西本さんがRX-7とともに歩んだ25年の間についてしまった内外装のキズや劣化は、「あえてそのまま」としてクリーニングをするに留めており、あくまで“西本さんのRX-7”として今後も運用されていくとのこと。
また、ナンバープレートについても当初は長崎ナンバーの払い出し番号でしたが、マツダファンフェスタに展示するにあたって、西本さんがオーナーだったときに付けていた「・・・7」の番号を装着。
といっても、この希望番号は非常に人気であり、すぐに取得できるものではなく抽選の対象となっています。抽選の倍率は非常に高く、複数回申し込んでも当たらないというケースもあり、イベントに間に合うかは不透明な状況だったそうですが、幸運にも1回目の申し込みで見事に当選。
無事に装着することができ、マツダの広報車貸し出し拠点がある横浜の「・・・7」ナンバーが取り付けられています。
マツダファンフェスタ2025の2日目には会場に西本さんが招待され、昨年12月の譲渡以来の対面を果たしていますが、このとき、まさか「・・・7」の番号をわざわざ取得したとは思わず、記念所蔵した返納時のナンバーを展示用に装着しているものだと勘違いしたというエピソードもありました。
一部のメーカーでは、こうしたかつての名車を大事に保管していますが、どうしてもメーカー所蔵の旧モデルというと、ピカピカにレストアされた車両というイメージがあります。
しかし、今まで維持してくれた前オーナーの記憶を残しつつ、リフレッシュするというのは、さすがマツダと言ったところではないでしょうか。
ちなみに以前、同じようにマツダに譲渡された「クラシックレッド」のボディカラーをまとった「ユーノスロードスター(NA)」も、西本さんのRX-7と同じく、前オーナーの思い出を残しつつリフレッシュがなされています。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。






















































































