「8ナンバー」は車税安い? かつては節税のため不正も横行 今もメリットはある?

救急車や消防車のほか、キャンピングカーなど「特殊用途自動車」のナンバープレートには、800番台の分類番号が付与されます。この「8ナンバー車」、かつては税金が安いなどの理由で不正に登録する事例もありましたが、現在はそのようなメリットがあるのでしょうか。

 クルマのナンバープレートに記載された事項のうち、地域名の右側にある3桁の番号は分類番号といい、そのクルマの主たる用途を表しています。たとえば一般的な乗用車であれば、サイズや排気量によって500番台(小型自動車)か300番台(普通自動車)に、貨物車であれば400番台(小型)か100番台(普通)に分類されます。

「ハイエース」をキャンピングカーにする場合、8ナンバー車として登録すべきか。写真はイメージ

 一方、パトカーや消防車、教習車、ゴミ収集車といった特定の用途に用いられる「特種用途自動車」は800番台に分類され、「8ナンバー車」とも呼ばれます。多くは業務で用いられるものですが、たとえばキャンピングカーなど、一般の人が私的に用いるであろう8ナンバー車もあります。

 8ナンバー車はかつて、乗用車と比べると自動車税が大幅に安く設定されていました。また、乗用の3ナンバー車や5ナンバー車は車検期間が初回3年、以後2年、貨物用の1ナンバー車や4ナンバー車は初回は2年、以後1年(1ナンバー車のうち8t以上車は初回も1年)ですが、8ナンバー車は最初から2年です。このため、1990年代には維持費を抑えようと、貨物車、乗用車ともにこれを改造し、キャンピングカーや街宣車、事務室車(移動先において、事務室または教室として使用する自動車)として8ナンバー登録しつつ、その設備を外して走行するといった不正も横行しました。

 キャンピングカーの業界団体である日本RV協会(横浜市港北区)によると、「そのような不正対策の一環として、8ナンバー車の税額は段階的に引き上げられ、登録に必要な構造要件も厳しくなっていきました。いまでは、何でもかんでも登録できるわけではありません」と話します。かつてはワゴンやバン以外の乗用車(ステーションワゴンなど)を8ナンバー登録する事例もありましたが、現在は難しいそうです。

8ナンバー登録のパンダパトカーや3ナンバーの覆面パトカー【画像8枚】

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