2025年10月末に開催される「ジャパンモビリティショー（JMS）2025」。今年は2年に一度のショーイヤーにあたり、昨年のビジネスショーとは違った遊び心満載のクルマや最新のクルマが登場します。

　2年前の「JMS2023」を振り返ると、市販化の可能性に満ちた魅力的なコンセプトカーが出展されています。それがダイハツのコンセプトカー「ビジョン コペン」です。

　ダイハツのブースに展示されたビジョン コペンは、ネーミング通り「コペン」初代モデル（L880K）を彷彿とさせるフォルムのコンセプトカーでした。

　しかし、初代コペンと異なるのは、1300ccエンジンとFR方式が採用された点です。これについてはプレスリリースでも事前報告され、大きな話題となっていました。軽自動車かつFF方式である、既存コペンの真逆の設計ともいえるでしょう。

　これには、軽自動車から普通車に進化させることにより、進化したコペンを楽しんでもらいたいというダイハツの想いがあったそうです。

　出展された当時は、カーボンニュートラル燃料を使用するガソリンエンジン搭載や、MTの設定も検討しているという情報もありました。

　ビジョン コペンは、ボディサイズも拡大されています。具体的な数値は全長3835mm×全幅1695mm×全高1265mm。既存のコペンと比べだいぶ大きい車体で、前後のトレッド幅を広げられ、コーナリング性能の向上も見込めます。

　このサイズで競合車に浮上するのがマツダ「ロードスター」。とはいえロードスターよりビジョン コペンのほうがまだまだコンパクトです。

　エクステリアは初代コペンのイメージを継承しつつも、ワイドになったフェンダーや空力も考慮されたリアまわりについては進化が感じられます。

　また、ヘッドライトやテールランプにはLEDが使用されています。

　細かな変更点もあるエクステリアですが、初代から続くコペンの可愛らしさは忘れずに盛りこまれている印象です。

　そんなビジョン コペンは公開から2年が経過しましたが、残念ながら今のところ市販化の発表や追加情報はなく、また2代目の現行型コペンは2026年8月末で生産終了がアナウンスされています。

　ただし、JMSの前身である「東京モーターショー」1999年回で出展されたコンセプトカー「KOPEN」から初代コペンが生まれたことを忘れてはなりません。

　JMSのビジョン コペンの出展をきっかけに、将来はFR方式の普通車として次期コペンが誕生する可能性も大いに否定できません。

　当時の開発陣からも「ビジョン コペンの市販化については皆さまからの応援の声をいただくことがとても大事」とアナウンスがあったこともあり、新型コペンの登場を後押しできるような声を今後も届けていく必要があります。

　果たしてJMS2025では、ダイハツブースに市販に近づいたビジョン コペンは登場するのでしょうか。ワクワクしながら会場を訪れてみましょう。