三菱の「ランエボ・クーペ」!? 斬新すぎる「“4WD”スポーツカー」は超パワフルな「高性能ターボ」エンジン搭載! まさかの“軽油”で走る「美麗2ドアクーペ」米国のコンセプトRAが凄かった!

三菱が2008年に発表した「Concept-RA」は、“ランエボの魂”を受け継ぐスポーツクーペとして注目を集めました。革新的なデザインと技術を備えたこのコンセプトカーは、なぜ市販に至らなかったのでしょうか?

三菱の「ランエボ・クーペ」!? 超パワフルな「高性能ターボ」搭載!

 2025年10月30日から11月9日にかけ、国内最大のモーターショー「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)2025」が開催されます。

 過去のモーターショー同様に、今年もさまざまなコンセプトカーの展示が行われ、来場者の注目を集めることでしょう。

 今回は、2008年に開催の「デトロイトモーターショー」で三菱が世界初公開して話題となった2ドアスポーツクーペのコンセプトカー「Concept-RA(コンセプトRA)」について、改めて振り返ります。

三菱の「ランエボ・クーペ」!? 超パワフルな「高性能ターボ」搭載!
三菱の「ランエボ・クーペ」!? 超パワフルな「高性能ターボ」搭載!

 このコンセプトRAは、「走る歓び」と「環境への貢献」の両立を目指し、次世代クリーンディーゼルエンジンや車両統合制御技術「S-AWC」の採用など、当時の三菱が掲げる最新技術を結集して開発された一台でした。 

 また、三菱の伝統的なスポーツクーペ「エクリプス」の次期モデルを示唆するデザインスタディの役割も担っており、一部では「ランエボ・クーペ」とも称されました。

 外観には、当時の三菱のデザインアイコンである“ジェットファイターグリル”を採用。

 ロングホイールベースと大径ホイールがもたらす力強いプロポーションに加え、上方向に開くバタフライドアやアルミスペースフレーム構造、植物由来樹脂「グリーンプラスチック」製のボディパネルなど、革新性の高い要素が盛り込まれました。

 インテリアには、ドライバーを中心に据えた“ラップアラウンドレイアウト”を採用。

 これは、複雑化する車載機能に対して「運転体験そのものを最優先する」という明確な意思を示す構成であり、自然素材と環境対応型樹脂を融合させたコックピットは、先進と伝統の調和を象徴する空間と説明されました。

 パワーユニットには、最高出力204馬力・最大トルク420N・mを発揮する2.2リッター直列4気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載。

 トランスミッションは「ランサーエボリューションX」にも採用された「ツインクラッチSST」を組み合わせ、駆動系には「S-AWC」を進化させた新システムが採用されました。

 さらに電子制御ダンパーやアクティブステアリングも組み合わされ、ハンドリング性能と安定性を高い次元で追求。

 このように高い完成度を誇るコンセプトRAでしたが、市販化は実現しませんでした。

 その最大の理由は、2008年のリーマンショックによる世界的な経済危機だと言われています。

 市場の急速な冷え込みにより、ニッチで開発費のかかるプロジェクトへの投資が難しくなれば、計画が凍結されるのも納得できる話です。

 また、三菱は当時からSUVやEVへの注力を進めていたことから、エクリプスというモデル自体も2012年に生産終了。

 コンセプトRAはその基盤を失う形となりました。

 さらに、2000年代初頭に発覚したリコール隠し問題などの影響もあり、社内には大規模な新規プロジェクトに慎重になる風土が形成されていたことも、市販化断念の背景にあったとされています。

 とはいえ、コンセプトRAが残した技術的成果は、現在も三菱車に受け継がれています。

 搭載された4N14型ディーゼルエンジンは後に「デリカD:5」などへ量産化され、S-AWCの思想もSUVラインアップに展開されました。

 また、デザイン面でも“ダイナミックシールド”へと至る過程において、本モデルはブランド変遷の重要な中継点を担っています。

 このように、市販化は実現しなかったものの、コンセプトRAは三菱が描いた未来像を体現する象徴的な存在でした。その技術とデザインの“魂”は、今も同社のクルマ作りの中に受け継がれているといえるでしょう。

【画像】超カッコいい! これが三菱の「ランエボ・クーペ」です!(44枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー