ホンダ「新型プレリュード」に注目! 24年ぶり復活の新たな「スペシャリティクーペ」はどんなモデルに? クルマ好きも興奮の「S+Shift」が超楽しい! 乗った印象は?
「Sプラスシフト」が超楽しい!
さて、実際に試乗してみます。今回は高速道路での試乗はかないませんでしたが、市街地や4車線の国道、比較的凹凸のある道などを選び、モード切り替えや新機能であるHonda S+ Shift(以下、Sプラスシフト)を試してみました。

足回りは「シビック タイプR」ベースだということで、かなりスポーティで固められたように予想していたものの、実際にはしっとりしなやかで非常に滑らか。
まさに「滑空」するように走り、ホールド性のよいシートも相まって、助手席の乗員と特別な時間を過ごせるでしょう(実際にはひとりで運転しましたが…)。
スポーツカーのようにひたすらかっ飛ばすというよりも、ワインディングを楽しみながらロングドライブするのが向いていると感じます。
とはいえ、ステアリングの切り込みにはリニアに反応し、グイグイ曲がっていくことには驚きます。鼻先がスーッと滑らかに入っていくことで、「まだイケるな」と欲が出てしまいそうになります。
このあたりは、シビック タイプR譲りのデュアルアクシス・ストラットフロントサスペンションに加え、アジャイルハンドリングアシストの効果を感じられ、操縦する楽しさと喜びを感じられます。
ドライブモードは3種類で、通常はノーマルにあたる「GT」のほか、「コンフォート」、「スポーツ」があります。ノーマルではなくGTモードという名称にしたことや、「エコ」モードがないあたりに、スペシャリティモデルとしてのこだわりを感じます。
GTモードは「グランドツーリング」の通り、滑らかでしっとりなセッティングです。柔らかすぎるということはなく、かと言って硬くもなく、一番「自然体」なテイストで、GTモードのままでも十分です。
いっぽう、「スポーツ」ではステアリングも重くなり、ダンパーもシャキッとします。多少荒れている路面ではやや硬さを感じるものの、郊外のワインディング路では少々オーバースピードで攻めてみたくなるような気持ちよさです。
「コンフォート」はやはり凹凸のある路面では少し柔らかすぎましたが、整った市街地や首都高をゆったりと流すようなシーンではぴったりでしょう。同乗者との時間を大切にしたいときには、このコンフォートモードがドライブのいい雰囲気づくりに役立ちそうです。
一通りモード切り替えを楽しみつつ、Sプラスシフトを使ってみます。メーター表示がタコメーターに切り替わり、早速シフトアップダウンが行われます。パドルシフトを使わなくても、減速時には「フォン!フォン!」という軽快な音でシフトダウンされます。
市街地走行レベルではホンダのe:HEVはモーター駆動がメインとなりますが、このサウンドやエンジン車の有段ギアのような変速のフィーリングで、思わずハイブリッドであることを忘れます。
近年ではEVなどでこうした「疑似サウンド」を演出するモデルが増えており、筆者もこれまで数モデルで試乗してきましたが、ほとんどが「作っている感」があり、音質も実車のそれとは程遠いものでした。
いっぽうプレリュードでは、サウンドのリアルさはダントツでした。音の雰囲気は「直4VTEC」ではなくV6とV8の中間のようなイメージで、非常に面白い機能です。個人的にはずっとオンにしっぱなしでもいいような気がします。
※ ※ ※
短時間の試乗でしたが、スペシャリティカーらしい特別感・非日常感と、シビック タイプRの技術をところどころで感じられるスポーティさ、さらにはロングドライブもしたくなる余裕はほかにはない特徴で、「クルマ好き心」を上手にくすぐってきます。
ミニバンやSUVが台頭する今、あえて販売台数を狙いにくい「2ドアクーペ」として復活させたことから、決して万人受けするモデルではないと言えますが、ホンダというメーカーが「面白いことをしている」と感じることができます。
ちなみに新型プレリュードは、ホンダ初の取り組みとして、ディーラーを拠点にレンタカーが配備されます。手軽にプレリュードを体感することができる意欲的な取り組みで、気になっている人はぜひ乗ってみてほしいと思います。
Writer: くるまのニュース編集部
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