個性的デザインに注目! 新型「PV5」ってどんなクルマ? 韓国キアが日本導入へ【先行試乗】

2025年9月30日・10月1日に韓国の自動車メーカーKiaはグローバルメディアを集めたイベントを行いました。その際に2026年春に日本発売が控える「PV5」の先行試乗も実施。どのような印象だったのでしょうか。

Kia PV5:日本市場に2026年春投入予定の次世代商用バン、韓国・華城(ファソン)市で試乗レポート

 韓国の自動車メーカーKiaが新たに展開するPBV(Purpose Built Vehicle:目的別車両)シリーズの中核となる「PV5」が、2026年春に日本市場への投入を予定しています。

 今回、韓国・華城(ファソン)市でこの注目の1台に試乗する機会を得たので、その特徴や性能、日本での展開について解説していきます。

日本での正式発表に先駆けて「PV5」を試乗してみた
日本での正式発表に先駆けて「PV5」を試乗してみた

 PV5は、特定の用途に最適化された車両を意味するPBVコンセプトに基づいて開発された商用バンです。

 多様なニーズに応える汎用性と、電気自動車ならではの環境性能を兼ね備えた次世代モビリティとして、ビジネスユースからさまざまな活用が期待されています。

 PV5の日本市場向けモデルは、乗用バンと貨物バンの2つの基本モデルが用意され、合計で5つのバリエーションが展開される予定です。

 乗用バンには、バッテリー容量の異なる2種類のモデルが設定されています。

 一つは71.2kWhの大容量バッテリーを搭載したモデルで、もう一つは51.5kWhのバッテリーを搭載したモデル。長距離走行に適した大容量バッテリーモデルと、都市部での使用に最適化された中容量バッテリーモデルという選択肢が用意されています。

 一方、貨物バンは3種類のバッテリー容量から選択できます。乗用バンと同じ71.2kWhと51.5kWhに加え、さらに小容量の43.3kWhモデルも用意。使用目的や走行距離に合わせた最適なモデル選択が可能となっています。

 これらのバリエーションにより、アウトドアや車中泊を楽しみたいユーザーから、個人事業主、そして物流企業まで、さまざまなビジネスニーズに対応できる柔軟性を備えています。

 PV5の最大の特徴は、使用目的に合わせた高い柔軟性と機能性を備えている点です

 PV5の最も大きな強みの一つが広い室内空間。箱型のデザインを活かし、限られた車体サイズの中で最大限の室内スペースを確保しています。

 乗用バンモデルでは快適な移動空間として、貨物バンモデルでは効率的な荷物の積載が可能。床面は平坦で、積み下ろしがしやすいように設計されており、商用車として重要な使い勝手の良さを追求しています。

 PV5は機能性を重視しつつも、先進的なデザインを取り入れています。

 箱型の実用的なシルエットながらも、現代的なデザイン要素を取り入れることで、商用車というカテゴリーの中でも存在感のある外観を実現。

 また、多様なカラーバリエーションが用意されており、企業や用途に合わせた選択が可能です。

 そのほか高い安全性能と快適な乗り心地を両立させている点も特筆すべき点です。

 各種先進安全装備を搭載し、長時間の運転でも疲労を軽減する快適な運転環境を提供してくれます。

 今回の華城(ファソン)市での試乗で体験したPV5の走行性能は、電気自動車としての特性をしっかりと活かしたものでした。

 まず特筆すべきはEVらしいスムーズな加速感です。商用車であっても、電動モーターの特性である発進直後からのトルクフルな加速により、ストレスなく発進・加速できます。

 ブレーキの操作感も良好で、細かな速度調整も思い通りに行えます。

 ドライブモードはエコ、ノーマル、スノーの3種類が用意されており、走行環境や好みに応じて選択できます。

 特にエコモードでは回生ブレーキが効くようになっており、エネルギー効率を高めることができます。

 回生ブレーキは3段階に調整可能で、さらに「アイペダル」と呼ばれる機能では、アクセルペダルの操作だけで加減速をコントロールでき、完全停止までアクセルペダルのみで制御することも可能です。

 この機能は市街地走行での利便性を高め、特に頻繁な発進停止が必要な配送業務などに適しています。

 車両の安定性も印象的でした。蛇行運転をしてもロール感が少なく、しっかりとした走行安定性を持っており、これは積載時の安全性にも寄与する重要な特性です。

 また足回りはリアサスペンション(トーションビーム式)を採用。乗用・商用と基本は同じ物ですがそれぞれの用途に応じてチューニングしているといいます。

運転してみるとあまり「商用車」という印象は感じられなかった
運転してみるとあまり「商用車」という印象は感じられなかった

 日本市場におけるPV5の競争力は、その汎用性と電動化という二つの要素から成り立っています。

 従来の商用バンは、ガソリンやディーゼルエンジンが主流であり、電気自動車の選択肢は限られていました。PV5は純電気自動車として、特に環境規制が厳しくなる都市部での使用において優位性を持ちます。

 特に注目すべきは、バッテリー容量を複数用意している点です。使用頻度や1日の走行距離に合わせて最適なモデルを選択できることは、初期投資とランニングコストのバランスを考慮する事業者にとって大きなメリットとなります。

※ ※ ※

 2026年春に日本市場への導入が予定されているPV5は、商用EVバンとして新たな選択肢を提供します。

 電気自動車としての環境性能と、目的別車両としての柔軟性を兼ね備えたこの新しいモビリティは、ビジネスの効率化と環境負荷の低減を同時に実現する可能性を秘めています。

 Kia担当者は「PV5は単なる移動手段ではなく、ビジネスの可能性を広げるパートナーとして設計されています。日本市場のお客様のニーズに応えられるよう、引き続き開発と改良を重ねていきます」とコメント。

 なおPV5は2025年10月末から開催される「ジャパンモビリティショー2025」で日本初公開となり、その後2026年春頃に正式発売となる予定です。

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Writer: くるまのニュース編集部

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