680馬力の新型「ワゴンSUVセダン」? “いいとこ取り”の最上級モデル「ボルボES90」どんなクルマ? 快音オーディオもスゴイ「新たなBEV」に試乗
ボルボは7月に新型「ES90」を日本市場に投入しました。BEVフラグシップモデルという同車はどのようなクルマなのでしょうか。西川 昇吾氏が試乗し、レポートします。
新たなフラッグシップモデルES90
ボルボは7月に新型のBEVフラグシップモデルである「ES90」を日本市場に投入しました。

そのシルエットはサルーンでありながら、ボルボの伝統であるワゴンやクロスカントリーの要素を持つこのモデルは唯一無二の存在とも言えます。
そんな個性を持つES90をワインディングから市街地、高速道路に至るまであらゆるシチュエーションで試乗してみました。
ES90はボルボの新世代技術がてんこ盛りとなっている1台です。新しくBEV専用プラットホームとして開発されたSPA2アーキテクチャを採用しているほか、クルマの“頭脳”として「HuginCore」と呼ばれる車両全体の機能を統合制御する基盤が搭載されています。
この「HuginCore」の採用が意味することは、ボルボとして本格的なSDVを採用したモデルであるということです。今後登場するボルボのBEVモデルには、この「HuginCore」が採用されていく予定となっていて、他のモデルで得た知見やアップデートが「HuginCore」を通して納車した後でもあっても、このES90にも施されていくのです。
SPA2アーキテクチャと「HuginCore」はES90に採用された新技術の特徴的なポイントですが、この特徴は同時に日本市場へ投入されたBEVのSUV、EX90と共通です。
ES90とEX90は基本的なハードウェアを共有しており、兄弟車的な位置づけが強い関係です。ただ、本国ではES90の方が約2年後に市場投入されており、インテリアのインフォテイメントを中心に若干の違いがあり、アップデートされていると感じられるポイントもいくつかあります。
横から見ると俗に言う5ドアクーペを思わせるシルエットのES90ですが、ボルボはこのモデルをフラッグシップ・クロスオーバーと表現しています。
サルーンのような洗練されたエレガンス、5ドアハッチバックの実用性、そしてSUVのように広々とした室内空間と高い最低地上高…といったように、様々なボディ形状の要素が1つにまとめられた1台となっています。
実際にトランクを開けてみても、広々としていてボルボ伝統のステーションワゴンユーザーも納得のいく利便性を有していますし、175~180mm(エアサス装着車)という最低地上高はSUVのようにちょっとした段差も気にせず運転することが出来ます。

ボディサイズは全長5000mm全幅1940mm全高1545mmホイールベース3100mmで大柄と言えます。
グレード構成は3つで、シングルモーターのグレードが2つ(PlusとUltra)とトップグレードにツインモーターのUltra Twin Motor Performanceが用意されます。今回試乗したのはトップグレードのUltra Twin Motor Performance。最高出力680PS、0-100加速4秒という俊足を誇ります。なお、ツインモーターの場合、シングルモーターに比べてバッテリー容量が増量されており、航続距離はWLTCモードで720kmとなっています。
超弩級のスペックを誇るES90のUltra Twin Motor Performanceですが、実際に運転してみるとそのハイパフォーマンスを感じさせないほど穏やかで優しい乗り味でした。とても乗り心地がよく、シームレスで不快な入力を乗員に全くと言っていいほど感じさせません。
BEVは重たくなってしまうため、その重さを受け止めるためにサスペンションがハードになって乗り心地が損なわれてしまうケースもありますが、2.5トンを超えるBEVでここまでの乗り心地を実現しているのは予想外でした。これもSPA2アーキテクチャがBEV用にアーム類など各所の剛性を強化した結果と言えます。
ただ、ステアリングインフォメーションは薄く、フロントタイヤとのコミュニケーションは希薄な印象です。運転を楽しむ…というよりかは快適に移動するといった趣旨が強いクルマと言えるでしょう。
ワインディングでもドライブフィールをチェックしましたが、ペースを上げてもロール感が少なく安定した姿勢でコーナーを駆け抜けていきますが、あっけなくコーナリングが終わってしまって、クルマを運転するときめき感はかなり少ないです。
なお、後部座席にも試乗してみましたが、コチラは最高でした。足元が広々としているのはもちろん。フロントシートとの距離が遠く、前方の視界が広々としているのが印象的で開放感があります。
そして何より優れた乗り心地で、快適な移動時間を提供してくれました。ES90はドライバーズカーというよりも、ショーファーカーとしてのキャラクターが強いと感じられました。
そしてもう1つ最高だったものがあります。それがオーディオです。近年のボルボはBowers & Wilkinsのオーディオシステムが採用されており、それはこのES90でも変わらないのですが、(エントリーグレードのPlusはBOSE)ES90にはアビーロードスタジオ・モードが備わっているのが特徴的なポイントです。
停車中に色々と音の調整ができるのですが、これほどまでにカーオーディオで表現力と奥行きがあるサウンドは初めてでした。
ゴキゲンに音楽をかけて、快適な移動を行う…ES90は、そんないい意味でヤル気を無くして、リラックスした時間をともにするのに最適なクルマでした。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。


























































































